第100話

文字数 217文字

 そのまま夢は続いて、

 私、黒いカバーをかけたピアノの上で本を読んでいる。薄い叢書。
 ラヴェルが、何かの曲の初演時に、うまくいかなくて苦しんだエピソード。

 さっきの舞台が終わって、みんなでエスニック料理をつつく。床にクッションを置いて座って。

 ガラス戸を開けて外へ出ると、実家の庭。
 誰かが水やりをしている。たぶん母。
 バラが、たしかクリーム色のバラがしぶきに美しく濡れ、私は歓声をあげて駆けよる。

 靴を履いていなくて、靴下が濡れる。

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