第72話

文字数 537文字

 実家の台所と、二階は知らないきれいな会場がつながったふしぎな状態。
 知らない人たちがアマチュアの音楽発表会をしようとしていて、うちはそれに会場を貸しているらしい。

 舞台裏である台所で、母と私と他の人たち(誰)は、花やら果物やらお菓子やらの下ごしらえと、始末に忙しい。
 私は自分もひとくち食べたいのだけど、なかなか順番が回ってこない。

 いつのまにか大学の理系の研究室のような、テレビ局のひかえ室のような、リノリウムの床の部屋。でもあいかわらず実家とはつながっていて、縁側の外を猫が歩いている。

 だんだん夜がふけてきて、若い女性のスタッフさんには先に果物を食べてもらって、帰らせようという手はず。
 若い男性スタッフの一人(誰)が不公平だと嘆いている。

 けっきょく全員で打ち上げになり、中心にギターを抱えた真澄さんがいて、彼も私も二十年は若い。
 美人で髪もきれいで自信ありそうな女優さん(誰)が真澄さんにちょっかいを出し、真澄さん困惑。
 私、堂々とあいだに入っていって、私のほうがずっと前から友だちだもん、というようなことを言って得意げ。

 そのあたりで目がさめてしまった。
 果物かお菓子かわからないけれどとっても美味しそうだったお皿のものを、けっきょく私、一切れも食べていない。

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