第7話

文字数 568文字

 またおかしな夢。

 古田新太さんが現代ふうの書家になっていて、私は彼から原稿を手渡され、助手なのだろうか。
 それがとてつもなく愉快なエッセイ(内容は忘れた)なのだけど、それをいまから古田さんは書に書くわけで、
 なのに古田さんは、あの不敵な笑みをにやりと浮かべて、飲みに行ってしまう。

 私もおなかがすいたから、いまのうちになにか食べてこようと思って、その《玉稿》をエコバッグに入れて肩にかけて、外へ出ると、ここは外国らしくて、食べたい食べ物が少しもない。

 そのうち、みょうに入り組んだ暗いような、臭うような、天井から黒ずんだ原色のリボンの結び目がたくさんぶらさげてあるお店に迷いこんでしまい、なんだかうろんな感じなので裏から逃げようと思ってはしごをかけたら、
 後ろからお店のおばさんが片言の日本語で「モウいちだん下にカケル」ってなぜか教えてくれて、
 へんなのと思いながらふりかえると、

 ほかにも逃げようとしている人がふたり後ろにいて、それもこんな場所にひどく不つりあいな地味なスーツを着てヒールをはいた女の人たちで、

 ますますへんなのと思いながら私、古田先生の玉稿をしっかりかかえて脱出するのだった。

 起きたら玉稿がなかったので、とても残念。


※文中の古田新太さんはもちろん私の夢の中の古田新太さんで、現実の古田新太さんとは関係ありません。

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