第87話

文字数 531文字

 ひさしぶりに長い夢を見たけれど、疲れすぎていて全部は書けない。

 大きなショッピングビルに何人か、女性同士で同窓会に来ていて、しかも泊まっているらしい。
 あるいは子どものピアノか、バレエの発表会で集まっているのかもしれない。

 私に子どもはいない。誰の顔もわからない。

 トイレに、きれいなコンパートメントがえんえんと並ぶ。みな濃い色の木のドア。
 広めの所に入ると、床がよごれているので、トイレットペーパーをまるめて拭く。

 それが、透きとおった白魚の山なのだ。

 白魚を食べすぎた子どもが駆けこんできて吐いてしまい、母親が、よしよし大丈夫よ、と言いながら背中をさすっている風景がありありと目に浮かぶ。
 けれどもそれは架空の風景で、

 その「ありありと」はあくまである程度の「ありありと」にすぎず、
 夢の中の現実の自分は、その母子の残した汚物を拭いている。
(※この二行はほぼ起きてすぐ書いたメモのままです。)

 とはいえ、
 夢の中の現実じたいが架空なのだから、
 拭いている自分にその母子の風景が重なり、
 半ば侵食され、
 二重写しになっている。
 それにしても、
 消化されなかった白魚たちの、小さな目のはっきりしていたこと。
(※この段落は完全に起きてすぐ書いたメモのままです。)

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