第64話

文字数 353文字

 今朝の夢。
 まず、私は男。
 部下とその妻との三人で、小さい会社をやっているらしい。

 その部下を試すために、私は出かけるふりをするのだけれど、何か天狗の隠れ蓑のようなもので体が透明になって、そして飛ぶ、というか宙を泳げるようになっているらしい。

 あんのじょう、私が消えたことを知った部下夫婦は大騒ぎになり、きゅうに嘘をつきだす。考えたら、まっ先に疑われるのは彼らなのだ。
 悪いことをしたと1ミリばかりは思うが、私はすぐに全力で逃げ出す。部下は必死に追いかけてくる。

 ガソリンスタンドのある街角を曲がって通りを下る、もちろん私は宙を泳いで。
 町を侵食している冷えた溶岩の固まりの後ろに回り込み、なんとか彼をまくのに成功する。

 次は夫婦をじっくり見守り、悪事に走る彼らの姿を、この目に焼きつけることにしよう……

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