第67話 決着
文字数 1,184文字
「ちなみに謎の焼死体の上半身部分ですが、あれは恐らく里中先生の旦那さんのものでしょう。彼の死体はまだ発見されていませんし、上半身だけ使われて下半身は闇ルートにでも売却したのかもしれません。いずれにしろ無事な状態でないことは確定ですね」
「……そうですか。しかしできる限りの調査はしたいですね。隼人兄さんに頼んでみます」
「そうだね」
数十分後、警察の調査によって白澤の家から複数の銃器や違法薬物などが摘出された。
これにより白澤をはじめとする顧客リストに載っていた人物は次々と警察の調査が入るようになり、逮捕されていく人物も増えていくことだろう。
「さて、僕たちはこれから顧客リストに載っていた人物の家を調査しなくてはならない。だから先に君たちを家に送ろう」
「ありがとうございます」
車の中で、榊は式に質問した。
「式くん、結局里中先生の事件で里中先生の遺体が門の前に置かれていた理由は何だったのですか?」
「あれは龍吾に死体を見つけてほしくてあそこに置いたんだと思う。まず教頭先生は里中先生に龍吾宛てに電話をするように言って、その後里中先生を殺害。そして死体を門の前に置いて近くに暴力団のメンバーを配置して起き、龍吾が里中先生の死体を発見したらそのタイミングで龍吾を犯人に仕立てるような発言をする。これで龍吾を殺人犯にすることができる」
「なるほど……」
「いずれにしろ、もう俺たちのできることはないかな。後は警察に任せよう」
そう言ったものの、式には一つ気がかりがあった。
(そういえば、あっちは大丈夫なんだろうか)
窓の外を見ながらふと思った。
「今頃顧客リストに載っていた人物たちの家宅捜索が始まっている頃だ。お前も大人しくお縄についた方がいいぞ」
赤城智也と対峙している龍吾が言った。
「うるせえ、俺だけでも逃げ切ってやる」
そう啖呵を切った赤城智也が、懐から拳銃を取り出した。
「おら、どきな! 邪魔するなら撃つぜ」
銃口を龍吾に向けて威嚇する。
しかし龍吾はそれに構わず、赤城智也に近づいていく。
「おい、来るな! 本当に撃つぞ」
「……」
それでも龍吾は歩を止めない。
「バカな奴だ。じゃあ死んどけ!」
目標に狙いを定め、拳銃を発砲した。
しかし、その銃弾が龍吾に当たることはなかった。
彼は発砲された銃弾をポケットに入れていた鍵で弾き飛ばしたのだ。
「は……?」
銃を発砲した赤城智也は、何が起こったのか理解できていなかった。
龍吾はその隙をついて赤城智也に急接近し、拳銃を弾き落として蹴りを入れた。
「ぐわっ……」
その衝撃で10mほど吹っ飛び、意識を失った。
「さて……」
龍吾は携帯を取り出し、警察に連絡する。
「これで全て終わったか」
静かに呟いた。
「……そうですか。しかしできる限りの調査はしたいですね。隼人兄さんに頼んでみます」
「そうだね」
数十分後、警察の調査によって白澤の家から複数の銃器や違法薬物などが摘出された。
これにより白澤をはじめとする顧客リストに載っていた人物は次々と警察の調査が入るようになり、逮捕されていく人物も増えていくことだろう。
「さて、僕たちはこれから顧客リストに載っていた人物の家を調査しなくてはならない。だから先に君たちを家に送ろう」
「ありがとうございます」
車の中で、榊は式に質問した。
「式くん、結局里中先生の事件で里中先生の遺体が門の前に置かれていた理由は何だったのですか?」
「あれは龍吾に死体を見つけてほしくてあそこに置いたんだと思う。まず教頭先生は里中先生に龍吾宛てに電話をするように言って、その後里中先生を殺害。そして死体を門の前に置いて近くに暴力団のメンバーを配置して起き、龍吾が里中先生の死体を発見したらそのタイミングで龍吾を犯人に仕立てるような発言をする。これで龍吾を殺人犯にすることができる」
「なるほど……」
「いずれにしろ、もう俺たちのできることはないかな。後は警察に任せよう」
そう言ったものの、式には一つ気がかりがあった。
(そういえば、あっちは大丈夫なんだろうか)
窓の外を見ながらふと思った。
「今頃顧客リストに載っていた人物たちの家宅捜索が始まっている頃だ。お前も大人しくお縄についた方がいいぞ」
赤城智也と対峙している龍吾が言った。
「うるせえ、俺だけでも逃げ切ってやる」
そう啖呵を切った赤城智也が、懐から拳銃を取り出した。
「おら、どきな! 邪魔するなら撃つぜ」
銃口を龍吾に向けて威嚇する。
しかし龍吾はそれに構わず、赤城智也に近づいていく。
「おい、来るな! 本当に撃つぞ」
「……」
それでも龍吾は歩を止めない。
「バカな奴だ。じゃあ死んどけ!」
目標に狙いを定め、拳銃を発砲した。
しかし、その銃弾が龍吾に当たることはなかった。
彼は発砲された銃弾をポケットに入れていた鍵で弾き飛ばしたのだ。
「は……?」
銃を発砲した赤城智也は、何が起こったのか理解できていなかった。
龍吾はその隙をついて赤城智也に急接近し、拳銃を弾き落として蹴りを入れた。
「ぐわっ……」
その衝撃で10mほど吹っ飛び、意識を失った。
「さて……」
龍吾は携帯を取り出し、警察に連絡する。
「これで全て終わったか」
静かに呟いた。