第95話 計画終了
文字数 1,335文字
運動公園に着き、車を回収する。
自転車は後部座席に置いておく。
後は帰るだけだ。安全運転をしよう。
車を走らせて数十分、ようやく我が家に帰ってきた。
折りたたみ自転車をしまって自室に戻り、そのままベッドに倒れた。
今日はとにかく疲れた。
計画のためにあちこち動き回ったし、何よりミスが一切できないというプレッシャーの中で行動したのだから、疲労も二倍増しだ。
今回の犯行で使ったものの処分は後でしよう。
身体共々疲弊しきっていたためか、ベッドに横になったらそのまま眠りに入ってしまった。
「綾乃、起きなさい」
私を起こす声で目が覚めた。
「……ん、お父さんどうしたの?」
目が覚めると、既に空は暗くなっていた。もう夜になっていたのか。
「今警察の方がうちに来ていて、大事なお話があるとのことだ」
「け、警察……!?」
私の心臓が止まりそうになった。
まさか私の犯行がバレてしまったのか。
「とりあえず、顔を洗って下に降りてきなさい」
「う、うん、わかった」
そういって父は部屋から出て行った。
私は顔を洗いながらも、何故警察がうちに来たのかを考えていた。
もし計画がバレてしまったのなら、どこかにほつれがあったのか。
いや、そんなものはなかったはずだ。
緊迫した面持ちでリビングに行くと、そこには数人の警察官がいた。
「娘さんですか」
「は、はい」
「お二人にお話したいことがあります。実はあなた方のご家族である宮本静乃さんが、町外れの廃ビルで亡くなっているのが発見されました」
「つ、妻がですか!?」
父は驚いた表情を浮かべている。まあ当然のことだろう。
私は殺害した実行犯だから当然知っているのだが、ここで驚かないのも不自然なのでフリだけはしておくことにした。
「お母さんが死んだって、なんでですか!?」
ちょっと過剰過ぎたかな。
「死亡推定時刻は午後一時頃、死因は鈍器で頭部を殴られたものによる、との報告です。遺体には何度も殴られたような痕があることから、犯人は相当な恨みを持っている可能性もありますね」
「犯人はわからないんですか?」
私は聞きたかったことを尋ねる。
一応現場には浮気相手の男を犯人と断定できるような証拠を残しておいた。
母のスマホにはそのやりとりがあるため、容疑者になるのはあいつだろう。
警察が私の思い通りに動いてくれているのかを確認しておきたかったのだ。
「現在調査中ですが、現状だと奥様の浮気相手である齊藤義一という男が怪しいとのことです」
「う、浮気……」
父は今初めて母が浮気していることを知った。
もちろん前々から思っていただろうが、はっきりと断言されたのはこれが初めてだ。
「今他の警官が齊藤さんの自宅に向かっています。彼から話を聞き、捜査をしていきたいと思います」
「そうですか……」
とりあえず警察官もあいつを疑っているようだ。
「できればお二人にも捜査にご協力頂けると幸いなのですが」
「ええ、もちろん。何でも言ってください」
「私も大丈夫です」
正直ボロが出たら嫌なのであまり関わりたくないが、ここで拒否するのも不自然だ。
自転車は後部座席に置いておく。
後は帰るだけだ。安全運転をしよう。
車を走らせて数十分、ようやく我が家に帰ってきた。
折りたたみ自転車をしまって自室に戻り、そのままベッドに倒れた。
今日はとにかく疲れた。
計画のためにあちこち動き回ったし、何よりミスが一切できないというプレッシャーの中で行動したのだから、疲労も二倍増しだ。
今回の犯行で使ったものの処分は後でしよう。
身体共々疲弊しきっていたためか、ベッドに横になったらそのまま眠りに入ってしまった。
「綾乃、起きなさい」
私を起こす声で目が覚めた。
「……ん、お父さんどうしたの?」
目が覚めると、既に空は暗くなっていた。もう夜になっていたのか。
「今警察の方がうちに来ていて、大事なお話があるとのことだ」
「け、警察……!?」
私の心臓が止まりそうになった。
まさか私の犯行がバレてしまったのか。
「とりあえず、顔を洗って下に降りてきなさい」
「う、うん、わかった」
そういって父は部屋から出て行った。
私は顔を洗いながらも、何故警察がうちに来たのかを考えていた。
もし計画がバレてしまったのなら、どこかにほつれがあったのか。
いや、そんなものはなかったはずだ。
緊迫した面持ちでリビングに行くと、そこには数人の警察官がいた。
「娘さんですか」
「は、はい」
「お二人にお話したいことがあります。実はあなた方のご家族である宮本静乃さんが、町外れの廃ビルで亡くなっているのが発見されました」
「つ、妻がですか!?」
父は驚いた表情を浮かべている。まあ当然のことだろう。
私は殺害した実行犯だから当然知っているのだが、ここで驚かないのも不自然なのでフリだけはしておくことにした。
「お母さんが死んだって、なんでですか!?」
ちょっと過剰過ぎたかな。
「死亡推定時刻は午後一時頃、死因は鈍器で頭部を殴られたものによる、との報告です。遺体には何度も殴られたような痕があることから、犯人は相当な恨みを持っている可能性もありますね」
「犯人はわからないんですか?」
私は聞きたかったことを尋ねる。
一応現場には浮気相手の男を犯人と断定できるような証拠を残しておいた。
母のスマホにはそのやりとりがあるため、容疑者になるのはあいつだろう。
警察が私の思い通りに動いてくれているのかを確認しておきたかったのだ。
「現在調査中ですが、現状だと奥様の浮気相手である齊藤義一という男が怪しいとのことです」
「う、浮気……」
父は今初めて母が浮気していることを知った。
もちろん前々から思っていただろうが、はっきりと断言されたのはこれが初めてだ。
「今他の警官が齊藤さんの自宅に向かっています。彼から話を聞き、捜査をしていきたいと思います」
「そうですか……」
とりあえず警察官もあいつを疑っているようだ。
「できればお二人にも捜査にご協力頂けると幸いなのですが」
「ええ、もちろん。何でも言ってください」
「私も大丈夫です」
正直ボロが出たら嫌なのであまり関わりたくないが、ここで拒否するのも不自然だ。