第92話 計画:第一段階
文字数 1,615文字
そしてとうとう決行の日がやってきた。
昨日は全く眠ることができなかった。
これから人一人を殺めようとしているのだから、無理もないだろう。
朝起きてすぐに事前に練った作戦を見直す。
大丈夫、何度見ても穴はない。
これならきっとうまくいくはずだ。
高鳴る胸の鼓動を懸命に抑えようとしつつ、私は計画を実行し始めた。
まずは母親と出かける必要がある。
その口実も、もちろん用意している。
私は準備を済ませ、家にいる母親に話しかけた。
「ねえお母さん、これからネックレスを買いに行こうと思っているんだけど、一緒に来てくれない?」
「どうして?」
「新しいネックレスがほしいんだけど、どれを選べばいいのかわからなくてさ。お母さん最近いろんなアクセサリー身に付けてるし、ネックレスにも詳しいんじゃないかなって思って」
「そ、そう。いいわよ特に予定もないし」
今日母に予定がないのは確認済みだ。
「ありがとう。じゃあ車を用意するね」
車はもちろん、私のものを使用する。
実はこの車にも細工がしてあるのだ。
それは追々説明するとしよう。
「じゃあ乗って乗って!」
「まったく、急かさないでよ」
気が気じゃないんだから、急かしたくもなる。
この計画を完遂させるには、父さんはもちろん、誰にもバレてはならないのだ。
幸い今日は父さんがいないため、計画が予定通り行えている。
母を助手席に乗せ、車を発進した。
「そういえばあなた、なんでマスクなんかしてるの?」
普段とは違い、マスクをしている私に疑問を抱いたようだ。
「ああ、なんか朝起きたら少し風邪気味でさ。体調が悪いわけじゃないんだけど、ちょっと喉が乾燥したり咳が出たりしたから」
「そう。だから服もハイネックにしているのね。最近は朝冷えるようになったから、気を付けなさいよ」
母親らしいことを言っているが、私は騙されない。
もちろん本当に風邪気味なわけではない。マスクをしているのには理由があるのだ。
しばらく運転をした後、話を切り出す。
「ちょっと暑いねー。もう秋だってのに」
「そうね」
「エアコンつけるね」
私はエアコンをつけた。
このエアコンには細工をしてある。
事前にエアコンの送風口から催眠ガスを噴き出すように改造してあるのだ。
それを母に吸わせ、眠らせる。そのために改造した。
しかし、これでは私もガスを吸ってしまい、母と同じように眠ってしまうだろう。
その対策として、私はマスクをしているのだ。
もちろん、マスクで完璧な対策が出来るとは思っていない。
実はマスクの下には小型の酸素ボンベを取り付けているのだ。
酸素ボンベ本体は私の胸の谷間に挟みこんである。
母親ゆずりのプロポーションの良さが、こんな形で活きたのだ。
胸に挟んだ酸素ボンベを、服の下からマスクの下に通してある。
ハイネックの服を選んだのも、首からマスクにかけて酸素ボンベを取り付けているのを気づかれないようにするためだ。
窓も閉め切っているため、催眠ガスが車の中に充満する。
「う……ん」
しばらくして、母は眠りについた。
「よし……」
窓を開け、ガスを外に排出する。
近くに車を止め、母の状態を確認した。
「うん、完全に寝ているみたいだね」
母を眠らせたのには理由がある。
それはこの一日、母の行動を制限しておきたかったからだ。
眠った母を後部座席に寝かせ、手足と口、そして目を拘束する。
これで仮に目覚めても身動きが取れない。
そして念のため、あらかじめ購入しておいた寝袋に入れておいた。
このまま窒息死させてもいいのだが、それでは私の計画が完成しない。
そのためにはまだ生きてもらう必要があった。
「よし、じゃあ次だ……」
第一段階は完了したので、第二段階に移ることにした。
昨日は全く眠ることができなかった。
これから人一人を殺めようとしているのだから、無理もないだろう。
朝起きてすぐに事前に練った作戦を見直す。
大丈夫、何度見ても穴はない。
これならきっとうまくいくはずだ。
高鳴る胸の鼓動を懸命に抑えようとしつつ、私は計画を実行し始めた。
まずは母親と出かける必要がある。
その口実も、もちろん用意している。
私は準備を済ませ、家にいる母親に話しかけた。
「ねえお母さん、これからネックレスを買いに行こうと思っているんだけど、一緒に来てくれない?」
「どうして?」
「新しいネックレスがほしいんだけど、どれを選べばいいのかわからなくてさ。お母さん最近いろんなアクセサリー身に付けてるし、ネックレスにも詳しいんじゃないかなって思って」
「そ、そう。いいわよ特に予定もないし」
今日母に予定がないのは確認済みだ。
「ありがとう。じゃあ車を用意するね」
車はもちろん、私のものを使用する。
実はこの車にも細工がしてあるのだ。
それは追々説明するとしよう。
「じゃあ乗って乗って!」
「まったく、急かさないでよ」
気が気じゃないんだから、急かしたくもなる。
この計画を完遂させるには、父さんはもちろん、誰にもバレてはならないのだ。
幸い今日は父さんがいないため、計画が予定通り行えている。
母を助手席に乗せ、車を発進した。
「そういえばあなた、なんでマスクなんかしてるの?」
普段とは違い、マスクをしている私に疑問を抱いたようだ。
「ああ、なんか朝起きたら少し風邪気味でさ。体調が悪いわけじゃないんだけど、ちょっと喉が乾燥したり咳が出たりしたから」
「そう。だから服もハイネックにしているのね。最近は朝冷えるようになったから、気を付けなさいよ」
母親らしいことを言っているが、私は騙されない。
もちろん本当に風邪気味なわけではない。マスクをしているのには理由があるのだ。
しばらく運転をした後、話を切り出す。
「ちょっと暑いねー。もう秋だってのに」
「そうね」
「エアコンつけるね」
私はエアコンをつけた。
このエアコンには細工をしてある。
事前にエアコンの送風口から催眠ガスを噴き出すように改造してあるのだ。
それを母に吸わせ、眠らせる。そのために改造した。
しかし、これでは私もガスを吸ってしまい、母と同じように眠ってしまうだろう。
その対策として、私はマスクをしているのだ。
もちろん、マスクで完璧な対策が出来るとは思っていない。
実はマスクの下には小型の酸素ボンベを取り付けているのだ。
酸素ボンベ本体は私の胸の谷間に挟みこんである。
母親ゆずりのプロポーションの良さが、こんな形で活きたのだ。
胸に挟んだ酸素ボンベを、服の下からマスクの下に通してある。
ハイネックの服を選んだのも、首からマスクにかけて酸素ボンベを取り付けているのを気づかれないようにするためだ。
窓も閉め切っているため、催眠ガスが車の中に充満する。
「う……ん」
しばらくして、母は眠りについた。
「よし……」
窓を開け、ガスを外に排出する。
近くに車を止め、母の状態を確認した。
「うん、完全に寝ているみたいだね」
母を眠らせたのには理由がある。
それはこの一日、母の行動を制限しておきたかったからだ。
眠った母を後部座席に寝かせ、手足と口、そして目を拘束する。
これで仮に目覚めても身動きが取れない。
そして念のため、あらかじめ購入しておいた寝袋に入れておいた。
このまま窒息死させてもいいのだが、それでは私の計画が完成しない。
そのためにはまだ生きてもらう必要があった。
「よし、じゃあ次だ……」
第一段階は完了したので、第二段階に移ることにした。