第114話 最後の調査
文字数 1,386文字
「榊さん、どうかな?」
電波受信器を直している榊に進捗を聴く。
「ええ、もうすぐ終わると思います」
「もう終わるの!? 早いね」
「まあ物理的に壊されていただけなので、その部分を取り換えればすぐ終わりますよ。それよりも、頼まれていた件ですが、まずはこちらを」
榊は自分のスマホを式に渡した。
「その中に隼人兄さんに調べてもらったことが入っています。直している間に見ておいてください」
「ありがとう」
式は予め、榊に麓に降りてから隼人にあることを頼んでいた。
それはこの館に集まった人々の過去の情報と、池上が言っていたこの館の辺りで発生している若い女性が行方不明になるという事件についてだ。
人々の情報については、特にめぼしいものはなかったが、行方不明事件に関しては有力な情報があった。
行方不明になった女性に共通するのは、いずれも10代から20代前半の女性であること、モデルやアイドルなどで活動しているものが多いこと、一般人の場合でも容姿端麗でいずれもモデルやアイドルなどのスカウトに合ったことがあるなど、どの女性も美人であることだった。
「なるほど……。だいたい想像通りだ」
「それともう一つ頼まれていた愛さんの件についてですが、彼女はこのようなことを言っていましたよ」
もう一つ、式は榊に頼みごとをしていた。
それは愛と会話をして、色々と情報を引き出しておいてほしいというものだ。
特に式が聞きたかったのが、誰が犯人だと思っているか、だ。
『愛さん、このような事件に合われて聞くのも申し訳ないと思いますが、この事件は何故起こったと思いますか?』
『……わかりません。ただ、何かしらの目的が、犯人にはあったのではないでしょうか』
『犯人は誰だと思いますか?』
『……わかりません』
『そういえば、愛さんと池上さんは良い雰囲気だと思っていますが、もしかしてお付き合いをしているのですか?』
この質問は榊が自身で思ったことを聴いているのではなく、あくまでも式に頼まれて聞いていることだ。
『まさか、そのようなはずがありません。確かに池上様は優しくしてくださいますが、そのようなことは神に誓ってもあり得ないのです……』
『……そうですか。不躾な質問をしてしまい、申し訳ありません』
榊の話を聞いて、式は確信した。
「やっぱりそうか。後はもう一つ確証となるものがほしいな」
「……よし、これで電波受信器は直りましたよ。いつでも外部との連絡が可能です」
「ほんとに!? ならさっそく連絡しよう」
式は隼人に電話を掛ける。
「隼人さん、至急調べてほしいことがあるんですが……」
隼人にあることを依頼する。
そしてしばらくした後、結果を報告された。
「やっぱりそうでしたか。ありがとうございます」
通話を切る。
「榊さん、警察ってどれくらいで来るの?」
「麓に降りてすぐに連絡し、その時点で1時間後くらいには着くといっていたので、もうそろそろ着くとは思いますが」
榊がそう言った途端、外から車のエンジン音が聞こえてきた。
窓から外を見てみると、タイミングよく警察が到着したようだ。
「丁度よく到着したね。後は警察に捜査を任せよう」
「式くん、謎は解けましたか?」
「まあ大体は」
式は一階の広間に向かった。
電波受信器を直している榊に進捗を聴く。
「ええ、もうすぐ終わると思います」
「もう終わるの!? 早いね」
「まあ物理的に壊されていただけなので、その部分を取り換えればすぐ終わりますよ。それよりも、頼まれていた件ですが、まずはこちらを」
榊は自分のスマホを式に渡した。
「その中に隼人兄さんに調べてもらったことが入っています。直している間に見ておいてください」
「ありがとう」
式は予め、榊に麓に降りてから隼人にあることを頼んでいた。
それはこの館に集まった人々の過去の情報と、池上が言っていたこの館の辺りで発生している若い女性が行方不明になるという事件についてだ。
人々の情報については、特にめぼしいものはなかったが、行方不明事件に関しては有力な情報があった。
行方不明になった女性に共通するのは、いずれも10代から20代前半の女性であること、モデルやアイドルなどで活動しているものが多いこと、一般人の場合でも容姿端麗でいずれもモデルやアイドルなどのスカウトに合ったことがあるなど、どの女性も美人であることだった。
「なるほど……。だいたい想像通りだ」
「それともう一つ頼まれていた愛さんの件についてですが、彼女はこのようなことを言っていましたよ」
もう一つ、式は榊に頼みごとをしていた。
それは愛と会話をして、色々と情報を引き出しておいてほしいというものだ。
特に式が聞きたかったのが、誰が犯人だと思っているか、だ。
『愛さん、このような事件に合われて聞くのも申し訳ないと思いますが、この事件は何故起こったと思いますか?』
『……わかりません。ただ、何かしらの目的が、犯人にはあったのではないでしょうか』
『犯人は誰だと思いますか?』
『……わかりません』
『そういえば、愛さんと池上さんは良い雰囲気だと思っていますが、もしかしてお付き合いをしているのですか?』
この質問は榊が自身で思ったことを聴いているのではなく、あくまでも式に頼まれて聞いていることだ。
『まさか、そのようなはずがありません。確かに池上様は優しくしてくださいますが、そのようなことは神に誓ってもあり得ないのです……』
『……そうですか。不躾な質問をしてしまい、申し訳ありません』
榊の話を聞いて、式は確信した。
「やっぱりそうか。後はもう一つ確証となるものがほしいな」
「……よし、これで電波受信器は直りましたよ。いつでも外部との連絡が可能です」
「ほんとに!? ならさっそく連絡しよう」
式は隼人に電話を掛ける。
「隼人さん、至急調べてほしいことがあるんですが……」
隼人にあることを依頼する。
そしてしばらくした後、結果を報告された。
「やっぱりそうでしたか。ありがとうございます」
通話を切る。
「榊さん、警察ってどれくらいで来るの?」
「麓に降りてすぐに連絡し、その時点で1時間後くらいには着くといっていたので、もうそろそろ着くとは思いますが」
榊がそう言った途端、外から車のエンジン音が聞こえてきた。
窓から外を見てみると、タイミングよく警察が到着したようだ。
「丁度よく到着したね。後は警察に捜査を任せよう」
「式くん、謎は解けましたか?」
「まあ大体は」
式は一階の広間に向かった。