第81話 事件発生
文字数 1,538文字
「なに食べよっかなー」
「俺はこれでいいかな。榊さんは?」
「私はもう決まりました。他の人の注文を待ってます」
全員決まったところで店員を呼び、注文を取る。
料理が来るまでの間、式たちは自分たちについて話していた。
「へえー、あなたたちってあのメイド探偵会なんだ」
「え、俺たちのことを知っているんですか?」
認知されていたことに驚く式。
「前に大きな事件を解決したってニュースでやってたのを見たことがあるのよ」
「ああ、それ俺も見た。芸能人とか政治家が違法薬物を取引していたってリストが見つかったんだよな」
「へえー、高校生なのにすごいね」
雑談をしてしばらく経った後、料理が運ばれてきた。
「いただきまーす!」
元気よく春崎が言った。
「あ、俊哉そこにある醤油とってくれない?」
美紀が隣に座っている俊哉に頼んだ。
「うん、いいよ」
俊哉は素直にそれに従い、近くに合った醤油を美紀に渡した。
「ありがと……」
美紀はそれを受け取ろうとしたが、手を滑らせてしまったのか俊哉の足に落としてしまう。
「あ、ごめん!」
醤油は俊哉の股関節周りやわき腹辺りまで飛び散っていた。
美紀は急いで自分のタオルで飛び散った醤油を拭き取る。
「ある程度は拭けたけど、海パンについたのは完全に落ちないね……」
「いいよ、これぐらい。帰って洗濯すれば目立たなくなるって」
気にするなといった口調で俊哉が答える。
「それより、ご飯を食べよう」
やり取りを早々と切り上げ、俊哉は自分の食事に手を付けた。
「海の家って、ご飯はあまり美味しくないイメージあったけど、こうやって食べてみると意外といけるんだねえ」
海の家の店員に聞かれていたら失礼なことを春崎が言う。
「海鮮類は流石海の家って感じがして美味しいね」
「そういうわけではないと思いますが……」
式の発言に榊が突っ込みを入れる。
「あら、海の家といったやっぱりラーメンよ。海の家で食べるラーメンは最高なのよ。
式の隣に座っていた留美が髪を耳にかきあげながらラーメンを食べた。
「……」
「いやいや、海の家といったら焼きそばでしょ。ほらシーフードもたっぷり入って最高よ」
留美に抵抗するかのように美紀が反論する。
「タカもそう思うでしょ?」
「そんなんどっちだっていいよ。どっちもうまいんだし」
「タカは何でも旨いって言うからね。健啖家っていうか……」
そう言っていた俊哉が突然、手に持っていた箸を落とす。そして急に口元を抑え始めた。
「うっ……!」
「俊哉くん、どうしたの?」
俊哉の様子を不審に思ったのか、留美が心配そうに尋ねた。
「あ、う、ぐわっ……」
しばらく呻いた後、俊哉は机に倒れた。
「おい、俊哉どうした!?」
「しっかりして!」
ただ事ではない様子に驚く美紀たち。
「隼人さん!」
「わかっている!」
式に言われるまでもなく、隼人が俊哉に駆け寄り、様子を探る。
「……ダメだ、既に亡くなっている」
「嘘……!?」
突然の出来事に言葉を失う一同。
しかし事件に慣れている式たちの行動は素早かった。
「せっちゃん、警察に連絡してほしい」
「わかりました」
「僕たちはその間に現場の保全だ。式くんはここにいて遺体に誰も触れないように見張っていてほしい。僕は店員さんに事情を説明してくる」
「はい」
式は死体周辺を見渡した。
当然のことだが、一連の流れを見ていた人たちは誰も死体に近づこうとしない。人が死ぬ瞬間など見る機会は少ないだろう。
「……」
式は俊哉の遺体を観察しながら、警察の到着を待った。
「俺はこれでいいかな。榊さんは?」
「私はもう決まりました。他の人の注文を待ってます」
全員決まったところで店員を呼び、注文を取る。
料理が来るまでの間、式たちは自分たちについて話していた。
「へえー、あなたたちってあのメイド探偵会なんだ」
「え、俺たちのことを知っているんですか?」
認知されていたことに驚く式。
「前に大きな事件を解決したってニュースでやってたのを見たことがあるのよ」
「ああ、それ俺も見た。芸能人とか政治家が違法薬物を取引していたってリストが見つかったんだよな」
「へえー、高校生なのにすごいね」
雑談をしてしばらく経った後、料理が運ばれてきた。
「いただきまーす!」
元気よく春崎が言った。
「あ、俊哉そこにある醤油とってくれない?」
美紀が隣に座っている俊哉に頼んだ。
「うん、いいよ」
俊哉は素直にそれに従い、近くに合った醤油を美紀に渡した。
「ありがと……」
美紀はそれを受け取ろうとしたが、手を滑らせてしまったのか俊哉の足に落としてしまう。
「あ、ごめん!」
醤油は俊哉の股関節周りやわき腹辺りまで飛び散っていた。
美紀は急いで自分のタオルで飛び散った醤油を拭き取る。
「ある程度は拭けたけど、海パンについたのは完全に落ちないね……」
「いいよ、これぐらい。帰って洗濯すれば目立たなくなるって」
気にするなといった口調で俊哉が答える。
「それより、ご飯を食べよう」
やり取りを早々と切り上げ、俊哉は自分の食事に手を付けた。
「海の家って、ご飯はあまり美味しくないイメージあったけど、こうやって食べてみると意外といけるんだねえ」
海の家の店員に聞かれていたら失礼なことを春崎が言う。
「海鮮類は流石海の家って感じがして美味しいね」
「そういうわけではないと思いますが……」
式の発言に榊が突っ込みを入れる。
「あら、海の家といったやっぱりラーメンよ。海の家で食べるラーメンは最高なのよ。
式の隣に座っていた留美が髪を耳にかきあげながらラーメンを食べた。
「……」
「いやいや、海の家といったら焼きそばでしょ。ほらシーフードもたっぷり入って最高よ」
留美に抵抗するかのように美紀が反論する。
「タカもそう思うでしょ?」
「そんなんどっちだっていいよ。どっちもうまいんだし」
「タカは何でも旨いって言うからね。健啖家っていうか……」
そう言っていた俊哉が突然、手に持っていた箸を落とす。そして急に口元を抑え始めた。
「うっ……!」
「俊哉くん、どうしたの?」
俊哉の様子を不審に思ったのか、留美が心配そうに尋ねた。
「あ、う、ぐわっ……」
しばらく呻いた後、俊哉は机に倒れた。
「おい、俊哉どうした!?」
「しっかりして!」
ただ事ではない様子に驚く美紀たち。
「隼人さん!」
「わかっている!」
式に言われるまでもなく、隼人が俊哉に駆け寄り、様子を探る。
「……ダメだ、既に亡くなっている」
「嘘……!?」
突然の出来事に言葉を失う一同。
しかし事件に慣れている式たちの行動は素早かった。
「せっちゃん、警察に連絡してほしい」
「わかりました」
「僕たちはその間に現場の保全だ。式くんはここにいて遺体に誰も触れないように見張っていてほしい。僕は店員さんに事情を説明してくる」
「はい」
式は死体周辺を見渡した。
当然のことだが、一連の流れを見ていた人たちは誰も死体に近づこうとしない。人が死ぬ瞬間など見る機会は少ないだろう。
「……」
式は俊哉の遺体を観察しながら、警察の到着を待った。