第55話 赤城智也の証言
文字数 1,852文字
赤城智也の家についた一行は、玄関のインターホンを鳴らして当人を呼び出した。
「誰だよ」
「警察の者ですが、赤城智也さんですね?」
「け、警察!?」
声から驚愕しているのを察することができる。
「警察が何の用だよ」
「あなたのお兄さんのことでお話しがしたいんです」
「兄貴の?」
「ええ。先ほどあなたのお兄さんが焼死体となって発見されたんです」
「なんだって!?」
驚きと共にインターホンが切れ、しばらくして赤城智也本人が出迎えてくる。
「兄貴が死んだってどういうことだよ。詳しく聞かせろ」
「では、中に入れていただきたい」
「別にかまわんが、その前にそいつら誰だよ」
赤城智也は式たちに目を向けた。
「彼らは事件解決に協力してもらっている探偵です。こう見えても実績もあって優秀なんですよ」
「ふーん。まあいいや」
赤城智也がリビングまで案内する。
「茶は出さねえぞ」
「構いません」
「それで、どういうことなのか詳しく聞かせろ」
隼人は資料を取り出し、それを見せながら説明した。
「なるほどな」
「智也さん、お兄さんは何か恨みを買うようなことをしていましたか?」
「そんなの、あんたらが良く知ってるだろ。恨みなんて買いまくりだよ。いずれ殺されると思っていたが、こんなに早いとはね」
「その犯人に心当たりは?」
「さあ、多すぎてわかんねえや」
そう言った後、少し考える素振りを見せて、
「そういや、最近兄貴の奴須永さんと揉めてたな」
と言った。
「須永というのは、お兄さんが所属している暴力団の……」
「そう、ナンバー2だよ。須永さんは元々兄貴とはあまりうまくいってないみたいでな、いつか頭の座を取ろうと何かを画策しているという噂もあるくらいだぜ」
「なるほど、参考にします」
隼人は須永のことをメモした。
「次に、最後にお兄さんと会ったのはいつですか?」
「三日前くらいかな。なんか新しい取引先と会うって約束してたから、その付き添いに一緒に行ったんだよ」
「それ以来、お兄さんとは連絡も取っていないんですね」
「ああ。別に毎日ベタベタするほど仲がいいわけじゃないしな」
実の兄が亡くなったというのに、特に悲しむ様子も見せない。
「もう一つ、あなたにお尋ねしたいことがありますが、あなたは朝霞龍吾という男を知っていますか?」
その名前を聞いた赤城智也は眉をピクリと動かした。
二人の関係については、式も榊も聞きたかったことだ。
「……知っているというか、昨日いきなり話しかけられていろいろと難癖つけられたんだよ」
「具体的にはどのようなことを?」
「兄貴の場所に案内しな、とか、こいつを知らないかといって写真を見せてきたりいろいろだよ」
「どのような写真ですか?」
「さあ、覚えてねえな」
知らん顔をする赤城智也。
「わかりました。一つお願いがあるのですが、先ほど話題に出た須永さんの連絡先を教えてもらえないでしょうか。事情は私たちの方で説明しますので」
「いいぜ、ちょっと待ってな」
赤城智也は携帯を取り出し、連絡先を提示した。
「ついでに、あなたの連絡先も教えてもらえないですか」
「わかった」
「ありがとうございます。何かありましたら私の携帯に連絡ください」
「早く犯人を捕まえてくれよ。さっき話題に出た朝霞って男も怪しいんじゃないか?」
「朝霞龍吾については、居場所がつかめないため我々も調査中です」
「ちゃんとしてくれよな」
話が終わりそうだったので、式は気になっていたことを尋ねた。
「赤城智也さん、里中って人物に心当たりありませんか?」
「里中? 知らねえなそんな女」
「……そうですか」
「あんた探偵なんだろ? さっさと事件を解決しろよな。俺に被害が来る前によ」
「努力します」
あらかた聞きたいことも聞けたので、式たちは退散することにした。
「ではまた何かありましたら」
「ああ」
赤城智也はすぐに玄関のドアを閉めた。
「さて、これから僕は須永について調査するが、君たちはどうする?」
「多分俺たちがついていっても何もできないと思いますので、今日はこれで退散します」
「わかった。また情報が入ったら連絡するよ」
「ありがとうございます」
隼人たちと別れた。
「榊さん、ちょっといろいろと整理したいから、今日は帰るね」
「わかりました。ではまた明日」
式たちはそれぞれの帰路についた。
「誰だよ」
「警察の者ですが、赤城智也さんですね?」
「け、警察!?」
声から驚愕しているのを察することができる。
「警察が何の用だよ」
「あなたのお兄さんのことでお話しがしたいんです」
「兄貴の?」
「ええ。先ほどあなたのお兄さんが焼死体となって発見されたんです」
「なんだって!?」
驚きと共にインターホンが切れ、しばらくして赤城智也本人が出迎えてくる。
「兄貴が死んだってどういうことだよ。詳しく聞かせろ」
「では、中に入れていただきたい」
「別にかまわんが、その前にそいつら誰だよ」
赤城智也は式たちに目を向けた。
「彼らは事件解決に協力してもらっている探偵です。こう見えても実績もあって優秀なんですよ」
「ふーん。まあいいや」
赤城智也がリビングまで案内する。
「茶は出さねえぞ」
「構いません」
「それで、どういうことなのか詳しく聞かせろ」
隼人は資料を取り出し、それを見せながら説明した。
「なるほどな」
「智也さん、お兄さんは何か恨みを買うようなことをしていましたか?」
「そんなの、あんたらが良く知ってるだろ。恨みなんて買いまくりだよ。いずれ殺されると思っていたが、こんなに早いとはね」
「その犯人に心当たりは?」
「さあ、多すぎてわかんねえや」
そう言った後、少し考える素振りを見せて、
「そういや、最近兄貴の奴須永さんと揉めてたな」
と言った。
「須永というのは、お兄さんが所属している暴力団の……」
「そう、ナンバー2だよ。須永さんは元々兄貴とはあまりうまくいってないみたいでな、いつか頭の座を取ろうと何かを画策しているという噂もあるくらいだぜ」
「なるほど、参考にします」
隼人は須永のことをメモした。
「次に、最後にお兄さんと会ったのはいつですか?」
「三日前くらいかな。なんか新しい取引先と会うって約束してたから、その付き添いに一緒に行ったんだよ」
「それ以来、お兄さんとは連絡も取っていないんですね」
「ああ。別に毎日ベタベタするほど仲がいいわけじゃないしな」
実の兄が亡くなったというのに、特に悲しむ様子も見せない。
「もう一つ、あなたにお尋ねしたいことがありますが、あなたは朝霞龍吾という男を知っていますか?」
その名前を聞いた赤城智也は眉をピクリと動かした。
二人の関係については、式も榊も聞きたかったことだ。
「……知っているというか、昨日いきなり話しかけられていろいろと難癖つけられたんだよ」
「具体的にはどのようなことを?」
「兄貴の場所に案内しな、とか、こいつを知らないかといって写真を見せてきたりいろいろだよ」
「どのような写真ですか?」
「さあ、覚えてねえな」
知らん顔をする赤城智也。
「わかりました。一つお願いがあるのですが、先ほど話題に出た須永さんの連絡先を教えてもらえないでしょうか。事情は私たちの方で説明しますので」
「いいぜ、ちょっと待ってな」
赤城智也は携帯を取り出し、連絡先を提示した。
「ついでに、あなたの連絡先も教えてもらえないですか」
「わかった」
「ありがとうございます。何かありましたら私の携帯に連絡ください」
「早く犯人を捕まえてくれよ。さっき話題に出た朝霞って男も怪しいんじゃないか?」
「朝霞龍吾については、居場所がつかめないため我々も調査中です」
「ちゃんとしてくれよな」
話が終わりそうだったので、式は気になっていたことを尋ねた。
「赤城智也さん、里中って人物に心当たりありませんか?」
「里中? 知らねえなそんな女」
「……そうですか」
「あんた探偵なんだろ? さっさと事件を解決しろよな。俺に被害が来る前によ」
「努力します」
あらかた聞きたいことも聞けたので、式たちは退散することにした。
「ではまた何かありましたら」
「ああ」
赤城智也はすぐに玄関のドアを閉めた。
「さて、これから僕は須永について調査するが、君たちはどうする?」
「多分俺たちがついていっても何もできないと思いますので、今日はこれで退散します」
「わかった。また情報が入ったら連絡するよ」
「ありがとうございます」
隼人たちと別れた。
「榊さん、ちょっといろいろと整理したいから、今日は帰るね」
「わかりました。ではまた明日」
式たちはそれぞれの帰路についた。