第51話

文字数 2,120文字

スーパー銭湯から出た三人は、そのまま近くのアミューズメントパークへ入った。


何となく、まだ帰る気にはなれなかった。

珍しい。

タピオカだと。

タピオカ?

飲まない事にしているんだ。

悪いね。

うう。

嫌な思い出が。

何だ?

何かあったのか?

……まだ人気があったころ。

黒糖ミルク味のタピオカを飲んだことがある。

黒い粒の時代ね。

その前の世代はカラフルだっただろう。

そこで、ハズレを引いたんだ。

嫌だ!

もう二度とタピオカは飲まないぞ!

絶対に!

なんだ?

本当に分からない。

……ほんのりとした、塩気。

ああ嫌だ。

思い出したくもない。

全部捨てた。

鼻糞が入っていたんだ。

即吐き出したよ。

なんだと!

同じ経験があるぞ!

同じ黒い粒で!

ぼくは毛玉まで!

きったねえなあ。

余程衛生の悪い場所で作っているんだなと。

しかし昔からぼくはこういう、当たりに遭いやすくて。

当たりだと?

鼻糞がか!

いや。

昔からよく祖母がお赤飯を炊いてくれたんだけどね。

それをパック詰めして、みんなに配っていた。

そういう時はいつもお裾分けしてもらったんだけど、何故か高確率で白髪が入っていたんだ。

祖母の髪の毛。

しかしぼくの食べるパックに入っているのみで、他の人には髪の毛入りは行き渡らなかったらしく。

悪評が立つことはなかった。

ぼくは、自分がハズレを引くことで皆が助かったのだと思うことにした。

だから、当たりさ。

それ以来、おかしなロットに当たる事を白髪のお赤飯と呼んでいる。

自分の悪運バランスを意味する。

皆が無事ならそれでいいと。

おい!

聖人君子か!

タピオカも白髪のお赤飯だって?

人が良すぎる!

しかしあの店は潰れなかった。

その時はそう思うことにした。

それを霊媒先のみんなに話したら、何故か周囲がシーンとして……。

泣いてたんだよ!

分からないのか!

分からない。

視えない。

なんて奴だ。

しかしタピオカは飲みたい。

好きなんだ。

波羅蜜のタピオカは安全だがな。

レインボーだし。

しかしぼくは懲りているので、自作のタピオカしか食べないことにした。

ぼくもだ。
……レインボー。

一番好きなやつ。

キレイだし、美味しい。

飲みたきゃ飲みなよ。

ぼくらは違うものを飲むから。

デザート王国は好きだ。

色んな味があって。

フロートにしよう。
……!

デザート王国なら大丈夫だろ?

レインボーだ!

ずっと!

それから、レインボータピオカミルク、コーヒーフロート、ブラックコーヒーを注文した。


プラカップを持って、店内をぶらつく。

またブラックコーヒー。

好きだな。

無難な味。
飲まないのか?

メロンソーダとか。

好きじゃない。

見た目が毒毒しいというのは許すようになったけど、風味がね。

やはり毒毒しい。

……メロンソーダは嫌だな。

嫌いだ。

クリームソーダのビジュアルに惹かれて飲むけど、しかし虚無だ。

刺すような感じが苦手で。

刺すような?

分からない感覚。

刺すような?

たまにあるな。

なんだろう?

いや、普通に大麻入り。

安い海外のが当たると。

結構あるあるだよ。

例の冷麺はドンピシャだよね。

あれが好きな人はクズの素質があるだろう。

不味いから食べない。

しかし二回目以降は美味しいという人が結構多い。

そんなに元止揚空間への侵入が好きなのかな。

ここでゲンシヨウなんて。

なんだかな。

……あれか。

辞めよ。

元々食べていないけど。

不味いと聞くので。

大抵美味しくないと思うがな。

しかし税金投入により激テコ入れされていると思うと涙ぐましくなる。

食べて応援はしないが。

嫌な話を聞いた。

絶対に買わない。

いい気分しないよね。

パチンコだよ。

そもそもインスタントって時点でな。

過去に生麺とインスタントとを食べ分けてこそだろうと呟いたが、それは広まらなかった。

拾われなかったんだな。

不景気だし。

拾われる自覚があったのか。
そう。

でも止められなくて。

ダラダラと発信していたが、やがて辞めた。

疲れた。

なんかな。

やる気なくすよな。

どうでもいいけど。

noteも疲れてきた。

今はにいさんをからかう為にチャットを書いているけど、ハイスペース過ぎてまた疲れている。

全く。

仕方ないな。

疲れているのに、チャットを。

悪いな。

潤いになっている。

体調不良だ。

もっとゆるゆると生きたい。

しかし突き動かされるままに書くしかないんだ。

寂しがりやめ。

仕方ないな。

本当に。

そういう奴だよ。

何?

嫌なのか?

別に。

にいさんは嫌いじゃないし。

好きと言えよ!
こどちゃで捉えてくれ。

面倒だ。

ったく。

飄々と。

……こどちゃで!

分かった。

納得した。

読んでいたんだな。
当然だろう!

大地丙太郎!

爆笑していた。

あれはよかった。

段々と暗くなっていったが。

中学生編は鬱過ぎて。

ばびっと数え歌が好きだったな。

鬱展開な。

分かるよ。

風花が哀しくて。

風花が?

何故?

キスが……。

フラレるし。

ファーストキスくらいなんだ。

中坊の恋愛なんて、膝小僧の擦り傷みたいなもんだ。

あのくらい乗り越えられないと。

リア充の言葉。
リア充?

シリウスが?

喪女では?

既婚者だが。

いや、認識がな。

甘いよ。

若い内に恋の一つや二つしておかないと、大人になってから大コケするだろう。

経験不足が一番厄介だ。

……初恋結婚だった。
すまん。

ドン引きした。

お前は?
実らなくても、恋の一つや二つ、なあ?
……こっちみんな。
やがて、ボーリング場の前を通りかかる。
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登場人物紹介

シールック

シリウス

アクルックス

シェル

スクナヒコナ

ミゾレ

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