第51話
文字数 2,120文字
スーパー銭湯から出た三人は、そのまま近くのアミューズメントパークへ入った。
何となく、まだ帰る気にはなれなかった。
いや。
昔からよく祖母がお赤飯を炊いてくれたんだけどね。
それをパック詰めして、みんなに配っていた。
そういう時はいつもお裾分けしてもらったんだけど、何故か高確率で白髪が入っていたんだ。
祖母の髪の毛。
しかしぼくの食べるパックに入っているのみで、他の人には髪の毛入りは行き渡らなかったらしく。
悪評が立つことはなかった。
ぼくは、自分がハズレを引くことで皆が助かったのだと思うことにした。
だから、当たりさ。
それ以来、おかしなロットに当たる事を白髪のお赤飯と呼んでいる。
自分の悪運バランスを意味する。
皆が無事ならそれでいいと。
それから、レインボータピオカミルク、コーヒーフロート、ブラックコーヒーを注文した。
プラカップを持って、店内をぶらつく。
やがて、ボーリング場の前を通りかかる。