第60話  ☆

文字数 2,091文字

シリウスとアルクはワニワニパニックで遊んでいた。

シールックは近くのホラーゲームを見ている。

ふう。

最高得点。

優しく叩くのがコツだ。

男の力で、そよ風のように叩くと高得点を出しやすい。

女の力では判定が出ない事がある。

そんなに違いが出るものなのか。

瞬発力の違いとは。

にいさん、そんな怖そうなゲーム、出来るのか?
これは一回もやっていない。

デザインが好きだが。

何?

リングを平然と見れるなら大した事はないぞ。

リング?

無理だ。

きみが霊媒で、呪いのビデオに出てくる貞子の母をマスコミが責め立てるシーンの画がリアルにフロントガラスから見えた、というのを読んでから全く見ていない。

好きだったのに!

あの話な。

あくまでも描写的な意味での例え話だよ。

影のような手がいっぱいフロントガラスに並んで、恨めしそうにぼくを見ていた。

隣には、悲しそうな顔をした男の子の霊が。

怖い……。

二度とあんな想いはしたくない。

よく平然としていられるなと思った。

何故冷静でいられるんだ?

ホラーは嫌いだと、あれほど。

パニックになっても仕方ないだろう。

万が一襲ってきた事を想定し、身構えたまま脱出の機会を伺っていた。

取って食われそうになったが、復帰したし。

悲しそうな男の子の霊に、温情をかけていた。

凪くん!そんな!と。

よく分かるなと思った。

凪くん。

すぐに分かった。

辛かったんだろうと。

何もしてあげられそうになくて。

何故……。

貞子はいなかったのか?

リングの映画の影響から白昼夢を見ていた訳では無いので。

あれはあくまで例え話だよ。

想像しやすいかな?と。

そうなのか。

信じ込んでいた。

読解力、どっかいったか。

話にインパクトがあったのだろう。

しかし、そこまで意識を伸ばすのはな。

普段から余計な考えに囚われやすい性質があるんだろうな。

あくまでも例え話として扱い、場面場面で切り替えて考えないと駄目だよ。

なるほど。

コンテンツ全体を含んで考えている。

良くないな。

切り離しか。

何故その。

そんなに冷静に。

ぼくは勘違いを極力避けたい。

リングの例えからリング全体の認識を持ち出してしまう人は、発信欲が強すぎるとも言える。

関連要素を無理に発掘して、他者に何か意見したいのさ。

それで見当違いな事を話してしまう事があるんだけど、その人はきっと自分が話した、相手に会話を届けたという事実のみで満足してしまう。

こういう、休止符が全く無い楽譜みたいな思考回路は魚類とフラクタルと言える。

自分が話すことばかり楽しみたいが、人の話を聞かない人だ。

魚類が正解って……。

そんな理由。

嬉しくない。

聞いたままをそのまま話すだけ。

それが魚の思考さ。

良い悪いは切り離して。

……全然分からない。

なんて難しい。

セッションと捉えて欲しい。
セッション、コーチング?

幾ら支払えばいい?

有料の価値があるぞ、充分。

本に出すと売れる。

お金はいいよ。

これだけで一冊出せるのは分かるよ。

過去のイメトレでね。

過去のイメトレ?

自己啓発本の内容予想?

そんな……、パターンを見切っているのか。

そりゃな。

何冊か読めば分かるだろう。

文字数稼ぎの為に如何に引き伸ばせるかを頑張る。

たまに運良く五次元認識が入れば御の字だ。

五次元認識とは、本題から外れた蘊蓄の欠片を言う。

蘊蓄……。

あの、ルカの話は。

笑った。

軽いネタだ。

雲黒斎は戒名にされている方がいるので、とても使えなかった。

適当にもじって。

戒名に。

そんな配慮を。

映画の方が先。

ルカよりリカの方が笑えた。

笑顔でふざけた事を言うので。

噴水の水な。

分かるよ。

あれで色々考えたが。

アイコンは固定だから。

しかし本当にああいう冷静なキャラだ。

ピッタリで、本当に良かった。

冷静キャラ。

なりたい。

シリウスのアイコンも、真顔だから。

それで笑う。

本当に真顔で話しているよ。

いつでも真剣に。

え!

本当に?

書いている人も?

愛想笑いの連続だが。
本当に。

碌に笑わないよ。

真顔でギャグを言う。

霊動で爆笑する。

誰かの笑いを拾って。

一時期、アマテラスの笑顔を盗む、とか話していた。

それでみんな、また笑った。

アマテラスは笑い上戸で。

それで霊動を起こして一緒に笑うと、腹筋が割れそうな程爆笑出来る。

そういう感覚が近年は大きく欠落していたので、これ幸いとアマテラスの笑顔を盗むことにした。

本人了承済だ。

微笑ましいのか、聖人君子なのか。

わからん。

語呂は良くないのに。

印象の悪い言葉を良い風の意味で使う。

これもオレンジチャクラを回すコツさ。

失敗するとみんなに嫌われるやつな。

下座の心が基本の構えだ。

下座の心で笑顔を盗むだと?

不可思議過ぎる。

これが第2チャクラの超越か。

エモを超越している?

嘘だろ?

まさかと思うが、どうやらその通りだ。

やっと堂々とそういう事が言えるようになった。

そんな。

ぼくは永遠にオレンジチャクラの回転に巻き込まれている、と言ったな。

そんな人生が待っていると?

そうなる。

毎日こんな感じのノリで過ごすんだ。

ネタは幾らでもあるから大丈夫だよ。

探せばな。

今の人生では、少し足りない。

ネタ……。

本当に、どこからこんなと思うよ。

いつの間にかだ。

適当だよ。

アヒルちゃんの池のゲームをしている人を、三人は遠目で眺めた。
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登場人物紹介

シールック

シリウス

アクルックス

シェル

スクナヒコナ

ミゾレ

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