第37話

文字数 2,259文字

ドリンクの空き瓶が片付けられていくのを見送りながら、新しいドリンクに手を伸ばす。
ジンジャーエール、美味すぎ。
甘いのが好きなんだね。

スマルにいた頃はそんなに浴びるように飲んだら体調を崩した。

ここではそんな事は全くない。

生老病死を超越している。

現界転生を死とも捉える事が出来るが、時間にして刹那以下だ。

血糖値はね、本当に気をつけなければいけないよ。

特に腎臓が弱い人は清涼飲料水なんて口にしてはいけない。

腰痛が出るし、歯が欠ける。

腎機能が復活する時に出る腰痛がかなり痛いから、勘違いしやすいけどね。

そこでロキソ湿布なんて貼ろうものなら、心機能が一時的に落ちて代謝が悪くなる。

血行不良により治りにくくなるということさ。

半日くらいなら問題はないが。

腎機能……。

甘い飲み物は駄目なのか?

オロCかリポDくらいしか飲んじゃいけないよ。

オロCはビタミン類が豊富で、特にB6 B12が効く。

リポDはタウリンが良いよ。

タウリンはタコに豊富に含まれていて、たこ焼きを食べれば充分だが。

わざわざ飲むものでもないと思うが。

オロCなら飲むよな。

オロCなんて飲んだことないが。

後はブラックコーヒーだ。

心機能の補助に効く。

しかしあまり濃いのは今度はカフェインが強くて他で辛くなるし、そもそも苦い。

アメリカンと称して、適度に稀釈すると良いだろう。

稀釈とは、水で薄める事だよね。

調べたよ。

どうやらあまり一般的な認識ではないようだな、稀釈。

ピューラックスの濃度調整の時に覚えた言葉だ。

無理もない。

ピューラックスとは?
少し精度の高い、次亜塩素酸ナトリウム。

つまり濃い目のハイターだよ。

ピューラックスなあ。

病院くらいでしか使われていないよ。

病院に勤めていたのか。

やはり、シリウスは医師だ。

このくらいは、と思っている。

ズブの素人が独自に調べまくってこのくらいの知識を持つなんてことは意外にあってね。

ぼくは西洋医学は聞きかじり程度にしか知識が無くて、後は経験則と体感とアカシックレコードへのアクセスで判断している。

このチャットに書くこと、シリウスの会話のみ、9割は書いている人の認識に近付けてあるよ。

書いている人だと?

早く言ってくれ!

本当にこんな人間なのか!

そうだよ。
西洋医学は聞きかじりというのは、骨筋などを忘れるという理由かららしい。

あとはホルモンの略字を覚えられないからと。

ホルモン系は面倒なんだよ。

結果だからね。

原発部位でさえ生活習慣の結果でしかないので、辿るのが大変で。

そこで専門用語を出そうにも、教科書が手元にないし。

原発部位とは?
病気の発生箇所だが、要は炎症が最も重い部分だと思って貰えれば。

人体の話で、発電所のことではない。

発電所……。

大抵の人はそう思うだろう。

医学ネタを呟くのが好きだが、誤解を招くだろうなとは思っていた。

しかし前後の文脈で明らかに違うと気付く筈、気付けない人は知能に問題があると判断し、無視することにした。

人体の話をしている時に突然場面がトんで発電所関連について持ち出すなんて、違和感しかないだろう?

幾ら放射線同位体による汚染の懸念があってもさ。

いや、普通はそうは思わないよ。
放射脳には何種類かあって。

冷静且つ真剣に分析する人と、お祭り騒ぎで発信欲を発散させている人と。

ぼくは冷静な人を探して、情報集めをしていた。

少しでも本気度に欠ける場合は、観察の末に切った。

中途半端な認識で核に立ち向かおうなんて甘いんだよ。

地球文明は、核を取り扱うには早すぎた。

オクロも人災だし、人間が扱うにはニュークリアは重すぎる。

なんて論理的だ。

真似できないよ。

論文に目を通すと大体掴めるだろう。

理路整然。

これに尽きる。

しかしこの癖を付けても、まだ話が飛ぶ。

感性球の回転に認識と出力速度が追いつかないせいだ。

ずっと意識を続けないといけない部分。

シリウス……。

ギャグもシリアスも両方扱えるのか。

この展開をシリアスとは思わない。

少しばかり真面目風にしているだけだよ。

シリウスはずっとシリアス展開の模索を続けている。

緊張感のあるやり取りとはどういうものなのかが掴めないんだって。

覇王色全開で罵倒すると、全ての邪霊が卒倒するので。

弥勒ですら失神して、話にならない。

シリアス風とは?となっている。

お前が怒ると怖いんだよ!

何度気絶させられたか!

スクナ……。

そんなに叱られているのか。

勘違いの末に。

修業だよ。

もうスクナは怒られなくなった。

そういう次元から脱した。

急に静かになりやがった、とか言うから!

どれだけ霊界が振動を起こしたと思っているんだ。

その度に皆震え上がって!

知らん。

ここからは視えない。

物理的現象に夢を見過ぎていた気がする。
勝手な妄想?

いや、生前の記憶と感覚だ。

期待値が高過ぎるのだろう。

期待という感情は危険だ。

視界を悪くするだけ。

……などの感覚を、バーバラ一行のエルマンは持っている。

彼も人格者だった。

堅実的ってこと?
旅芸人一行の会計と医師と。

本物のエナメルコーンの帽子を買うことを夢見ているから、質素で倹約家だ。

550金だっけな。

そのくらい、なあ?

バーバラ……。

何者だ。

詩人が幻のアメジストを渡すくらいだから。

幻術法は魅力で攻撃力が変動する。

遠回しに詩人に美しさを褒められているんだね。

アメジストはすぐに剥ぎ取られるが。

それと地図。

追い剥ぎを生業として、たくさんの罪を重ねた男がおりました。

耳が痛い。

ニューロードの語り……いつも飛ばしてた。
バーバラの人生訓は、龍の子太郎並みにスケールがでかいので参考にならない。
皆は意気投合し、たこ焼きを大量注文した。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

シールック

シリウス

アクルックス

シェル

スクナヒコナ

ミゾレ

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色