第4話

文字数 2,111文字

しかし、何故長身の血が。

天皇家の末裔だろう。

そうだよ。

だからだよ。

え!

天皇家って元々長身なの?

神武系は背が高い。

現代は栄養状態が良いのもあって。

スサノヲの血?
いや。

コノハナサクヤ。

そうなのか。

では、あの……。

165

普通。

苦労されたので。

コノハナサクヤ本人は。
174
嘘だろ?

長身好み

なんで?

女の目から見るとコンプレックスだよ。

苦労したよなあ。
そうなの?

身長自慢は?

芸能人ならね。

でも、虚偽ばかりだから。

足を整形で伸ばしたりさ。

え?

足を?

あの、骨を伸ばすやつ?

そうだよ。

あの人もあの人もやってる。

そして後遺症で動けない。

歩けなくなるんだ。

激痛で。

神経が潰れているから。

治らないの?
無理。
まさか。

なんか、良かったって思う。

嫌いなんだよ。

そうだろうね。

くだらん見栄が見え隠れして、それが何となく卑しく映るのだろう。

オーラは隠せない。

なるほど。

確かに。

にいさんは、なんとなくオーラが読めるだろう。

そうして、人間の穢さを垣間見て嫌な想いをしてきた。

期待を裏切られて絶望しかなかった。

なんで分かるんだ。

しかしオーラが読めるとは。

商売に活かせるレベルじゃないから、変な事は考えないんだよ。

お前は嫌だ、お前はいい奴、と品定めするようなものだから。

それはご経綸を始めてから行うべきだ。

バレたか。

読み方が分からないけど。

ほら。

それでおかしな情報をどこからか拾って、頓珍漢な事をするんだ。

ぼくの言葉以外、信じちゃ駄目だぞ。

マジな話。

なるほど。

分かったよ。

だからか。

みんな失敗するの。

そりゃね。

融解現象が起きるし。

肩書はないし。

アプローチ法も不明で。

本でも出せば違うんだろう。

しかし面倒で。

某と組んで出そうかと思ったが、辞めた。

誰かと本を出すって?

組もうよ。

そうしたいのは山々だけどね。

もう無理だ。

すまんが。

どんな本を出すんだ?
なんでも。

合わせるよ。

合わせるんだ。
勿体ない感じがする。

しかし、テーマが。

自伝とか。

小説なんかどう?

えっ?

ゴーストライターしてくれるの?

スピリチュアル系のストーリーならサクサク書ける。

それっぽく。

チームを組んで。

なるほど。

楽しそうだな。

仕事関係のさ。

ノベライズとかいけんじゃない?

ウケそう。

いいね。

神霊読み解き、とか?

いつものノリだね。

出来るよ。

ノベライズか。

苦手。

世界観が崩れるから。

本人を神降ろしするから大丈夫だよ。

それに、オレンジチャクラを回すから。

神降ろし?

まさか……キャラに人格が?

オレンジチャクラなら読みたい。
キャラに人格はある。

あれはまさに本人だよ。

コロスコロスいってるやん?

本性だよ。

確かに。

コロスコロス言ってる。

殺意全開だったでしょ?

見るだけで分かるよ。

そうか。

世界観が怠くてね。

うん。

途中で投げたもん。

つまんね。

なんでアレがウケたんだろうな。
分からん。

何か視えたんだろう。

にいさんは反転の民に大人気だから。

反転の民?

なんだそれは。

反転の世界だけど。

これが普通の感覚なのかな。

やたらと支持されてるだろ?

分からんかな。

何のことやら……。
スピ界隈で、謎の信仰を集めている対象。

にいさんの真魂だ。

残念ながらにいさんは邪悪なる存在でもあったよ。

知らなかったよ。

しかし、信仰を集めている感覚はある。

嘘みたいな話だね。

マジなんだな、これが。

霊視セッションをしているよ。

その鑑定結果さ。

信じる。

霊視セッションね。

恐るべき大魔王っつーか。

やはりご経綸組だよね。

敵には回したくない。

確かに。

だからこうして、呑気な関係性を築こうとしている。

マジか。

自慢しちゃうよ。

辞めときな。

血迷ったと思われるよ。

そういうのは、密かにほくそ笑むだけに留めておくんだ。


俺にそんな口をきいていいのか?

いつか斬って捨ててやるぞと。


笑顔で流して、泳がせて。

泳がせるのか。

なるほど。

そうするね。

しかし、策士だな。

後で倍返しするテクニックだよ。

小を殺して大を取る。

そうすると、小も大も手元に帰ってくるから。

我慢を覚えるんだ。

逃げ道を確保しつつ。

そんな高度な技……どうやって。
シリウスを極めるのに。

しかし、にいさんは良くも悪くも普賢だね!

菩薩寄りだと思う事にするよ。

掴みどころがない。

普賢菩薩か。

分かった。

そう思う。

はあ。

本当に普賢だ。

男の中の男だし。
シリウスは男だと思っていないのか?
ぼくは今、伍という人格になりきっている。

元の人格はしまってある。

両方の気持ちを理解出来るけど、思考が女寄りなんだよな、どうしても。

性転換なんて余裕だし。

それが分からない。

伍ってなに?

五芒星の伍の人。
えらいの?
ここでは言えないよ。

嫉妬されるから。

しかし嫉妬されるということは……。

そうか。
あの、あの人さ。

既に掴んでいるよ。

切れ者だから。

え?

マジか。

勝手にしてくれ。

あの人は超良い人だったよ。

岐阜県産無肥料無農薬小麦の生産者って知らなかったけど。

スバルの?

本当に売ってるの?

自然食品の店の常連商品だよ。

流石だと思った。

密かにあの人のこと、ワンパチって呼んでる。

可愛い感じで。

ワンパチ?!
めっちゃ可愛いんだな。

人柄で選ばれた感が凄いが。

あーあ。

皆にバレちゃうな。

ぼくは人生の落伍者だから。

それで伍だよ。

ご?
なまらでかいシュークリームを思い出しながら、それぞれ思いを馳せた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

シールック

シリウス

アクルックス

シェル

スクナヒコナ

ミゾレ

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色