第39話
文字数 2,059文字
熱々の明石焼きを取り分けながら、蛸の数を目測で勘定する。
インタビューの本人写真で分かった。
とんでもないサラサラ男だと!
不思議キャラで、掴み所がない。
勝手な想像で近付かれ、そして勝手に失望された上に去り際に砂かけ被害が酷い、そんな偶像崇拝現象が起こりやすい人だ!
そのまま飲むと、青くてね。
古酒にすると最高に美味くなるが。
火を通してアルカロイドの未発酵成分を飛ばすと旨味しか残らなくなって、そのバランスが黄桜は絶妙なんだ。
ほぼ料理酒としても過言ではない。
黄桜料理は天皇家御用達だ。
明石焼きのタコは、それぞれ10粒ずつ取り分けられるようになっていた。