第3話

文字数 2,093文字

運ばれてきたモンブランに、皆で静かにフォークを入れる。
モンブランは美味しい。

黄色い方が好き。

栗の甘露煮のほう?

クリームは薩摩芋の?

そう。

この黄色い山は薩摩芋なのか。

マロンがな。

高いから。

ぼくはマロングラッセも好きだ。

コージーコーナーのマロングラッセは特に。

そんな。

一粒五百円以上するよ。

確かに美味しいが。

頂き物で食べて、それっきり。
高くて普通じゃ買えないよ。
味覚が合うね。
そうなのか。

案外グルメだね。

グルメかなあ?

普通だと思う。

まあ、経歴を辿れば当然か。

味覚が豊か。

贅沢好き。

経歴とは。

まさかなあ。

そのまさかだけど。

ここでは伏せておきます。

シールックにいさんは本当に良い暮らしをしている。

贅沢なのは仕方ないよ。
贅沢というのが分からない。

普通だろ?

アステロイドのはなびは一体なんなんだ。

笑ったが。

書いた人の極貧チャレンジ願望の一種。
ミニマリストなんだよ、本当は。
え、ミニマリストとは。

偏見で見ているけど。

世間のミニマリストはやり過ぎだよね。

要は質素だ。

禅。

それに尽きるよ。

それにしても、はなびはやり過ぎだったよ。
自分にとっては普通だよ。

しかし贅沢を嫌う訳ではない。

しかし、あれは無いと思うんだ。

自然とああなるのは分かるが。

よく分からないな。

何故、洗剤を一本で済ませるのか。

ズボラ故に。

本当に面倒臭くて。

なるほど。

ズボラなら。

しかし、理解の範疇を超える。

理解して貰わなくても大丈夫。

そこは対立要素にはならない。

対立要素とは?
生活スタイルの微細な違いくらいで争うのは不毛であると、そういう認識でいる。

だからシールックにいさんがシャンプーに物凄く凝っていたり、シャンパンを買い漁っている生活をしても全く責めたりなじったりするつもりは無いってことよ。

シャンパン好きが何故バレた。
良い暮らししてるね。
仮に一緒に住んだら、シャンパンについて勉強するよ。

収納庫について考えたり。

飲まないけど。

収納庫は悩んでいる。

ワインクーラーを買おうかなと。

買うべきだろう。

味が落ちる。

冷蔵庫くらい入れとけ。

なんで分かるんだよ。
アルクは現在、霊体だし。

一瞬で視れるし。

霊体?

アルクが?

これも霊媒か。

そうだよ。

アルクの過去生は某有名声優だったり。

色々。

なんだと。

誰だ。

言える訳ないだろう。

本人に失礼になる。

想像が付かないな。
一緒に食事した筈だが。

まあ、どうでもいいよ。

……。
ぼくも過去生で声優の経験がある。

これも伏せておくが。

他にも色々やらかした。

声優業は嫌いだ。

ウザ。

分かるけど。

しかし霊媒とは不思議だな。

道楽で行う事ではないんだけどな。

何しろキツくて。

しかしもう修業がほぼ終わったので、このように遊ぶことにした。

遊び過ぎだと思う。

煽るの大好きで。

煽り癖は仕方ない。

邪なる存在なので。

どこが邪なんだ。

礼儀正しいし。

邪というのは、人道を外すことではないんだな。

なんていうか。

攻撃本能を意味するもので。

攻撃もしてこないぞ。
はい。

慎ましやかに、謙虚に。

それでもヨコシマなる心を隠せませんの。

笑うが。

急にお嬢様になるから。

お嬢様も過去生で山程やったが。
育ちが良さそうだと思っているよ。

どこか上品なので。

商品券とか。

商品券?

そんなの、普通に社会人としての嗜みだろう。

現ナマだと嫌らしい時もあるから。

それを理解するというのがまたな。

普通では思いつかないよ。

30代で。

田舎の感覚だ。
田舎、なあ。

どこ住み?

関東。
それだけじゃ分からない。
ルシファー!サタン!ミカエル!ルサミルサミルサミ!

でほんのり匂わせているよ。

あれはなんなんだ。

笑ったよ。

本当に。

真理正峰の真髄。
それはそうだが。

八木節ってなんだ。

学校の音楽の授業で習っただろう。

しらないなんて言わせない。

そうだっけ?

音楽はからきし。

音楽の授業が楽しく無かったのかな。

音符は好きかい?

音符?

嫌い。

覚えられない。

そうか。

歌も?

大地讃頌しか弾けない。
それをピアノで弾ければ充分じゃないか。
あれ?

もしかして、小学校……。

超自由だった?

うん。

ずっと遊んでいたか。

徳島の幻の、最強の小学校出身ってこと?
まさか。

何故知っているんだ。

ネットで拾ったネタ。

実在したのか。

可愛いと思われているよ。

コイツ……。

懐っこ過ぎるのは分かるよ。
??

何故だ。

見透かされている。

シールックにいさんはそういう性格だ。
ほんとだよな。

変態臭がする。

それはいいけどね。

小学校の課題くらいノー勉強で余裕で解けなけりゃ、人間として無理。

漢字とかは丸暗記だけど。

それを体現した学校だよね。

それは分かるよ。

小学校くらいで進研ゼミなんて。

ぼくも小学生の頃は全く勉強せずにいた。

中学は身長が伸びて、身体が酸欠になって理解力が落ちたが。

中学で身長が伸びるのか。
女の子は13歳の成長期で一気に背が伸びるよ。

それで10センチくらい急に伸びた。

昼寝し過ぎもあって。

背を伸ばすには寝るしかない。

成長期ホルモンの分泌で。

それでか。

寝ずにバイトを。

175あれば充分じゃない?
いや、きみの身長が172って。

それでな。

ちょっと。

背が高い家系なんだよ。

いとこは、180台は普通だから。

いいよな。

長身の血。

家系で決まるのか。
父方の遺伝子で決まるよ。
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登場人物紹介

シールック

シリウス

アクルックス

シェル

スクナヒコナ

ミゾレ

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