第55話 ☆
文字数 2,164文字
じゃんけんゲーム機の前に立ち、三人は端子の発光でグーチョキパーのシンボルが浮かび上がる基盤を見つめた。
ぼくたちはいずれ霊素慈に住み、ご近所さんになるだろう。
その時にグーチョキパーの仲良しステッカーを作ろう。
水道局の広告みたいな、裏が磁石の。
冷蔵庫に貼っておくんだ。
シールックにいさんは、グーの係だ。
ぼくはチョキ。
アルクはパーだ。
分かるか?
三竦みだが、途方もなく仲が良いんだよ。
チョキの係は、少し前までヴィクティニだった。
ヴィクティニはアルクの所へ行き、ジャンケンのチョキでアルクのパーをチョキチョキしていたが、ふと気付いた。
数で負けてる!と。
ピースの2
パーの5
そこでアルクは克つとは何かを知ったのさ。
やがてミニゲームコーナーを抜けると、ソフトクリーム売り場へと到着した。
メニューに静かに目を通す。
たまたま見たんだ。
その時はひろゆき、なんて頭が良いんだと思ったが。
どこからの板からの拝借だったらしい。
ひろゆきは認識が鋭いが、2ch入り浸りのリア充なので常人よりは博識だ。
しかし最近は意見が偏り過ぎていて駄目だ。
老化現象だな。
2ch認識の限界を知った。
少し焦り気味に、ソフトクリームの注文を入れる。
出来上がりを待ちながら、期間限定の味のポップを眺めた。
やがてソフトクリームを受け取り、近くのベンチに座って食べた。