第34話
文字数 2,522文字
シールックは恨めしそうにミゾレを見つめる。
これは正体がエリスだから。
クローディアは彼女から様々なことを学んでいる。
しかしブラウはどうだ。
森の仲間とたまに喧嘩などをする。
心は優しいが、知能があやしい。
挑発にすぐにノッてしまうんだな。
その気はなくても。
オウルに会いに行かなければいいんだよね。
声を無視するんだ。
宿屋に泊まるたびにウンザリするけど。
これはクローディアの巣立ちを意味する。
オウルには会えない。
シルベンとブラウは連れ回し。
そうすると、クローディアは誰も失わずに済む。
帝国の王女という事実を知らず、ただの冒険者として。
ブラウを精神的にかばいながら、シルベンと仲良く勉強しながら。
グレイはしらんけど。
帝国とかかわり合いを持つと、きっと不幸になるとか言って。
クローディアの、試される大地。
シルベンの声をどれだけ信じられるか。
そして、オウルもさ。
クローディアがあまりに来ないようなら、テレパシーなんて辞める筈なんだ。
オウルの笠は精神を上げるアイテムだから。
かなり際どいけど、帝国の確執とかカスッてもいないのでセーフ。
シルベンも許した。
エリスのシンボルとアムトのシンボルで
神殿開く
気のムーンストーン
グレイに必要なものだね。
生まれた時代を間違ったと思って。
ミルザ一行の転生体かもしれないし、そうでないかもしれない。
アルドラほど執着していないから、きっとそうではないかもね。
でも最初の地が恐竜の世界。
そして冥府の入口。
死と隣り合わせだったんだよ。
そして昔を偲んでいた。
しかし、興味ないと思っていたクローディアと組むと、なんと気のムーンストーンがゲット出来た。
適当な冗談を言っているけど、グレイに恋愛感情は一切ないだろう。
皇帝の奇病を救って、きっとこんな世の中も悪くない。
そう思った筈。
人生に無駄はなかったんだ。
クサイけどね。
シリウスは間髪入れずに、おかわりとつまみを頼んだ。