第34話

文字数 2,522文字

つまみのおかわりと飲み物を注文し、おしぼりを少し握る。
良かったよ、凄く。

次はクローディアで。

森の魔女よ!

森の魔女よ!

クローディアは序盤優遇だね。

初心者向きだ。

シフとは大違い。

シフは序盤不遇。

何故。

キャラクターに彩りを持たせる為だよ。

シルベンとブラウと共に育った、王国の王女、クローディア。

父は詩人、母は女戦士。

強い。

愛が上がりやすい。

スーファミの愛は飾りというんだけど、実は腕力底上げに有効で。

あまり知られていないけど。

ジャミルの女装グラフィックはクローディアと同一だったな。

まさかな。

その通りで、ジャミルはクローディアの双子の弟だ。

年齢が一緒。

マジかよ……。

捨て子?

攫われた。

モニカに匿われて、密かに育てられた。

あの話の最強はモニカなので。

そしてこっそり北エスタミルに。

モニに対して!
ミゾレちゃん。

焼き鳥食べるかい?

塩だよ!

ネギ味噌はない?

そんなマニアックな味は置いていないみたいだよ。
分かってないね!

隠しメニューがあるでしょ!

何?

ハーレム侵入作戦?

そうだよ。

そこでファラはどうして攫われたのか!

見目麗しい。

それだけ。

似てたんじゃないの?
似てもつかないよ。

初恋の人?

ウハンジの初恋なんて知らないよ!

ダウト!

その話はまだフラグが立っていないから、また今度だ。

ごめんね。

とにかく邪魔が入るね!

帰るよ……。

このお金で、売店で好きだけ購入しなさい。
わかってるね!
羨ましい。
大量の金貨と札束を持ったミゾレは、足取り軽く宴会場を去っていった。


シールックは恨めしそうにミゾレを見つめる。

売店で好きだけ買いなさい、だと?

なんて自由なんだ。

ミゾレちゃんは可愛いので。

にいさんも帰りに爆買いしていくかい?

当然だろう。

スーパー銭湯の売店で爆買い?

夢がありすぎる。

贅沢だねえ。

波羅蜜っている。

波羅蜜っている、ね。

波羅蜜は幸せいっぱい、という意味がある。

クローディアの幸せは何だと思う?

分からない。
何?

心が貧しすぎるぞ。

酷い。

なんて言い草。

クローディアは森の生活が気に入っている。

シルベンとオウル、そしてブラウと森の平和があれば何もいらないと思っている。

美貌もあるし。

その中で考えてみな。

全くもう。

なんて読解力が。

読解力、どっかいった。

シルベンは賢い。

これは正体がエリスだから。

クローディアは彼女から様々なことを学んでいる。

しかしブラウはどうだ。

森の仲間とたまに喧嘩などをする。

心は優しいが、知能があやしい。

挑発にすぐにノッてしまうんだな。

その気はなくても。

ブラウ、脳筋?
こら!

なんてことを言うんだ!

優しいんだぞ、ブラウは!

クローディアはブラウが心配でならなかった。

きっと彼をいつも慰めている。

ブラウがとても大事なんだよ。

ごめん、ブラウ……。
全く人の気持をわかろうとしない、シールックにいさん。

そういう人が帝国には大勢いた。

王女を守ったのは、王妃お付きのメイドだけ。

そしてもしかしたら帝国を嫌っているかもしれない、森の魔女のオウルだけ。

オウル。

オウルの死のイベントは回避出来たね。

オウルに会いに行かなければいいんだよね。

声を無視するんだ。

宿屋に泊まるたびにウンザリするけど。

これはクローディアの巣立ちを意味する。

オウルには会えない。

シルベンとブラウは連れ回し。

そうすると、クローディアは誰も失わずに済む。

帝国の王女という事実を知らず、ただの冒険者として。

ブラウを精神的にかばいながら、シルベンと仲良く勉強しながら。

グレイはしらんけど。

オウルとは何者なんだ……。
オウルは、王妃の母親。

おばあちゃんでした。

そうでなきゃ、あんなに心を尽くして王女を育てないよ。

そんな……。

祖母の声を無視するのか。

シルベンはきっと止めるよ。

帝国とかかわり合いを持つと、きっと不幸になるとか言って。

クローディアの、試される大地。

シルベンの声をどれだけ信じられるか。

そして、オウルもさ。

クローディアがあまりに来ないようなら、テレパシーなんて辞める筈なんだ。

オウルの笠は精神を上げるアイテムだから。

信頼か。

クローディアの人生は。

一応、メルビル王はクローディアに護衛を付けた。

王なのに自分は無力だと知っていて。

妻も見殺しにしたようなものだし。

子が双子ということすら、実は知っているかあやしい。

そんなもんなのか。

そんなにも。

エリスのシンボルを取りにいくために、クローディアは森に戻るけどね。

かなり際どいけど、帝国の確執とかカスッてもいないのでセーフ。

シルベンも許した。


エリスのシンボルとアムトのシンボルで

神殿開く 

気のムーンストーン


グレイに必要なものだね。

月と狩りの女神 エリス。

アルテミスだね。

愛の女神アムト。

アムール。

これは量子と感性球の完成を意味する。

ピラミッドは土の入口。

世界だよ。

グレイは失望していた。

生まれた時代を間違ったと思って。

ミルザ一行の転生体かもしれないし、そうでないかもしれない。

アルドラほど執着していないから、きっとそうではないかもね。

でも最初の地が恐竜の世界。

そして冥府の入口。

死と隣り合わせだったんだよ。

そして昔を偲んでいた。

グレイの人生訓は、生まれた時代を間違った、ということ?
そう思うじゃん?

しかし、興味ないと思っていたクローディアと組むと、なんと気のムーンストーンがゲット出来た。

適当な冗談を言っているけど、グレイに恋愛感情は一切ないだろう。

皇帝の奇病を救って、きっとこんな世の中も悪くない。

そう思った筈。

人生に無駄はなかったんだ。

クサイけどね。

気のムーンストーンはミルザの石だもんね。

やはりなにか思うところはある筈。

ガラハドがミルザ神殿に入り浸っているので、それに影響されたかもしれないし。

うう。

泣いた。

グレイの人生訓は

「人生何が起こるかわからない」

かな?

思いも寄らぬところから、取っ掛かりを得られる。

もしくは瓢箪から駒。

この辺りも。

グレイは人気キャラだ。

語り尽くせない奥深さがあるんだよ。

グレイにそんな過去があるなんて、誰も思わないよ。

傭兵とか冒険者とか。

素性が知れない。

ロマンシングなサガなので。

ロマンはどこに散りばめられているか分からんよ。

ing、現在進行系なら余計ね。

いつの間にか、ドリンクは空になっていた。

シリウスは間髪入れずに、おかわりとつまみを頼んだ。

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登場人物紹介

シールック

シリウス

アクルックス

シェル

スクナヒコナ

ミゾレ

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