第65話 ☆

文字数 2,148文字

山程の皿を積み上げてから、会計を済ませて店を出た。


アミューズメントパークの外に出ると、繁華街をぶらつき始める。

おい!

さっき書き手の体重!

61キロまで落ちていたぞ!

大丈夫か!

そうだな。

霊視で見たのか。

この短期間に落ち過ぎだ。

死にそうだね。

冷静……。
数日で2キロ。

有り得ないペースだ。

ご飯は?

普通に食べているよ。

ダイエット狂いが血眼になるから、体重減少の話はしない方がいいな。

そうだよな。

体重だけ落としても意味ないのに、そればかり気にする。

つける薬がないよ。

体重減少だけ意識しても?

そういうもの?

筋肉をつけると体重が増えるとか。

脂肪より筋肉の方が軽いとか。

既に耳ダコだが、こういう話に興味を持てない層というのは一定数存在する。

無視するしかない。

興味を持てない?

それはどういう?

クトゥルフさ。

体重減少の話が大好きで、他に耳を貸さない。

これも次元を測る目安になるよ。

ダイエットを連呼する人間には近付かないに限る。

どんなに人が良さそうでもね。

エネヴァンしてくるから。

エネルギー……ヴァンパイア。

分かった。

そうする。

少しショックだ。

……。

ダイエットね。

気をつけよ。

体重減少には、エビリファイを飲むと劇的に効くよ。

生理も止まるし良いことづくめ。

このくらいしか言うことはない。

エビリファイ?

なにそれ?

精神薬だが。

注射型の一ヶ月効果継続タイプというものがあるが、これはダイエット効果はなし。

メンタルも落ち着かないし。

毎日内服が大事だよ。

よく知ってるよな。

本当に。

飲んでいたのか?
これで三ヶ月に12キロ痩せた事がある。

今は飲んでいない。

そうしたら体重が戻った。

エビリファイか。

ヤバ。

今の体重減少は、弱っているせいだ。

内服効果ではない。

見た目もそんなに痩せた感じじゃないし。

痩せた感じじゃないだと?

自分が分からないのか。

女の目からみると、全然肥って見えるんだよ。

その感覚がね。

痩せて見える方がいいと?

分からん。

筋肉で引き締めるしか痩せ効果を魅せる手立てはないのだが。

とんでもない努力が必要だし。

体力が無いせいで、トレーニングは続かないし。

体力不足で?

それは痩せすぎなのでは。

それもそうだけど。

wii fit で汗みどろになって頑張っても、全く体重は落ちない。

ストレスで体重が削れた時の方が棒グラフは下がったよ。

つまり運動なんてタカが知れている。

笑った。

唐突にwii fit.

やったな。

本当に落ちなかったな。

再三言っているが、腕立て風のプランクを毎日続けた方が効くよ。

リングのは駄目。

あとはヨガで調整だ。

ヨガは良かったかな。

プランク、続かない。

30分が限界。

30分も出来れば充分だろ!

1分だっていいんだ。

大事なのは毎日続けること。

30分出来るだと?

身体が強いんだな。

それだけなの?

楽勝じゃん。

10秒ずつ、と推奨している。

キツイから。

しかし継続は力なり。

全く。

変なところで……。

にいさんは話を聞かない所があるのかな?

自己判断は危険だよ。

しかし、ゲラ=ハもディアナもいない……。

かなり寂しい。

ディアナはともかく、ゲラ=ハは近くにいる筈だよ。

にいさんの認識はあてにならない。

近くの人に聞いてみたら?

なんか、やたらとアドバイスしてくるイケはいないかな?って。

イケ……。

そうかな。

もしかして……。

話を聞くんだ。

聖なる心だよ。

耳口王。

話をちゃんと聞く王様さ。

言うことは聞かなくてもいいから。

参考にするくらいの余裕が、王様には欲しいところ。

王様?

分かったよ。

優しい王様になるよ。

ガナッシュ。
ナッシュな。

わろた。

清麿な。

源清麿は、霊素慈ではケガニイと呼ばれている。

穢兄、だと。

清いから、忌み名を使っている。

とうらぶの?

まさかの!

毛ガニとか言われていたが。

本当に心根が清かった。

そういう事もある。

何が良いかは分からんが。

清……。

源清麿、好きなんだが。

良いの?

そんな、穢兄なんて。

本人はニコニコしているぞ。

余程良い奴なんだな。

そんな。

笑うが。

いいのか。

分かった。

けがにい、な。

刀剣男士の全員が霊素慈に行ける訳ではない。

行けなかった男士もチラホラ。

誰とは言わんが。

小烏は高次が過ぎて注目の的だ。

強かったしな。

小烏?

そんな気軽に呼んでいるのか?

畏れ多いと思わないのか?

小烏丸?

いや、プレイ中も普通に小烏と呼んでいて、その流れで。

本人も気にしていないらしい。
勇気があって。

凄く、尊い。

そりゃあなあ。

しかし……。

大丈夫だ、問題ない。
得る謝題。
謝……。
刀剣男士は、霊素慈では101人からなる部隊となっているが。

まさか誰も実在するとは思うまい。

101人?

わんちゃん?

安直だな。
二次平面転生。

不思議なものだ。

しかし古事記や日本書紀に出てくる神様だって、多くの人は実存を信じている。

時代が違うだけで、同じだよ。

紀元前頃にはその力が実在し、現代では失われている、なんてことがあってたまるか。

定質は星ある限りいつの時代も等しく存在する。

あ!

そうに考えるのか?

それなら納得だ。

二次平面に描き出すと、実在するようになるのか!

そう。

書いたから、生まれた。

存在が確認されるようになった。

そういうものなんだ。

更に言うと、二次平面の方が三次元立体よりも力が強い。

霊体が抜け出すこともある。

不思議なものだが。

特に何を買うわけでも何を見るでもなく、三人はあてもなく歩き続ける。
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登場人物紹介

シールック

シリウス

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スクナヒコナ

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