第56話
文字数 2,270文字
ソフトクリームを食べ終わると、コーンの包み紙を丁寧に畳んでからゴミ箱に放り込んだ。
ガシャポンコーナーへと移動する。
プラスチック製品は、セルロイドから始まって模索の連続だった。
取り扱いが難しく、誰もが皆技術開発を諦めていた。
しかし、ある大阪の会社がプラスチックで卵パックの発明と製造を始めた事から一気に全国に浸透し、開発の末にプラスチックそのものの質が上がった。
卵パックに大感謝さ。
勿論、卵を産んでくれた鶏のお母さんにも。
クレイジーダイヤモンドは宇宙の周回リセマラの原理で壊れた物質が修復されるんだが、仗助の能力が足りな過ぎて完璧に再現されない。
あまりの未熟さに辟易して、目も当てられない気持ちになるのだろう。
神霊イデア現象な。
そうだ。
宇宙の全てを最初からやり直す。
それは簡単な事だった。
しかし完璧に再現出来ないような未熟者が宇宙の命運を握るような事があってはならない。
それを霊魂レベルで知っている人は、クレイジーダイヤモンドを読めない。
この授業はとても印象的でずっと覚えているんだけど、クラスメイトの誰一人として話題に出す事はなく。
くだらん授業だと思われたのかなと哀しくなった。
とても工夫されていて、米国の雰囲気の感覚を掴むのに非常に有用に感じたのに。
ガシャポンコーナーにピンとくる景品は見当たらなかった。
回すのは諦め、渋々次のエリアへと移動する。