第40話 ☆
文字数 2,368文字
そうなんだよ。
色違いとも言えるポールは抜刀ツバメ返しを閃くから重宝されているのに。
まあ、ポールも似たようなものだがニーナに義を貫くので彼の方が人間的に上な気もする。
野盗に落ちぶれても助けてくれるし。
ユリアンが同じだったらどうだろう。
敵だー!ピョンピョン
が関の山じゃないか。
がめつさを下げ忘れているな?
ユリアンはプリンセスガードでモニカを仲間にし、駆け落ちして一緒に破壊するものを倒すと、モニカと結婚出来るんだよな。
ということで、純愛カップルとして見られて2人クリアに挑むユーザーも多い。
しかし彼らは本当に愛し合っているのだろうか?
お小遣いを握りしめて去っていくミゾレの姿を見送り、シールックは羨ましそうに拳を握る。
痺れる足を伸ばしながら力なく立ち上がった三人は、だらだらとした歩調で売店コーナーへと向かった。
食品コーナーを中心に、鋭い目付きで品定めを始める。
ジェラートコーナーにて、嬉々として冷凍庫の蓋を開け、全ての種類のジェラートを掻き集めた。
ラベルを確認し、カップを積み上げてレジまで持っていく。
やがて両手でジェラートの五重塔を抱え、宴会場の元の席に戻る。
食べ散らかした容器などがテーブルの上に残されたままであるため、迷うことはなかった。
いや、アルク。
一期一振を平仮名で書いて、初めて いちご という音に気付いたんだ。
いちご なんて名前……なあ?
BLEACHに遠慮して、名付けに使えないよな?
こんな偶然ある?
ってなって。
気付かないってないだろってなって、ちょっとした言い合いに。
表面の細かい氷の粒がキラキラと輝くアイスを少しずつ掬いながら、話は弾む。