第66話

文字数 2,220文字

やがてパチンコ店の前に到着する。

派手な広告垂れ幕に、呆れたような視線を投げかけた。

海物語か。

新聞広告でキャラを覚えたクチだ。

なんだと!

全く同じだ!

マリン!

サム!

ワリン!

やはりな。

同じだ!が鉄板ネタに。

どれだけ気が合うんだ。

全く同じだが。

初見で、当時にしてはグラフィックがやたらとキレイなので、気合が入っているのかなと思った。

ポリゴンが。

分かるよ。

3Dとはこんなにクオリティが高いのかと期待して。

しかし他のゲームでカクカクで失望して。

そのクチだ。

FF7で肩の力が抜け出た。

しかし据え置きゲームとパチンコの一部しか動かないモーションの、容量制限とレスポンスなどのバランスを考慮すると、FF7はクオリティを落とさないとロードが長くなって最悪処理落ちする。

海物語は秘奥義カットインだけやたらと気合を詰め込んだみたいな、出力的にはそのくらいの容量しか必要なかったので、CCクオリティを最高まで上げることが可能だったのだろうとも推測出来る。

そこまで思い至らなかった。

クリエイターの視点だな。

秘奥義カットインだね。

やたらと気合を詰め込めるのか。

理解した。

リメDの秘奥義カットインは好きだった。

D2のカットインを基準とした場合から見て。

ドット絵も好きで。

リメDな。

リリスが良かった。

D2のカットインは良かった。

何度見てもいい。

リメDは何を見ても良かった。

リメDはな。

シャルティエが美化し過ぎていて、それも良かった。

リオンが優遇されすぎはいいが、リオン版はちょっと萎えた。

他のキャラの台詞を遮るなと。

分かるよ。

ウザくてな。

レンズを9999まで貯められるのは良かったが。

レンズは分かるよ。

快適だった。

999じゃな。

しかし、リオンが優遇されすぎはいいとは?

やはり推しは……。

そうだが。

しかしジューダスとリオンを比較すると、ジューダスの方が好感度が良く。

いつしかリオン版のシステムの良さしか採用しなくなっていたよ。

ジューダスの方が好感度が良いのは納得だ。

丸くなっている。

叔父という立場になった事から、何か思う所があったんだろうね。
叔父……!

カイルの!

D2は突然、存在すら知らないおっさんなどが中ボスとして現れ、ステータスコマンドの文字の小ささに目を凝らしながらひたすら戦闘し、いつの間にか天地戦争時代に飛ばされて過去編が始まり、やがて船酔いが酷いジューダスが飛行艇を運転するようになり、気が付くとリアラが消えるかどうかの話になっている、そんな物語だよな。
確かに。

笑ったが。

何もかもが唐突過ぎて。

笑った。

どうしてそう、的確なんだよ、いつも。

いつの間にかだし、文字も小さくて。

いつの間にかリアラが消えるかどうかの話になっている。

ナナリーの弟を救うイベントがねじ込まれているな。

だるくて。

そう。

やったけど、一回で嫌になった。

クレコメに全てを注ぎ込んでいた。

短縮コマンド失敗しないように頑張って。

やがて、少し歩いた先にある喫茶店に入っていく。

コーヒーを三つとホットサンドを注文し、おしぼりで手を拭きながら談話を続ける。

デスティニーのラスボスはバカだと思う。

わざわざ天上に地殻を作る意味が分からない。

分かるよ。

レンズの彗星が落ちて氷河期が起きたから、天上世界を作ったんだよな?

落ち着いた世界で、わざわざあんな事をする理由なんてないだろ。

意味の無い行動だと思ったのは同じか。

どうして、こう……。

思うに、ミクトランは発達障害者だ。

かつて栄華を誇った環境を無理矢理にでも再現しないと気が済まない、環境の変化に激弱なタイプの。

同じような環境でしか生きられない。

慣れた場所でないとイキれない。

だから、頭の足りない敵としてラスボス化している。

そんな考え方があったのか。

環境の変化に激弱。

分かる。

そういう人はいつもいる。

なんということだ。

長年の謎が解けた。

凄い!

シリウス!

ありがとう!

発達障害者か!

そこまで喜ばれるとは。

精神球の r 領域が極端に狭いんだな、と推測出来る。

xとはまた別で。

精神球と感性球?

違いが分からない。

別々のものでは?

いや、精神球と感性球は常に同時に存在はするのだが、伴って成長していくものでもあるんだよな。

精神球の領域の中に感性球が存在するが、精神球の受容領域が小さいと感性そのものが外部からの影響を受けやすくなって、実質無いようなものとも扱う事が出来る。

ミクトランは精神球は小さい上に、感性球も精神に根付くまでには育っていなくて。

過去の栄光に縋るしか自己を保つ手段を知らないんだよな。

未来が見えないんだ。

難し過ぎだ。

人の心の複雑さよ。

シリウスは何故、これが理解出来るのか。

もしや、いつもの見りゃ分かるだろ、というやつか。

その通りだが、現在のヒューマノイドの認識を育てるのも大変で。

フラグを立てないと智の扉が開かない。

だから手探りで書いている。

間違っていたらモヤッとするから大丈夫。

モヤッと?

そう言えば、ぼくも何か間違った認識に出会った時はイラッとするな。

それか?

イラッと?

にいさんらしい感覚だな。

反性質に出会った瞬間の感覚だ。

マリテス軸が真理に近ければ近い程反応する。

マリテス?

そんなものが。

しかし、合ってるんだな?

合ってるよ。
ぼくはヌラッとする。

気持ちが悪い感じ。

分からん。

変なやつだ。

ヌラッと?

魚類でも触ったのか?

サンショウウオを掴み取りしたような感じ。

気持ち悪くなる。

アルクの方が性格が修羅なようだ。
魔王だし。

しかし修羅とは。

コーヒーをすすり、会話を続ける。
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登場人物紹介

シールック

シリウス

アクルックス

シェル

スクナヒコナ

ミゾレ

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