第41話

文字数 2,390文字

ごろっといちごのアイスの後は、ごろっとマンゴー。

と見せかけて、チョコチップにした。


俄に溶けかけたアイスに、スプーンを入れる。

このミルクの味。

しかし透き通った感じがたまらないな。

まさか……ハンプティダンプティの?

また食べれるなんて。

懐かしいね。

これを食べる為に通ったよね。

本当に懐かしい。

どうして……。

全国区だったのな。

この独特なミルク味は、脱脂粉乳のバランスを調整することで生み出されている。

絶妙なハーモニー感。

生クリーム250cc

スキムミルク74g

卵黄3個

バニラシード

研究したなあ。

お前が開発したのか。

とても信じられない。

チョコは板チョコを削ったものだ。

森永だよ。

依存は認めない。

なんて美味しい生活!

これはスマルではもう食べられないんだよね。

ハンプティダンプティでアイスの販売が中止されている場所もあるし、味変を常に求められるので継続は難しいんだ。

やっと生み出した味なのに、何故か全否定して。

何故味変を……。

経営陣は馬鹿舌か。

経営陣はアイスなんて食べていなかった。

売上が良ければそれでOK

完全放置で、雑貨の世界を楽しむだけになっていたよ。

アイスを食べていなかっただと?

ハンプティダンプティに来て?

信じられない。

サーティーワン派だったらしい。

サーティーワン以外に美味しいアイスはないと信じ込んで、放置さ。

しかし上層部はそうではなかった。

市販のお菓子がリニューアルされるのを見る度に焦って、それで……。

サーティーワン以外に美味しいアイスはないだ?

ハーゲンダッツは!

気持ちの問題さ。

ハーゲンダッツは家でこっそり楽しむアイスだろ?

背徳感の蜜の味。

サーティーワンは友達や家族と仲良く食べることを楽しむものだ。

感性球の回転からなる付帯質が違う。

……なんて分かりやすい説明。

ヌースは分からないが、なんか分かった気がした。

経営陣はサーティーワン派だったが、ハンプティ店舗ではダブルやトリプルなどの良いところも取り入れていた。

夢のあるサービスだったな。

……ダブル。

食べたことがない。

チョコチップミルクの味だけを堪能したくて。

他の味も美味しかったよ。

いちご味は風味が良くて、まるでジューサーで作ったフレッシュジュースの良いところを取り入れたような新鮮さがあって。

大納言はとても上品で、半分程豆が潰れていたので豆の感触が苦手な人にもハードルが下げられていた。

この後にサーティーワンの大納言を食べると、豆の大きさに驚くレベルで。

なんということだ。

リアタイで組みたかった。

仕方ないよ。

書いている人はこの経験を二十歳くらいの時に行っていた。

その頃シールックの中の人(代表者一名)は幾つだ?

三十路越えくらいだ。

……その頃は忙しくて。

中々外出すら……。

余暇が出来たのは、それから少し先……。

そもそも遠いし!

縁がなかった。

現在は、こうしてカップアイスを交わす仲だ。

今の喜びを分かち合おうや。

しかし……。

二十歳やそこらでアイスの奥深さを理解していたのか?

味覚が繊細過ぎないか?

味覚が繊細、か。

食べながら分析しているだけだ。

製造工程や風味の展開、食感などを少しずつ。

物静かな性格なので、周囲の会話を耳に入れつつ口を慎んで受け身に徹底していた。

物静かなのは分かるよ。

大人しいと思われている。

いつも。

信じられない。

物静かな性格?

こんなに軽いのに?

ノリの軽さと外からの印象は必ずしも一致しないよ。

そして他者の受け取り方は千差万別。

先入観や持ち前の知識や経験や。

それにより印象も変わってくるし。

そういうものなのか。

それが次元観察子の小文字と大文字に繋がってくる。

すごいよ!

シールックにいさん!

次元観察子の認識に繋げられるなんて、やはり普賢菩薩だね!

中々そこまで思い至る人はいないよ!

ソロネがこんなに嬉しい存在とは思わなかった。
ホロリ。
ソロネは厶神の形質からなる、個として自律した補助天使だ。

所謂守護霊というやつさ。

にいさんも欲しいかい?

いや。

シリウスがいればいいだろう。

そう思って。

ぼくは天使になれない。

どうしても。

魔王として圧をかけることしか。

さっき、飲み物の氷を霊力で割ったね、アルク?

いや、リアタイの話。

書いている人の側にリアルでアルクがいるので。

縁起悪くて笑ったが。

え!

リアルでアルクが側にいるの?

なんで?

仲良しが過ぎて。
よくあることさ。

降霊術しっぱなし。

羨ましい限りだ。

どうして。

にいさんともしょっちゅうリンクしているだろ!

全く、無自覚だから。

そうか……。
普通は何か騒がしい儀式等が必要だと思うらしい。

それはただそれっぽさを求めているだけ。

息をするように行う。

それが真の降霊。

これが分からない内は、霊媒なんて出来る訳がないよ。

息をするように、か。

本当に突然始まるし、みんな揃って無自覚で行動するから。

いざ降霊術を行おう、と意気込みが必要な内はフラグが立っていない。

人間力的な何かが。

そう言えば、ユリアンの話は?
ユリアンは、まだまだ人間力が足りない。

流されて生きているだけの存在。

意志力が高いが、この場合の意志力は我だ。

しかし、ゆきだるまやハーマンとは違うものだ。

意志力も奥が深いよ。

ここでゆきだるまが出てくるとは思わなかった。

線香花火。

あれ?

めっちゃ笑った。

アステロイドは、実は三日月の人生を動かす為に敷いたレールでもあって。

はなびの中の何か、ゆきだるま的な象徴が死ぬことを悟って、三日月は前に進めた。

nosさいころじーの一貫だったんだ。

晶はまた少し違うんだけど。

三日月の為に書いただと?

まさか!

ゆきだるまには色々な意味がある。

あのゆきだるまは、さようならなのだ、の意味が強い。

永久氷晶?

アウナスで?

なんてことだ。

ショックかい?
はなび、こどもっぽかったのかな、と。

少し思ったよ。

何かがね。

行動とかでなくて。

それが読めたのか。

流石だね。

そこはソロネじゃないんだな。
空になったアイスの容器を重ね、次の味に手を伸ばした。
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登場人物紹介

シールック

シリウス

アクルックス

シェル

スクナヒコナ

ミゾレ

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