第38話
文字数 2,144文字
たこ焼きを頬張りながら、話は弾む。
アレルギーな。
ぼくはこんにゃくアレルギーの気がある。
こんにゃくを食べると頭痛が出る。
何がそうさせるかの分析を続け、水酸化カリウムが原因であることを突き止めた。
ダイオフ、体内細菌叢が死滅する際に発生する毒素により、これはアルカロイド系の代謝物なのだが。
これで腎臓にダメージを受けていたらしいんだな。
採血は毎日やっても意味がないと思っているが、流れ作業で行われている。
そのせいで、病院は検査で稼ぐとか言われるし実際その通りなのだが、検査で稼がないと病院そのものが潰れてしまう。
案外経営はカツカツなんだよ。
いざ病院にかかりたい時に潰れてました、なんて事になったら目も当てられない。
少しは見逃してやれ、と思う。
メンタルには効かないよ。
暴れる認知症患者に抑肝散が処方されるせいで、逆に元気になって余計に暴れるわ徘徊するわの悪循環。
認知症になったら、全てを諦めて死は幸いなりを発動し、メマリーを大量に盛った方が幸福次元への扉が開く。
ジェネリックじゃ駄目だ。
先発で。
シールックは間髪入れずにアクルックスの拳を喰らい、その場に倒れ込んだ。
これはお決まりの鉄板コミュニケーションの一つである。
シリウスは小さく笑うと、たこ焼きの皿を片付けてから今度は明石焼きを頼むことにした。