第7話
文字数 2,070文字
見りゃ大体想像がつくだろう。
やたらと目を引くように、長ったらしいタイトルで中身を説明しているやつな。
それだけ見たら、あとは適当に起承転結を予想して、こんな感じだろうと考える。
それだけでお腹いっぱいだよ。
分からんけど、殆どが男女の縺れでワイキャイ騒ぐだけのものだと思うよ。
男女交際系は、大体中身がなくて。
自棄になるか、謎の団結でくっつくか、イベントで盛り上がってその場だけの幸福感を得るも実はお先真っ暗系かのどれかだよ。
宮沢賢治の紫根染めについて。
リンクで青空文庫を読んでくれ。
盛岡で村興しの為に紫根染めを復活させようという試みがあって、紫根染めについて詳しいと噂の山男を呼んで話を聞くことにした。
そこで色々情報が飛び交うんだけど、それは村人の山男への偏見の描写でしかなくて。
結局、紫根染めについてのショボい情報を聞き出すだけに終わった。
たったこれだけなのに、物凄く大変な事のように書かれていてね。
この話は、文明開化後の華やかな世界になっても人間の気質はそう簡単には変わらんという皮肉だよ。
それを読み取るのが、国語力というもので。
話の筋を正確に読み取るのは難しい、というものさ。
没にした話はもっとエロかったけど。
しかし、想像力を掻き立てる糸口との接触は現実の性行為よりも強力な欲情効果を生み出す事が分かった。
これはイデアを見る行為に近い。
どこまでも理想に近付くから、得られる性感も質が良くなるんだな。
パフェの器は、すっかり空っぽになっていた。