第1章 第1話
文字数 462文字
憂鬱だ。ああ、憂鬱だ。
先日、里奈から、
「なんか出来ちゃったっぽいよー あ、もちろんケー君の子供だし。ぜったい産むし。」
と言う衝撃的な告白をされたからなのか?
最初は週二回だけだった塾の講師のアルバイトが、気がつくと週五回になり抜けようにも抜け出せなくなっているからなのか?
親父が会社の出世競争にしくじり地方の子会社に飛ばされて、一人暮らしの俺への仕送り額が半分以下になったからなのか?
それとも、今年も『記録的』と言われるこの夏の暑さのせいなのか……
その親父から二十歳のお祝いに譲り受けた車を運転しながら俺は一人憂鬱に浸る。カーナビに言われるがままにハンドルを動かしているので、今何処を走っているのかイマイチわからない。
仕送りの件は塾講のバイト代が想定外に多いため全く問題なかろう。
週五に増えたバイトは週六に増やされないようになんとか塾長らと交渉していくしかあるまい、大学の授業に差し支えるからとか何とか言い訳でもして。
このクソ暑さは誰のせいにも出来ない。車のエアコンを更に冷やす。
問題は、里奈の件だろう。
先日、里奈から、
「なんか出来ちゃったっぽいよー あ、もちろんケー君の子供だし。ぜったい産むし。」
と言う衝撃的な告白をされたからなのか?
最初は週二回だけだった塾の講師のアルバイトが、気がつくと週五回になり抜けようにも抜け出せなくなっているからなのか?
親父が会社の出世競争にしくじり地方の子会社に飛ばされて、一人暮らしの俺への仕送り額が半分以下になったからなのか?
それとも、今年も『記録的』と言われるこの夏の暑さのせいなのか……
その親父から二十歳のお祝いに譲り受けた車を運転しながら俺は一人憂鬱に浸る。カーナビに言われるがままにハンドルを動かしているので、今何処を走っているのかイマイチわからない。
仕送りの件は塾講のバイト代が想定外に多いため全く問題なかろう。
週五に増えたバイトは週六に増やされないようになんとか塾長らと交渉していくしかあるまい、大学の授業に差し支えるからとか何とか言い訳でもして。
このクソ暑さは誰のせいにも出来ない。車のエアコンを更に冷やす。
問題は、里奈の件だろう。