ガルバロア

文字数 2,791文字

【キャラクターファイル】

名前:ガルバロア
変身者:ケイン・カロフ
人種:ドイツ人
魔魂:フランケンシュタインの怪物
登場作品:『魔戒(まかい)戦隊(せんたい)エクスロア』


性格:
誠実な人柄でストイックな研究肌。
暇さえあれば何かしらの研究開発に没頭している。
反面、価値観に於いて視野狭く陥る事もあり、また弱腰に消極的な面も見受けられる。
人間時代は〈ロボット工学科学者/サイバネスティック技術開発者〉であった背景から、科学的アプローチに於いては頼もしい知恵袋と存在感を発揮する。


武器:
●ボルトブレイク:超電圧鉄拳
●操電能力
●カースブースト:蓄電性質から雷雨とは相性が良く、その環境下では能力が数倍化する効果を得られるが、使用後数日は長期昏睡へと陥ってしまう。


特徴:
伝説の科学怪物〈フランケンシュタイン・モンスター〉の呪いを宿した〈魔戒戦士(エクスロア)〉。
非常に頑強頑健な戦士であり、その怪力も相俟って肉体能力は〈魔戒(まかい)戦隊(せんたい)〉随一である。
電気を吸収蓄電する事で魔力還元でき、また操電能力をも備えている。

人間時代は〈ロボット工学科学者〉であり、次世代の義手義足や人工臓器の開発に終始。
サイバネスティック技術の開発者としては、無名ながらも隠れた一流人材であった。
自らを実験台とした新開発技術試験の最中、落雷にて過剰な電圧を浴びる不慮の事故に見舞われるが、それは偶発的自然現象ではなく〈フランケンシュタインの怪物〉の魔魂による憑依現象であった。
しかしながら、この怪物は友好的思想の持ち主であり「魔界からの悪意から人間を守護したい」という申し出から魔魂内包共存という特異存在へと新生した。
他の魔魂と比較して稀有な性質だが彼の内在魔魂は友好的価値観に在り、人間を守ろうと戦い続けている。


解説:
最初期は緑色で名前も〈フラングリーン〉でしたが、後に青色変更で〈フランブルー〉となる……も、やはりしっくりせず、赤担当が〈ブラッド〉という〝キャラクター象徴ネーミング〟になった事から「フランケンシュタインといえば〝電気起因生命〟か」と思い直し〈サンダーロア〉とする……も、チト森羅万象過ぎて物々しい印象にもなったので少し矮小化して『ガルバーニュ電流:生体電流』から現命名となりました。この『ガルバーニュ電流』は原作『フランケンシュタイン』に於いても生命萌芽基礎理論に用いられている要素ですから相応しいかと。
何故、青色になったかといえば、初期段階から(両天秤構えながらも)五人体制を構想していて、そうなると五人目は〈水棲のアイツ〉になる事が明白だったからです。
ですが、当初はコチラを〝グリーン〟にして、アチラを〝ブルー〟とするつもりでした。
モチーフモンスター〈フランケンシュタインの怪物〉は緑体色のイメージが一般定着していますし、多くの『モンスター=グリーン』という漠然とした先入観のルーツにして代名詞的存在ですから(ちなみにこれは『モノクロ映画』故に発生した根拠不明なイメージであり、正しくは映画版といえども普通の肌色のようです)。
ですが、先述の理由から〝ブルー〟へと変更……とはいえ〝ブルー〟には古今東西に於いて〈死人返り〉のイメージも強いですから、この変更処置はあながち間違いでもないと思っています。

このキャラクターまでは〈人面型〉での意向に試行錯誤しています(詳細は『キャラクターファイル:ブラドロア』参照)。
ほぼ〈ブラドロア〉と平行的に意匠模索をしていましたね。
ただし、コチラは〈ブラドロア〉とは逆に〈人面型〉でしっくり纏まっていました。
ところが〈ブラドロア〉が〈カラーゴーグル型〉と固まった事で、それに合わせたデザイン再模索へと突入した逆経緯にあります。
で、そうなると逆にコチラの新デザインが固まらず、相当試行錯誤する羽目になりました。
そもそも〈フランケンシュタインの怪物〉は〝不気味な縫合死体〟という特性が最大のアイデンティティであり、ともすれば〈吸血鬼:コウモリ〉〈狼男:狼〉のような〝具体的象徴モチーフ〟が存在せず、せいぜい〈雷/電気〉しかない。
しかし〈雷/電気〉だけで押すと〈フランケンシュタインの怪物〉として伝わり難いのですね……やはり〝不気味な縫合死体〟という要素の方を前面にしないと伝わらない。
苦肉案ですが額部を別パーツ処理にして〝脳解剖〟を想起誘発し、同じく赤ラインを〝縫合痕〟と想起誘発させる実験的意匠にしてみました。
また〈T字型カラーゴーグル〉は言うまでもなく〝目鼻〟を表していますが、同時にゴーグル下部(頬上部)に据えた別カラーゴーグルは〈フランケンシュタインの怪物〉特有の〝虚ろ瞼の目〟を落としたもの。
つまり〝目〟に該当するパーツが二種据えてあり、これは〝どちらに意識を傾けるかで印象が変わる〟という私特有の定番意匠。
これ以前にも〈妖滅(ようめつ)戦隊(せんたい)カルマージャ〉から織り込んでいたコンセプトでしたし、もっと言えば〈魔女帝ジャシス:『可憐(かれん)戦隊(せんたい)オトメイザー』〉もそうでしたから、別に〈ガルバロア〉が初ではありません。

ちなみに人間名は、古典映画にして原典たるユニバーサル社作品『フランケンシュタイン』にて〈フランケンシュタインの怪物〉を演じた名怪優〝ボリス・カーロフ〟から。
それに〈フランケンシュタイン〉の〝ケン〟を頂き、更に西洋韻強調で〝ケイン〟としています。
実は企画段階では〝従来通り日本人による戦隊〟という案と〝海外舞台なので外国人による戦隊〟という案で定まらず両天秤構えでした。
本作品は『妖滅(ようめつ)戦隊(せんたい)カルマージャ』と平行時間軸の世界観であり、日本でカルマージャが妖怪相手に戦っている一方で、海外では彼等〈魔戒(まかい)戦隊(せんたい)〉が西洋妖怪を相手取っているという図式。
ですから〝外国人による戦隊〟の方が正解なのですが、そうなると『パワーレンジャー』臭の方が強くなる。
一方、この設定で〝日本人による戦隊〟だと国産特撮にありがちな〝無理してグローバル感を演出している安いサブさ〟にも映る。
悩んだまま両天秤に作業を続ける中で〝日本人設定〟もあり、その時の名前が〝風頼(ふうらい)(けん)〟だったんです。
うん〝ふらんケン〟じゃなくて、少し捩って〝ふうらいケン〟。
国産作品で〈フランケンシュタイン〉に人間名を据える場合、多くは〝ケン〟を男子名と見立てて〝ふらんケン〟とします(ドラマ版『怪物くん』や『フランケンシュタインの恋』……何より代表的なのは『鉄人28号』の〈不乱拳博士〉)。
この直球ネーミングはあまりにも定番流布しているので避けて〝風頼(ふうらい)(けん)〟とアレンジしました。
で、晴れて〝外国人戦隊〟と固まった現在、名残として流用したのです。 

堂に入ったスーパーヒーロー然と成立させるには、かなり難易度の高いモンスターでしたね。
実際のところ〈フランケンシュタインの怪物〉として感受できるかは未知数ですが、少なくとも〈独創性の高いスーパーヒーロー〉としては完成されたと思っています。




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