悪路王

文字数 1,333文字

【キャラクターファイル】

名前:悪路王(あくろおう)
異名:
〈アルテイ〉〈高丸〉〈アブラ王〉等……。
( ※ 本作では非採用)
種別:鬼/本作での異名は〈鬼導師(きどうし)
出典:岩手県伝承、及び、東北伝承。
また『吾妻鏡』『大日本史』『日本後記』『日本略記』『諏訪大明神絵詞』『田村草紙:御伽草紙』『鈴鹿草紙』『田村三代記』等、多岐に渡る民俗文献に登場。
上記文献はいずれも同一物語のヴァリエーションであり、多くは〈大嶽丸(おおたけまる)〉〈鈴鹿(すずか)御前(ごぜん)〉〝坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)〟と共に登場するが、文献毎に物語内容&展開&登場人物の名前や設定が異なっている(本作では統括的に混合してモチーフ化している)。
登場作品:『天上 (てんじょう)天下(てんげ)大剣斬(だいけんざん)


性格:
狡猾非情にして慎重な策士。
感情に呑まれる事も無く、虎視眈々と状況を窺い見極める知恵者である。
一方で実戦能力も高く、強大な妖力は実力主義の〈鬼〉達を黙らせるほどの脅威。
その実力は、人間サイズながらも巨大妖神〈大剣斬(だいけんざん)〉を翻弄して善戦出来るほど。


武器:
●規格外に高い妖力
●念動波や衝撃波、落雷召喚など様々な妖術
●浮遊飛行能力
●その妖力の高さから、巨大妖怪〈大妖(たいよう)〉を顕現させる儀式妖術『大妖(たいよう)召喚』を単身で行使可能


特徴:
伝承に在る鬼(本作では鬼人)であり、かつては鬼神〈大嶽丸(おおたけまる)〉と共に〈鬼〉を束ねて三重県鈴鹿山(すずかやま)を根城としていた。
その際〈妖刀・剣斬(けんざん)〉を携えた英雄〝坂上田村麻呂(さかのうえたむらまろ)〟によって〈大嶽丸(おおたけまる)〉は討伐され、鬼群も壊滅の憂き目に遭っている。
そうした遺恨から〈妖刀・剣斬(けんざん)〉及び〈妖神・大剣斬(だいけんざん)〉を固執的敵意対象と警戒視している。

※ 本作にて狙ったのは『勇者ライディーン』に登場した〈プリンス・シャーキン〉──牽いては『超電磁シリーズ』に登場した〈悪のプリンス〉路線──の妖怪版であり、それ(ゆえ)に〝口元のみ露出した仮面顔〟となっている。
また、同理由から何かと雄々しく高笑う。


解説:
古今東西の〈鬼〉を結託させ、連盟組織〈覇獄同盟群(はごくどうめいぐん)〉を発起した鬼人。
同時に、同組織の盟主でもある。

現世を〝鬼が支配する理想郷〟と化すべく暗躍し、その為の切り札となる最強鬼神〈大嶽丸(おおたけまる)〉を復活させんと〈大嶽丸(おおたけまる)の首〉を捜し求めている。
此処で着目すべきは、彼の目的は〝人間を淘汰滅亡させる事〟ではないという事。
彼は〈妖怪〉が〝人間の負念〟無くして存在出来ないという連鎖関係を熟知しており、ともすれば〝人類滅亡〟が〈妖怪〉の衰退へと直結している事も承知している。
この鬼人が想い描く〝鬼が支配する理想郷〟とは、即ち〝地獄絵図の現世顕現〟であり、つまりは〈鬼〉と〝人間〟のパワーバランスを逆転させて支配する事なのである。

直情恣意的な主人公〝御剣(みつるぎ)刀志郎(とうしろう)〟の事は低俗野蛮な愚物と蔑視しているが、反面、予測外の言動で戦況すら覆す未知性に対しては決して慢心も油断も抱いていない。
また、伝説の妖神〈大剣斬(だいけんざん)〉に対する警戒心も強く、それを屠る最終兵器としても〈大嶽丸(おおたけまる)〉の復活を切望している。
しかしながら、それは無自覚な宿敵意識の萌芽であり、やがては御剣(みつるぎ)刀志郎(とうしろう)を無二の好敵手として自覚するに至る。

「欲望こそが〈鬼〉たる根源……欲望へ呑まれし者こそ〈鬼〉と成りける! だが……御剣(みつるぎ)刀志郎(とうしろう)! 貴様は〝何〟なのだ? 万事、己が欲に溺れながらも〈鬼〉と堕ちぬ貴様は!」





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