作品紹介:姫麗戦隊アイレジナー

文字数 3,454文字

【作品概要】

遥か彼方の次元宇宙に存在する平和な世界〈ドリムテイル〉が、凶悪な〈次元界賊アークレイツ〉に襲撃された。
欲望のままに略奪と破壊を欲しいままにせんとする〈次元界賊アークレイツ〉は、人々や文明を黄金像化して収集していた。
その手口は、人間の悪を誘発活性化させて〈心〉そのものを手下怪人〈マクルー〉へと具現化し、抜け殻となった肉体の方は黄金像と変質させる悪質にして恐るべきやり方──これにより〝戦力〟と〝お宝〟を同時に掌中とするのである。
そして、最終的な狙いは〝惑星そのもの〟の黄金化!

ドリムテイル王女〝マリア〟は伝説の聖姫(せいき)戦士(せんし)〈アイレジナー〉に変身して激戦を繰り広げたが〈次元界賊アークレイツ〉は最終作戦『惑星黄金化大計画(プラネットゴルドライズ)』を決行。
この未曾有(みぞう)の大災厄を封じるべく聖姫(せいき)エナジー〈レジナーフィール〉を全開放するマリア!
結果〈次元界賊アークレイツ〉を退けたが、同時に〈レジナーフィール〉も次元散逸してしまうという痛み分けに……。
そして、ドリムテイルの万物も黄金化に眠り沈黙した。

そして、数年後──。

ようやく痛手から再起した〈次元界賊アークレイツ〉は、稀に見る美しい辺境惑星〈地球〉へと襲来!
またもや『惑星黄金化大計画(プラネットゴルドライズ)』へと向けた暗躍を開始した!
だがしかし、この地球にも守人がいた!
かつて分散した〈レジナーフィール〉を宿して生まれた新たなる〈アイレジナー〉が!
個々の能力では〈オリジナル・アイレジナー〉に劣るものの、心を合わせて発揮されるパワーはそれさえも凌ぐ未知数の〈プリンセス〉達!
斯くして〈姫麗(きれい)戦隊(せんたい)〉は誕生した!
悪の魔手から夢と平和を守るべく、彼女達は戦い続ける!
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【解説】

一応は〈凰太郎戦隊〉第五弾となりますが、同時に『可憐(かれん)戦隊(せんたい)オトメイザー』を起点とした〈美少女戦隊〉の第二弾としてもカウントできます。
実際、最初期は方向性も作品像も固まっていないまま主役作成に着手し、朧気ながら『可憐(かれん)戦隊(せんたい)オトメイザーR』として進められていました。
これは未定で確約できませんが『可憐(かれん)戦隊(せんたい)オトメイザー』を起点として継承した枝分かれ路線『美少女戦隊』を拡張展開しても面白いかと構想しており、その試験的作品として誕生した側面もあります。

コンセプトについては、かなり模索に苦しみました。
前述の通り『可憐(かれん)戦隊(せんたい)オトメイザーR』として続編意識に着手したものの「やはり別作品として確立した方がヴァリエーションとして世界観拡張が出来て面白いか?」と思い直して路線変更。
ですが〈オトメイザー〉があまりにも完成されきったデザインでしたので、それに代わるデザインがなかなか思い付かなかったのです。
方向性として〈オトメイザー〉と差別化されながらも根底を継承したものでなくてはいけません。つまり〝可憐さ〟と〝スーパーヒロインとしてのカッコよさ〟の共存内包です。
しかも、これは『アニメ系美少女戦士』ではなく『特撮戦隊』として感受できなければいけません。
また、差別化意向から伝家の宝刀にして〈オトメイザー〉最大の特徴であった意匠〈オッパイハート〉は禁じ手封印です。新たな特徴的意匠を模索しなければなりませんでした。
何回か稿を重ねるも「いま一歩足りず」といった感が続き、とりあえず打開策として基盤となる〈モチーフ〉を探す事となりました(此処が〈オトメイザー〉との差とも言え〈オトメイザー〉には具体的モチーフは存在しません)。
美少女戦士として堂に入ったモチーフを探る中で〈プリンセス/お姫様〉というコンセプトに着目して「宇宙プリンセスというのはどうだろう? 可憐にして威風もあるし」と閃く──デザインモチーフも〈プリンセスドレス〉を意識してアレンジする形に定まりました。
よくよく分析すれば見えてきますが〝肩露出型ドレス〟をモチーフとしており、この胸元から上腕までも大胆に開いた面積で〈オトメイザー〉のオッパイハート同様の〝サブリミナル煽情(せんじょう)効果〟も狙っています。その他〝長手袋&ニーソックス風ロングブーツ〟〝プリンセスコート型ベルト〟等も同様に清廉系フェチズム誘発を狙っています。
しかし、戦隊スーツのデザイン定石〝全身ボディースーツ構造〟〝単色系統カラーリング〟に当てはめると、どうしても〝華やかなドレス感〟は死にます。
そこで苦肉案として〝ミニスカ風パレオ〟を据えてスカート部をイメージ強調──同時にコレを半透過仕様にして〈戦隊スーツ独特のアクティブ感〉を殺さないように両立させてみました(透過処理をしないと『アニメ系美少女戦士』臭が強かったですしね)。
胸から大きく開いた金色の飾り帯も〝肩露出型ドレス〟にある定石意匠である縁部分を拡張アレンジしたものですが、実際にアーマーとして考えれば可動域を殺してしまうので現実的ではありません。ですが、見た目のインパクト優先に据えました。私のデザイン意向は『現実的か否か/成立するか否か』よりも『見た目にインパクトを誘発して個性付けに機能すれば善し』なので……。まぁ、おそらく〝硬質と軟質を両内包した未知金属〟なのでしょう(このように矛盾など後付けこじつけで何とかなりますし、その方が〝そのキャラクターならではの独自性〟として発揮されます)。
いずれにせよ、これらのパーツは〈オッパイハート〉とはまた違う〝姫麗(きれい)戦隊(せんたい)ならではの特徴的意匠〟として機能したと思います。本家戦隊では絶対にしないであろうパーツ処置ですが、あくまでも〈凰太郎戦隊〉なので──オリジナルであるならば、ある程度フォーマット崩しの挑戦意向をしなければ〝やる意義〟がありませんから。
ですが、完成してみると……う~ん?
私的に一番気にしているのは〈オトメイザー〉に比べて『戦隊』としての匂いがイマイチな点。
どちらかというと『アニメ系美少女戦士』の匂いが強いか?
あくまでも『特撮系美少女戦隊』の方向性なんですけど……。

ネーミングですが、まず『姫麗(きれい)戦隊(せんたい)』というのは語感通り「綺麗」との駄洒落も含んでいます。
前作が「可憐」でしたので、その華麗なイメージを継承しつつも似通った別単語で……と。
同時に字面通りに〝麗しいお姫様〟という意味もあります。
一見には冗談めいた宛字造語ではありますが、このように実はガチ発想w
それに発声の間抜けさに反して字面的には決まってますから。
そもそもこうした違和は触れている内に麻痺に希釈します。『可憐(かれん)戦隊(せんたい)オトメイザー』だって発表時は「思いっきりバカっぽいタイトルだけど受け入れられるかな?」と始めたものの現在では自然体に通ってる。
あの『仮面ライダー鎧武』『仮面ライダーエグゼイド』だって発表当時は「こんなん〈仮面ライダー〉として有りえねぇだろ!」と否定されながらも現在では「コレはコレでカッコイイ」ですからね……ってか、そもそも〝バッタ〟を「カッコイイ」ってスター的印象に摩り替えたのは『仮面ライダー』の偉業ですし。
ちなみに、この呼称以前は『可憐(かれん)戦隊(せんたい)』をそのまま継ぐ案もありましたね。

肝心のヒーロー名は、それこそ思い付きませんでした。
これまた『可憐(かれん)戦隊(せんたい)オトメイザー』というのは会心のネーミングでしたから。
コンセプトが〝お姫様〟になったという事で『オヒメイザー』というのもありましたが、字面的に『ヒ』が間抜けに映るので断念(語感的にはハマっているのですが)。
次は『姫』から捩って〈フィーメ〉とか〈フィメス〉とかがありましたね。ですが、コチラは逆に〝字面は善し/発声が呂律を殺してしまう〟という事で没。かといって〈プリンセス〉という単語は長すぎて造語化しにくい(理想は〈レンジャー〉みたいな共有単語)ですし、いざ各個人に使うとなれば『プリ(接頭語)』か『セス(語尾)』になりますから『セス』はともかく『プリ』だと『プリキュア』を連想させてしまう。
いろいろ模索する中でラテン語の『レーギーナ:姫』という単語に着目。コレは『レギーナ/レジーナ』とも呼ばれ……というか、こちらの方が流布定着しているようですね(『ドキドキプリキュア』の敵役王女〈レジーナ〉もココからです)。ただし〈レジーナ〉だと尻止めになり、韻的には良いもののヒーロー名としてはイマイチカッコよく映らない……そこで〈レジナー〉と造語アレンジしてみました。結構〈メイザー〉と並べても遜色が無い造語となったので満足です。

ともあれ〈オトメイザー〉同様に、ファンが悶々としたら成功……かな?w
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