魔帝バアル

文字数 2,749文字

【キャラクターファイル】

名前:魔帝バアル
種別:魔王/本作での異名は〝魔帝〟
悪魔学に於いては〈地獄の伯爵〉とも〈東の地獄の大王〉とも〈地獄の最初の君主〉とも称される。
また、別称ではないものの〈地獄の総司令官〉ともされている。
出典:悪魔学
登場作品:『魔戒(まかい)戦隊(せんたい)エクスロア』


性格:
三頭は同一人格ではあるものの各分担に三重人格にも近い個人と化している。
主体となる〈人頭〉は〝知略と策謀と判断決断力〟を担当している。
右側頭部の〈猫頭〉は〝凶暴にして癇癪的な攻撃性〟を露骨に吐き散らす。
左側頭部の〈蛙頭〉は〝達観依存の冷蔑な態度〟に相手を小馬鹿に据える。
これらはそれぞれ『人頭:欲望』『猫頭:残虐』『蛙頭:傲慢』を象徴しているとも云われているが真偽は定かに無い。


武器:
●規格外に高い魔力
●〈人頭〉は両目から光線を放ち、口から猛毒を吐く
●〈猫頭〉の叫び声は超音波攻撃と化す
●〈蛙頭〉は長舌を鞭と振るう
●冠部の〈蜘蛛〉は糸を吐き絡め、毒牙を刺し、八本の長脚は器用自在に動いて腕のような役割を果たす


特徴:
西洋妖怪や悪魔で構成された魔界侵軍〈エルサタン〉の首領。
魔界では66の軍勢を率いていた勇猛果敢な実力者。
魔界には数多くの〈魔王〉が在籍するが、この組織は〈バアル〉自身が『人間界への侵攻暗躍』を目的として設立した私兵軍団になる。
組織構成に於いて〈悪魔〉は魔界より選抜したが〈怪物〉は人間界に隠れ棲む者をヘッドハンティングにて召し抱えた。


解説:
本項に於ける設定は一部基礎設定以外は『魔戒(まかい)戦隊(せんたい)エクスロア』のオリジナル設定になります。
本来の『悪魔学』に準拠して書いた場合は相当な文量になるので『魔戒(まかい)戦隊(せんたい)エクスロア』に反映されていない設定はオミットしています。
御了承下さい。

この『魔戒(まかい)戦隊(せんたい)エクスロア』は『妖滅(ようめつ)戦隊(せんたい)カルマージャ』の西洋妖怪版というコンセプトなので、敵も当然ダイレクトな〈西洋妖怪/怪物/悪魔〉になります。
つまり、この〈バアル〉も伝承上に在る悪魔という事です。
一般には〈悪魔王〉というと〈サタン〉を想像し、或いは〈堕天使ルシファー/ルシフェル〉を想像し、はたまた或いはこの両者を同一存在とする趣にもあります。
で、その他の名立たる〈魔王〉は〈地獄の爵位〉として〈悪魔王サタン〉の配下と……つまり〈幹部悪魔〉とする定義が一般的な定着です。
〈ベルゼバブ/ベルゼブブ〉〈アスタロト/アシュタルト〉〈ベリアル〉等……怱々たる面子にして実力者ですが、これら総てが〈悪魔王サタンの部下〉という図式ですね。
この〈バアル〉も、そうです。
しかしながら各悪魔のプロフィールやバックボーンを鑑みれば、実は〈悪魔界〉の相関は、そんなに理路整然と単純化されたものではなく、もっと漠然曖昧としたもののようです。
つまり、こうした〈ショッカー組織的な理路整然化〉は〝データベース化を欲した人間側のこじつけ拡張〟の可能性も否めない。
この〈バアル〉にしても〝地獄の最初の君主〟という説もあり、また『バアル』から転じた語『ベル/バル』を冠した〈魔王〉も多い事から、そうした存在は〈眷族/派生魔王〉とも解釈される事がある(例〈ベルゼバブ〉〈ベルフェゴール〉等)。
そもそも『バアル』の語源意訳は、ズバリ『王』になります。
ともすれば〝原初魔王:原点〟とも捉えられる威風にも在り、到底〈幹部悪魔:サタンの部下〉なんてレベルでは収まろうはずもないと思います(これは他の〈魔王〉も同じ)。
そもそも〈サタン〉とは固有名詞ではなく『敵』を指す用語だったという語源説もありますからね。
だとしたら〈魔王個人〉ではなく〝〈魔王〉による結託組織名〟なのかもしれません……それこそ〈秘密結社ショッカー〉のように。
その解釈として本作品では〝組織名〟として起用しました。
敵組織名〈エルサタン〉とは『サタン:敵』+『エル:神の~』で『神の敵』を意訳としていますが、この『エル』は〈天使〉の名前に末尾付けされているものであり、即ち多くの〈天使〉が〈~エル〉という名前なのは『神の~』という意味になっているためです。

そうした〈魔王〉という威風から本作ではボスキャラ抜擢したワケですが、何故〈サタン〉〈ルシファー〉〈ベルゼバブ〉〈ベリアル〉といったメジャーどころではなくコイツに白羽の矢が立ったのか?
ひとつは先述の〈メジャー魔王〉は起用され過ぎて新味に欠けるからです。
この〈バアル〉も負けず劣らずの〈メジャー魔王〉ではあるものの、外見のグロ奇形さからかボスキャラとして扱うケースは皆無です。
もうひとつは、それこそ、そのグロ奇形外見に起因していて、つまりはインパクトの絶大さを買っての事です。
イメージソースとしては〈大帝王クビライ:『宇宙刑事シャイダー』〉や〈クライシス皇帝:『仮面ライダーBLACK RX』〉〈ドン・ホラーの首:『宇宙刑事ギャバン』〉等がありましたね……或いは微々とデザインコンセプトは異なりますが〈十面鬼ゴルゴス:『仮面ライダーアマゾン』〉とかですか。
つまり〝思い切り人型フォルムから外したボス〟がやりたかった。
ここまでのボスキャラは総て〝人型フォルム〟でしたから、本作品ならではの自由度で挑戦してみたかったんですね。

さて、デザインについて。
似顔絵は苦手な上に彩色したら線画よりも似なくなりましたが……今回は〝天本(あまもと)英世(ひでよ)〟をモチーフにしています。
うん〈死神博士:『仮面ライダー』〉で御馴染みの特撮名優。
これまで〝曽我(そが)町子(まちこ)〟〝(うしお)健児(けんじ)〟とやったので、そうなると是非とも落としたいぞ……とw
真っ青で巨大な天本(あまもと)英世(ひでよ)の顔が障気漂う闇にドデーンと浮遊する……とてつもなく不気味で怖いし貫禄充分!
それに〈バアル〉の伝承設定では『しわがれた声』とありますからマッチしています。
その他〈バアル〉の外見特徴としては〝男性人頭にヒキガエルとネコの頭が付いている〟或いは〝王冠をかぶった人頭の巨大蜘蛛〟という事ですが、この〝ヒキガエルとネコの頭〟という点は私のみならず概ね皆さん同じアレンジで左右に一体化させます(左右配置の明確な指定はありません)。
で『魔戒(まかい)戦隊(せんたい)版』の大きなポイントは〈蜘蛛〉で、多くのイラスト化ではコレを〝胴体〟と据えたアレンジが定石主流となっているんですが、私はコレを(ある種の)冠部と拡張解釈してアレンジしました。
独自性が欲しかったという理由もありますが、やはり〝浮遊首〟の方が威圧的貫禄に在ると思ったんですね。
蜘蛛ボディだと〝地に這う形〟になってしまうので、そうなると〈醜怪な大怪物〉という印象には在りますが〈魔王〉としての〝威風〟には欠けるかな……と。

そんな感じで諸々の意向や試行錯誤が織り込まれましたが、何にせよ、これまでとは異彩に在る〈首領〉が誕生したように思います。




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