魑魅魍魎

文字数 1,339文字

【キャラクターファイル】

名前:魑魅魍魎(ちみもうりょう)
山棲妖怪〈魑魅(ちみ)〉と川棲妖怪〈魍魎(もうりょう)〉から成る雑兵集団。
種別:低級妖怪
出典:民俗伝承
登場作品:『妖滅(ようめつ)戦隊(せんたい)カルマージャ』


性格:
一応、自我は備わっているものの、有象無象の消耗戦力であるために〈個〉を感受させるものではない。
ただし山棲の怪〈魑魅(ちみ)〉は猿の妖怪と思われ、攻撃的な性質に在る。
対して川棲の怪〈魍魎(もうりょう)〉は魚の変化と思われ、愚鈍な知性ながらも捕食本能には貪欲な傾向に在る。


武器:
●集団による物量押し
●山棲の怪〈魑魅(ちみ)〉は陸上にて俊敏性が向上する
●川棲の怪〈魍魎(もうりょう)〉は水中に於いて遊泳能力が如何(いかん)無く奮われる
●妖怪特有の神出鬼没性や幻惑系妖力も基礎能力として備わっている


特徴:
常人にとっては恐るべき妖異ではあるが〈妖怪〉としては低級の部類に過ぎないため、高位妖怪の魂を宿す〈狩魔者(カルマージャ)〉の敵ではない。
しかしながら、ゾロゾロと群と化して出現する集団性質は、足止めやスタミナ疲弊を促す厄介さにはある。
どちらにせよ組織にとっては使い捨ての消耗労力に過ぎない。


解説:
妖滅(ようめつ)戦隊(せんたい)カルマージャが戦う敵〈邪妖會(じゃようかい)〉の戦闘員です。
一般に〈魑魅魍魎(ちみもうりょう)〉と一括表現され〈妖怪〉を雑多的に呼称したものと使われますが、厳密には山棲妖怪〈魑魅(ちみ)〉と川棲妖怪〈魍魎(もうりょう)〉を並列表記で指したものです。
妖怪の最下級部類にして象徴的存在として〈魑魅魍魎(ちみもうりょう)〉を戦闘員と据える構想はあったのですが、通常の特撮戦闘員と異なるのは〝二種混在で出現する〟という点です。
また、低級とはいえ〈妖怪〉ですから常識無用の妖力を秘めており、そんじょそこいらの〈戦闘員〉よりは強いです。

この〈魑魅魍魎(ちみもうりょう)〉は〝山棲/川棲〟という点以外は謎に包まれている(というか詳細設定が無い?)妖怪ですが、本作では〝山棲=猿の変化/川棲=魚の変化〟としてデザインしています。
魑魅(ちみ)は〝猿の鬼人進化〟としてイメージし、同時に猿妖怪〈狒々(ひひ)〉の廉価版といったコンセプトです。
一方で魍魎(もうりょう)は〈半魚人〉とも〈河童〉とも異なるデザインを模索して、水棲象徴の〝ヒレ〟を思いきって目に据えるというハッタリをカマしました。結果として、この合理性ガン無視の異彩は〈妖怪〉としての説得力(不条理性)として発揮されたようにも思います。

本作『妖滅(ようめつ)戦隊(せんたい)カルマージャ』は『戦隊ヒーロー作品』であると同時に『妖怪退治もの』ですから、戦闘員とはいえ「ガチで怖い」という方向性で作っています。
はい、子供が本気で怖がるのが理想です。
やはり『本当に怖い存在』を退治してこそ〈正義のヒーロー〉としてのカタルシスが活きると思うので。
とはいえ〝やり過ぎたグロテスク〟であってはいけない。それじゃ、ただの〝猟奇嫌悪〟でしかない。
同時に〝異形に対する好奇心を誘発する存在〟でなければ。
水木しげる御大は「オバケは怖いものじゃありません。オバケは楽しいものです」と唱っていた。
つまりはそういう事。
ゾンビホラーやJホラーのような悪趣味な方向性ではなく、あくまでも〈妖怪〉は〈オバケ〉なワケです。
で、昭和型特撮怪人は、その方向性に在った。
本作で狙っているのは、そうした〈昭和型怪人の遺伝子/近代型アレンジをテクスチャーとした妖怪〉という事です。
とはいえ、その微妙な線引きが、なかなか難しくはあるのですが……。



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