エンシェントロア

文字数 2,819文字

【キャラクターファイル】

名前:エンシェントロア
変身者:レオナ・フェルネ
人種:フランス人
魔魂:王家の呪い
登場作品:『魔戒(まかい)戦隊(せんたい)エクスロア』


性格:
資産家の娘という環境に育ったせいか些か自尊心と気ぐらいが高い。
しかしながら、それは単なる傲慢に非ず、凛然とした気高さと表裏一体とも呼べる。
従って心底には慈愛が敷かれており、子供や弱者へと向けられる微笑みは柔和な物腰を垣間見せる。


武器:
●イシスアイ:混乱や幻惑を課す胸部魔眼念波
●多彩な呪術
●カースブースト:呪印と呪言を用いた即興呪術儀式により能力が数倍化する効果を得られるが、長時間使用は〈太古の呪念〉に心を呑み込まれて魔性と堕ちる危険性を孕む


特徴:
古代エジプト王家の呪いを宿した〈魔戒戦士(エクスロア)〉。
肉弾戦では劣るものの呪術行使に於いては突出しており、変幻自在な戦局を作り出せる。
一方で〈火〉と〈水〉には滅法弱く、これらの戦況に直面すると恐怖症と呼べるほどの忌避心理に陥ってしまう。

父親は資産家であり『古代エジプト遺跡の発掘調査』へと出資していた。
長年の成果として大きな発見を得るも、それは同時に〈王家の封呪〉を解く禁忌でもあり、その〈呪い〉は生まれたばかりの彼女に取り憑いてしまう。
自身の内に〝異質〟を実感して育った彼女は、やがて独学研究にてオカルティズムへと精通していく事となる。
そして、大きな災厄が迫っている事を覚り、自身も〈魔戒(まかい)戦隊(せんたい)〉を結成したのである。
しかしながら、内在魔魂は主導権逆転の腹に秘めており、利害一致に協力しつつも彼女の魂を闇深い那由多に封じようと好機を伺っている。


解説:
当然ながら四人目は〈ミイラ男〉となるのですが、同時に以降のメンバーは女性と確定しており、それだと〈ミイラ男〉とは呼べない……かといって〈ミイラ女〉では締まりませんし美的印象も損なわれる……という事で〈古代エジプト王家の呪い〉を宿した〈魔戒戦士(エクスロア)〉としました。
これは主柱小説『闇暦戦史:輪廻(りんね)呪后(じゅごう)』の主役〈呪后(じゅごう)〉と同じ発想で『ミイラ映画』の異端にして秀作『王女テラの棺』から来ています(大好きな『ミイラ映画』なので)。
名前は〈古代エジプト〉を集約象徴した言葉『エンシェント:古代』としました。
他候補としては〈ミイラ男〉から連想させる要素〈王家の呪い〉から『カース:呪い』という言葉も思い浮かべたのですが、本作で『カース』は諸々の共有単語として使われているので(『カースブースト』とか)やむなく却下……コイツだけ〈特別な存在〉みたいになってしまいますしね。
人間名の方は、やはり『王女テラの棺』主演女優〝ヴァレリー・レオン〟から捩って〝レオナ〟とし、そこに古代エジプト女王〝ネフェルティティ〟〝ネフェルタリ〟辺りからエジプト女性名を着眼して『ネフェル:遠方から来た』という語を頂いて『フェルネ』とアナグラム化に据えました。
とはいえ『遠方から』という意は反映しておらず、重視した起用理由は単純に語感です。

設定を読むと「ん?」と思うでしょう。
実は〈魔戒(まかい)戦隊(せんたい)〉を組織として設立したのは、彼女です
魔戒戦士(エクスロア)達は既に各地で自然誕生していましたが、そうした個人をヘッドハンティングにて〈戦隊〉として纏めたのは彼女であり、従って本作に於けるウェイトはかなり大きいキャラクターと言えます。
つまり〈魔戒(まかい)戦隊(せんたい)エクスロア〉は〝フリーダムな各個人が目的意識に徒党と集ったインディーズチーム〟ではなく、キチンと〝規律然とした組織システムを敷いたエキスパートチーム〟なワケです。
この辺りは本家でも二分されるスタイルですが、前者は『魔法戦隊マジレンジャー』『激走戦隊カーレンジャー』『高速戦隊ターボレンジャー』『地球戦隊ファイブマン』『恐竜戦隊ジュウレンジャー』等ですか。後者は『特命戦隊ゴーバスターズ』『鳥人戦隊ジェットマン』『特捜戦隊デカレンジャー』『バトルフィーバーJ』何よりも『秘密戦隊ゴレンジャー』が挙げられます(してみると『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』は両タイプ戦隊が対立する図式で、やはり異端に面白い)。
過去の『凰太郎戦隊』ならば〈幻装(げんそう)戦隊(せんたい)エルファンサー〉〈可憐(かれん)戦隊(せんたい)オトメイザー〉〈姫麗(きれい)戦隊(せんたい)アイレジナー〉が前者で〈妖滅(ようめつ)戦隊(せんたい)カルマージャ〉〈超機(ちょうき)戦隊(せんたい)ギアテクザー〉が後者……そして、この〈魔戒(まかい)戦隊(せんたい)エクスロア〉も見た目の混沌然とした印象に反して後者です。
後者戦隊の場合は強大な組織力が後ろ盾となっていますから、科学技術面や諜報網といったマンパワーが如何なく奮われ、また潤沢な資金面から財政的な苦難には在りません。
本作では彼女の財閥が全面的バックアップを努めており、そうした背景から彼女は〝半司令官〟のようなポジションにも預かっています(とはいえ、あくまでも〈チームリーダー〉は〈ブラドロア〉であり、この辺りは〈ブラドロア/実践指揮官〉〈エンシェントロア/スポンサー権限〉といった対比です)。

デザイン面に於いてはモチーフモンスター最大の特色〝全身包帯巻〟を意識して横ライン多用をベースにボディボーダーや二層ゴーグルと意外と凝っています。
そして、頭部側面は〝垂れ下がった包帯〟と同時に、古代エジプト女王のマスト髪型であるボブカットも意匠表現。
決めポーズは原典『ミイラ再生』の〝発掘時のシンボリックポーズ〟からアレンジしたものなんですが……このイラストでは失敗とも言える部分があり、胸部意匠が隠れてしまいました。
実は胸部には〝エジプト壁画風単眼〟がドデーンと据えられており、そこから〈呪力/思念波〉を発する設定なのです。

さて、毎回そうですが、本作も「五人編成にするか三人編成にするか」で悩んだまま両天秤で描き進めました(第三作目『超機(ちょうき)戦隊(せんたい)ギアテクザー』以降は)。
私的に、やはり〈戦隊〉は『五人編成』の方が好きですし、そうありたいのですが、描き上げるのが大変なんですよね。
なのでスタート期は、とりあえず最低限の体裁が整う『三人体制』で公表するのですが、四人目追加は同時に『ラスト五人目まで描かなければ成立しない』という確約宣言と同義の鬼門でありターニングポイントです。
しかしながら本作は当初から『五人体制にしたい』という意向が強く働いており、また、その段階から『四人目は〈ミイラ〉モチーフのヒロインで黄色担当』というのも決まっていました。

とはいえ、このキャラクター着手時は少々奇縁な流れにも在り、主柱小説『闇暦戦史』が〈王家の呪い〉をテーマとした『輪廻(りんね)呪后(じゅごう)』を展開中──『可憐(かれん)戦隊(せんたい)オトメイザー』ではラスボス〈魔女帝ジャシス〉が〈エジプト女神イシス〉をモチーフ──厳密にはエジプトモチーフではないもののデザイン的には〈魔女帝ジャシス〉の沿線上に在る〈金翼(きんよく)堕天使(だてんし)リヴェンジェル〉が誕生────と、立て続けに『古代エジプト/王家の呪い/ミイラ』をモチーフにしたキャラクター増産が集中しました。
……〈呪后(じゅごう)〉の〈呪い〉でしょうかw




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