29話 続・煌の奮闘物語!ティアラとごちゃイケボーイズ!
文字数 2,520文字
ごちゃエピ学園3階廊下。
煌は学園のどこかにあるVIPルームを探しながら走っていた。
悪かった!悪かった!!
な?この通り、メンゴメンゴ!!
ふん。そうとも!
五智谷高校の七つ子で、金持ちの……って、なんで知ってんだ?
さてはウチの金が目的の不審者か!?
んなわけあるか!
オレっちは一ノ瀬煌!どんなかわい子ちゃんも一目惚れしちまう、罪大きイケメンよ……!
だから、どんなかわい子ちゃんもお胸がキュンキュンしちゃう、一ノ瀬――
ん?なんでそんなに……
ってか、キミも五智谷市の人なんだな?
ってことは異世界人か!
良かった!なぁ、五智谷高校に通ってた一ノ瀬ティアラっつう女子高生を知ら――
え!??まさかティアラのにーちゃん!?は!?にーちゃんいたの!?
あぁいや、こっちこそ悪かったよ。まさか出会い頭でぶつかるなんて思ってなかっ――
【姫川真衣】
ヤッバ!テンパった!!
ウチは真衣!姫川真衣(ひめかわまい)ッス!
五智谷高校2年!七つ子の次女!
黒岩芽依、一ノ瀬星は友達!
天導雷香、星乃未来はカワイイ後輩っつーかなんつーか……
ちょっ……ちょっと待ってくれ?
あ〜情報量が多すぎて理解が追いつかないんだが……
まず、キミの名前は姫川真衣で〜
黒岩芽衣(くろいわめい)は友達〜。
確かパイナップル頭のオレっちの相棒の妹だよなぁ?
【メイ】
『ウチが妹。
赤いおっさんと青いおっさんに会ったぞ!覚えてるよな?』
うん、ライカちゃんと未来っちが後輩。なるほどなるほど。
オレっちが今探してるワガママな妹、一ノ瀬ティアラの友達なんだな!
やっと理解できたぜ……顔広いんだなぁ。
なんてったって女子高生ですから!
いやぁ、それにしてもまさかお兄さんだったなんて!
そんなにかしこまらなくてもいいよ。
妹はティアラで、オレはキララ。
かーちゃんはミルキー、とーちゃんはライトっていうんだ。
変な家族だろ?
えっ。どこでその話を?
まさかアイツ、喋ったのか……?
ええと、確かあの時はメイとティアラとファミレスにいて……
――日本。五智谷市。
ファミレス。
ステーキにハンバーグ、スパゲティにポテトフライ、パフェにケーキ。
4人用のテーブルに並ぶ豪華なメニューの写真を撮り、目を輝かせる少女がいた。
『平気平気。ウチ、お金あるし。
メイも好きなもの食べていいよ?』
『映え、ねぇ……
真衣もこういうの、やったりするのか?』
【真衣】
『ウチはやんないかなー。
この子の食べっぷり見てる方が楽しいし!』
『それにしてもすげぇ食うよなぁ……
どんだけ腹減ってんだよ……』
【真由】
『うん♪私達のおうち、いくらでもあるから♪』
『ねぇ、あなたもお金持ちなんでしょう?名前は?いくつ?』
『あらあら♪食べてる顔、かわいい♪
私、女の子大好きなんだー♪写真いいかな?』
『ねぇメイ、この子の名前知ってるんでしょ?教えてよ。』
『ティアラ。
一ノ瀬星(いちのせ ティアラ)だよ。』
『もうないの?
そんなのイヤ!このお店、ウチが買収してすぐ食べ物出てくるように改造する!』
『はっ……?
え、買収?買いとるってこと?
ってか一ノ瀬って確か……』
それで、お兄さんは何を……
あっ。さっき探してるって……。
そうなんだよ。
もしかしたらだけど、このへんちくりんな学校にアイツがいるかもしれないんだ。
VIPルームっていう部屋を探してるんだけど……。
いやぁ、実はオレこの学校から脱出しなくちゃいけなくてさ。その鍵を妹が持ってんだよ。
……真衣ちゃん。ここまでありがとな。
もしまた日本で会えたら妹で遊んでやってくれ。
すげーワガママだけどわりぃ奴じゃないんだ。頼んだぜ。
もちろんッス!!お兄さんも一緒に遊びましょう!!
約束ッスよ!!
大きく深呼吸をする煌。
カードキーを通し、赤いランプが緑のランプに変わる。
煌は全力で扉を開け、大きく叫ぶ。
ティアラ!!鍵をよこせええええええええええええええええええ!!!
【藤崎勇輝】
あ~あ、至福の時間を邪魔されちゃったねぇ。
ちょっとタ・ン・マ☆
【大文字ヤマト】
姫、怖くないよ。大丈夫。
今追い返すから安心してくれ。
【後藤ケバブ】
デュフフ!この女の子が好きなスイーツを当ててみよう~!
……あ?ちょっとちょっと、今撮影中!!
ワイの事知らんの?バーチャルユーチューバーやぞ
ゴラァ!!
【一ノ瀬星】
なに〜?ウチ今、ケーキ食べてるんだけど?
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