21話 ドゥーン&パンザレスVSジルード&ジラード!戦いの幕開け!
文字数 4,952文字
アクスビット。
海底洞窟。
ノア組、ライカ組は合流し、お互いの起きた事を話し合っていた。
ジョーカーという帝国の幹部を探しているようだった。
ドゥーン!聞いてくれよ!
そのアンバーっていうヤツに本名で呼ばれたんだ!
あぁ…脳内エコー余裕だぜ…ミステリアスなイイ男だった……yeah……
だが女の子もイイ!特にいい匂いする女の子は格別だぜぇ〜!
はっはっは!お前すごい格好してるなぁ!コスプレか?コスプレなのか〜?
それがさぁ、スタイルには自信があるんだよなぁ〜!あたしのスリーサイズは上から――
恥ずかしいなんて久しぶりに聞いたなぁ!今さら気にしないぞー?
それともなんだ?普通はイヤーン❤︎ってくねくねするもんなのか〜?
パンザレス、お姉様はデカいだけじゃないんだ!本当にカッコいいんだぞ!
ファルガ・ルーバー……ジョブは海賊、コレクションを集めてるのか……
なんであたしの名前知ってんだ?コレクションの事まで……?
私は異世界人。
スキルを持っていて、指定した者の名前、ジョブ、武器、おおよその現在位置などがわかるんだ。
ファルガ姉さん!ボクのスキルは「魂の歌」っていって、ゾンビを元の姿に戻す力が――
おいパンザレス!抜けがけは許さんぞ!ミーにも分身を召喚する力があるんだからな!!
異世界人さんって不思議ですよね……ライカさんのスキル、便利そうです♪
確かにそうだが、実は私のスキルは劣化版でね。細かい所まではわからない制限付きなんだ。まぁ、「お下がり」みたいなものだからな…。
お下がりってことは父ちゃんか母ちゃんもスキルを持ってんのか?親子揃ってすごいじゃないか!
えっ。ライカちゃんの母ちゃんもこの世界にいたのか!
ふふっ。母さんは変わり者でね。
学校にお弁当を忘れる事が多くて、届けに来てくれるんだが……クラスメイトや先生からは「登場の仕方がヤバい」なんて言われて、好評だったんだ。
『お前の母ちゃん、壁から半分だけ顔を出してるぞ!超怖え!』
待てよ?アニメのタイトルにできるんじゃないか?
えーとえーと…ひらめいた!!
「顔芸ママは鬼娘と静かに暮らしたい」!!!
何か言って!?
ほらほら、いつものツッコミは!?ライカ様のツッコミは~!?
はははは!おもしろいなドゥーン!!なんだそりゃ!!あははははは!
どこがだ!まだソフィーの母親を助け出すのは終わってないんだぞ!
まぁまぁ怒んなって!
ライカ、それからドゥーンとパンダみたいなヤツからすれば”この世界”は異世界の冒険なんだろ?だったら楽しいことは楽しむ!おもしろいことは笑う!戦いだって楽しめばいいじゃねーか!暗い顔して戦ったってつまんねーだけだぞ?
ワオ。まさかの助け舟!まさに慈悲深き女神!Yeah!
パンザレスで~す!
マイネーム イズ パンザレス!フローム ジャパン!
あたしだってそうよ?
ジルードとジラードっていう兄弟を追ってここまで来たけど、本当はあんなんじゃないし心配なんだよね。お節介かもしんないけど元に戻してやりたいし、あの兄弟を追ってる今の状況も楽しい。アーリーナイト城からはるばるこんな所まで来たんだ、次はどこに行くんだろうなってワクワクする。
それに昔、この町を出て海賊やってる間ろくでもない奴に会ったりもしたけど、みんな死んだような目してるんだよ。「このアクスビットの外ってどんな奴らがいるのかなー」って楽しみにしてたけどもう期待外れ!
だけどそんなかで星乃未来っつうアイドルがいてよ。ちょっと噂を聞いたんだが、異世界人らしくて、自分の知らない世界じゃないのになんであんなに笑えるのか不思議だったんだが、この世界を楽しんでるんだろうなって思った。すげーよな!
ん?もしかしてらいちゃんの事?あの子ボク達と同じだったのか!ファンなのに気付かなかったわ!
あほんとだ。現実世界にいそうな名前だ…じゃあ星乃未来って本名なのか!
未来は私の友達だ。
未来は五知谷市の中学生。私は五知谷市の高校生。よく家で遊んでたよ。
ええ!?母親が顔芸、友達がアイドル!?ライカちゃんの繋がりってすごいな!どうなってんだ!?
マッマジイイイイイイイイイイイイイイイイ!?お友達!?
ってかボク達も五知谷市出身なんだけど!五知谷市ってすごいなぁ!何かあるのか!?
…はぁ…。わかったよ。
ドゥーン、パンザレス。これからもボケてくれ。精一杯のツッコミをお見舞いしてやる。覚悟しろよ?
「ボケてくれ」ってなんだか老けたみたいだなぁ…まだ25だぞ!
メガロアーク、2人の股間の〇玉を五知谷まで飛ばせ。
待ったなし!!!
【ドゥーン&パンザレス】
ぎょえええええええええええええええええええええええええええ!??
クソ!なんなんだあいつは!ただでさえ最深部にたどり着くのが面倒だってのに邪魔しやがって!
いいじゃないか。あの大岩はもう無い。このまま最深部まで行って財宝を奪ってやろう。
兄さんは優しいな。絶対に”あいつ”を殺してやろう。全てオレ達兄弟の物だ!
そうだな。僕達に闇の洗脳など効かない。
諦めるんだな。ジェイ――
わかっていたよ。
だが諦めるがいい。お前の体を離れた闇は消した。
そうだな。自我を持った闇にはハズレがある。すぐにわかった。
まさか、オレ達に宿らせた闇が1人じゃないと言いたいのか?
それなら知っているさ。クソババアから奪ったこの武器で焼き払ったからな。まさか10体もいるとは思わなかったよ。
ジェイドさん。悪いですが僕達は僕達自身の意思であなたを殺し、財宝を手にします。
不気味に笑うジェイド。
すると、ジェイドの後ろから1人の少年がやってきた。
ジルードはとても強そうに見えないその姿を見て笑う。
ははは!なんだお前は?武器も持ってないじゃないか!
途端に、ジルードと謎の少年がピタッと止まる。
ジルードはさっきまでと違い警戒し、銃の機械の銃口を少年に向けた。
どうしたんだい?仲間に入れてくれるんじゃないのかい?
(なんだ…こいつ…!?
こいつを見てると嫌な予感がする…!クソ!冷汗が止まらない…!)
【皇帝】
ふふふ。僕はゲノン帝国の皇帝。よろしくねジルード。
そうだよ。僕は異世界人でねぇ、今の姿は現実世界での姿なんだ。
そしてさっき見た僕の姿こそ、この世界での姿。決して知られてはいけない秘密の姿。
僕には自分の姿を変える力があってね。本当に便利だなぁ。
僕の要件は2つ。
1つは、今このシーンそのものが画面の前のみんなへの大ヒント。
まず、一人称は僕。
この「貴族の少女と帝国の話21話」に出てきたけど、それまでは別の話の19話にいた。
そして、1人の異世界人を元の世界に戻しこの話にやってきた。時系列は話数で揃えているよ。
何を1人でごちゃごちゃと…!自分の正体のヒントを知ろうとしている人間でもいるというのか?
いたら嬉しいね。だから今みたいにヒントを出したのはこの話だけじゃない。
せっかちだな。いいだろう。もう1つの要件だ。
ジェイド、ライカに闇を与えろ。ライカは”奴ら”の中で強く、全体を引っ張っている。オレンジの髪をした女だ。すぐに終わる。
……まったく、ヴェイルノートに消せと言ったのに生きてるじゃないか……。
そして、ジルード、ジラード…お前達には2人の異世界人を消してもらおう。
ジェイドを介して私の闇を与えていたが、直接流し込むしかないようだな。こっちへ来い。
待て!僕達は帝国の幹部ではない。お前に従う必要など――
そういうことだ。クソババアから奪った銃をお見舞いしてやる!
どこを狙っている?私はここだよ。しっかり狙いなさい。ははは……。
(なぜ当たらない…!?レーザーを見切ってるのか!?)
では私はそろそろ戻るよ。この後、ディナーが待ってるんだ。
もちろんしっかり働いてくれるよな?ジルード、ジラード!
****
一方、海底洞窟。
ドゥーンとパンザレスが先頭に、奥へと歩いていた。
アクアは洞窟の奥をじっと見つめる。
暗い洞窟の中に、黒いもやもやがあるように見えた。
突如現れたジェイド。
ジェイドは黒い霧を出すと、ライカの身を包む。
ライカは黒い霧の中にズルズル…と引きずり込まれていく。
ドゥーン、パンザレスは黒い霧に手を伸ばす。
背後からジルード、ジラードが近付く。
そして、ジェイドはライカが黒い霧に入ったのを確認すると消えてしまった。
魔法を唱えるドロシー。
しかし、ドゥーンとパンザレスは一歩前に出る。
それからアクアちゃん、シルキーちゃん、ファルガ姉さん、オマケにノア…
【ドゥーン&パンザレス】
ライカちゃんを追ってやってくれ!!!
まぁ~なんだ、いつもふざけてばっかりだし、これくらいしないとな!
ライカちゃんのツッコミ、いつも激しくて怖いけど、クセになっちゃうんだよね~!メグロアークデカいし、ほんとにぶっ飛ばされたらアレだけど、この世界、あの子と一緒なら楽しいと思うんだ!
へへっ。かっこつけちゃって。わかったよ!あの子は任せな!
その代わり、必ず追いかけて来いよ!!
走り出すメラニー、ソフィー、ドロシー、シルキー、アクア、ノア、ファルガ。
ドゥーン、パンザレスはメラニー達に背を向けたまま、右手を挙げて返事をした。
フン。応援を呼ぶなら呼んでみたらどうだ?
そうなれば、お前らはミー達にビビってるってことになるけどな!
何人呼んでもムダだね!彼女達は一筋縄じゃいかないぞ?
尻尾巻いて逃げるなら今のうちだ!
さっさと倒して追いかけようぜ相棒!
こんな時こそ、最高の異世界人達を召喚する時だと思わないか?
そりゃいい!
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