23話 大文字タケル豹変!ココを救え!
文字数 2,972文字
前回のあらすじ。
悪魔のエリアの刺客、デミア。
グラリオ、アルベルト、ロキは彼女の能力「悪夢」によって悪夢の世界へと飛ばされてしまい、それぞれが避けている、恐れている事が起きる世界で苦しんでいた。
そしてルトもまた悪夢の世界へと飛ばされるが、「ずっとあなたに会いたかった」と微笑む謎の男性と出会う。
一方、デミア、そしてシルハイドは、
どこからか漂う膨大な力を感じていた。
****
ココの悪夢。
テイル城。
時刻は夜。
ココは帝国に操られた大文字タケルに追い詰められ、怯えていた。
その瞬間、ルトはココを抱きテイル城の窓から高くジャンプした。
****
人間の住むエリアの建物の屋根の上を走り、別の屋根に飛び、また走り、テイル城から離れるルト。
ルトに抱かれ、ルトの胸で涙をこぼすココ。
夜空に浮かぶ美しい満月が2人を照らす。
涙を拭き、笑顔になるルトとココ。
ココには気になっている事があった。
そう言うと、ルトは桜花との会話を話す。
それは、ルトがココの世界に行く少し前。
『そうです。
知っての通り、あなたの持つ桜花は「忘却の古戦場」の武器の1つ。
魔剣カーディナル、双剣ブルム、宝剣セントシュタリアなどは「攻撃」が目的の武器ですが、桜花はその逆で、「攻撃しない」のが目的。
言わば、「戦わない武器」なのです。』
『そうです。
彼らにとってのこの世界は「本人が恐れている事』そのもの。
その辛さは人にとっても妖狐にとってもニャルシーにとっても変わりません。
彼らが何を恐れているのか、それを見極めて声をかけてあげて下さい。
あなたならきっとできる……!』
ウィンクをしてごまかすココ。
ココを抱きながら怒るルト。
2人の前に桜が舞い、誰かの悪夢の世界へのゲートが開く。
そして、2人を見守る影が1つ。
****
テイル=プロミーズ。
とあるエリア。
実はな、もしかしたらとんでもねぇ野郎が地上に出てくるかもしれねぇんだ。
このテイル=プロミーズだけじゃねぇ、
アクスビットも帝国もマギアルクラフトもギルドアカデミーもアーリー城も無事じゃ済まねぇだろうな。
まぁ、他の話の奴らがどうなろうが知らねぇが、厄介なのは確かなんだ。