13話 ギルドサバイバル開始
文字数 3,839文字
ギルドアカデミー。通路。
アルバは、何かを察してギルドアカデミー内を走っていた。
様子がおかしい…!何か嫌な予感がする…!一度集まった方が…!
! あれは……人が倒れてる!?おーい!君!大丈夫か!?
…?君は確かツインウィッチのルナちゃん……何かあったのかい?立てる?
その瞬間、ルナはスライムのようにぐにゃりと身体が変身。
アルバの足を捕まえると、壁にぶつける。
くっ…!僕としたことがニセモノに気付かないとは…!武器があれば…!
――ギルドアカデミー。シャワールームの前。
ラディウスは、熟睡から起床。
よっぽどいい夢でも見たのか、1人で歌っていた。
♪ダイヤモンドのキミと 過ごした時間(とき)
♪このままずっと止まれと 願ったのに
♪それでもその時は来る ああ残酷ね
はぁ…なんていい女性と出会ったんだオレは……!あんな人がいてくれたらオレは…オレは……!
おうっ!?なんだいるじゃないか!オレのヴィーナスちゃん❤︎ちょうど誰もいないしオレのラブソング、聴いてほし……
って聴いてたよね!今の曲!いやぁ夢でキミとデートをして気分最高!
だから歌っちゃいました。タイトルを聞いてくれ!な、な、なんと!「リアルと妄想は違うのよ」!いやーナイスセンスだと思うでしょ!?オレもそう思う……
その瞬間、ラディウスは目の前にいるベロニカの顔面を強力なパンチで粉砕。
そのまま女と書かれた扉に吹っ飛ばしてしまった。
……どういうつもりか知らないが、あの子に似せてオレが満足すると思うな!どう見てもニセモノだろ!
大体あんなタイトルってどうよ?おかしいだろフツー。
……さてと、ってことはあそこに見えるルナちゃんもニセモノ……ってそりゃそうか。いつからスライムになったんだ?
ラディウスは、少し遠くにいるルナとアルバを発見。
魔法を唱え、ルナを狙って炎の球を発射。
こいつら素手の攻撃だと吹っ飛ぶ。で、魔法は効くみたいだ。
……アルバ、本物のルナちゃんが心配だ。食堂に行っててくれ。
ちょ、ちょっと兄さん!?
……行っちゃった……あいつって誰なんだ……?それにいつもより真剣な顔してた…まさかニセモノ??
――ギルドアカデミー。牢獄。
冷たく薄暗い部屋に、鎖で繋がれたメルルがいた。
え!?これって鎖!?な、何よこれ!?どうなってんの!?ちょっと出してよ!ねぇ!!
すると、メルルの前にモニターが現れ、映像が流れた。
はぁ〜い♪牢獄ってどんなとこ〜?あたしわかんな〜い♪
あたしをここに閉じ込めたのあんたでしょ!?出しなさいよ!
どうしてこんなこと…!ギルドアカデミーにお宝があるから一緒に奪おうって言ったのあんたでしょ!?嘘だったっていうの!?
その話は本当よ?ただ、この手の話は取り合いになるし、めんどくさいし、そうならないように閉じ込めたの。
この手の話なんてこんなものよ。これに懲りたら、ちんちくりんはちんちくりんらしく普通に生活することね。手を出すのは100年早いわ。
じゃあイイコト教えてあげる。このギルドアカデミーには予告状が届いてるのよ。それもとーってもヤバイ奴。
あいつはこのギルドアカデミーのどこかにある忘却の古戦場の武器を狙ってる。これに対してギルド協会はギルドアカデミーを立ち入り禁止にした。おかしいと思わない?あたし達どうしてここに入れたのかしら?
どういうこと?確かに合同合宿の招待状がウチのギルドに届いて……!
ウチにも届いたわ。
知ってた?クロは仲間を探してる。あたしはクロと手を組んで武器をもらうつもりなの。
そんな事したら死ぬわよ!相手が誰だかわかってんの!?死神があんたなんて相手にするわけない!あんたは相手がどういう奴かわかってないのよ!!
…あんた、泣いてんの?クロについて何か知ってるなら教えてよ?
そんなのお断り❤︎
さてと、この部屋はコントロールセンター…制御がかかってて合同合宿で公開されているエリアしか動かせないけど……ラビ、カギ作れる?
ビンゴ❤︎待ってましたぁ〜❤︎
パスワードはっと……♪
パスワードを確認。メインコントロールを自動から手動に切り替えました。
おもしろい事♪その前にまずはあんたをなんとかしなくちゃね♪
このギルドアカデミーは帝国のすぐ近くの島にある。この意味がわかる?
するとベロニカは、メルルの見ているモニターに世界地図の画像を出した。
この画像ちょっと前の物ね。まぁいいわ。
ほら、下の方。近いでしょ?帝国はすぐそこなの。例えばだけど……今あんたのいる牢獄がロケットのようにこのギルドアカデミーから、帝国のある大陸まで飛ばしたら……おもしろい?
あはは!そんな事になったら帝国のゲノン城もあんたも
ふざけんじゃないわよ!!ここから出せ!出せえええええええ!
ふふ♪そうね、ギルドアカデミーの本部に異常を察知される前に細工しておきましょうか♪
さてと……これで外からの邪魔は入らない。で、中はニセモノのスライムを放った。あとは………ゔゔん。
ギルドアカデミー、合同合宿へようこそ。参加者が揃いましたので、只今より合同合宿を開始します。
それでは最初のスケジュールを説明します。参加者の皆様には、お手持ちの武器を探しつつ魔物を倒すサバイバルゲームをしていただきます。魔物に倒される、または武器を持っていないまま30分ほどかかる場合は失格となります。
なお、この失格とはギルドアカデミーから強制的に出される事を意味します。
合格になった方はそのままですが、もしも失格になってしまった場合も大丈夫。ゲームが終わればドアが開き、次のスケジュールへ参加が可能です。
もちろんこれはサバイバルゲーム、武器を持っている参加者から奪って良し、叩いて良し。
それでは各ギルドマスターの皆様、準備はよろしいでしょうか?
素手でも楽しいですが、このままだと負けちゃいますね!
……まぁ、そんなわけないんだけど!アルマさん、一緒に行動してもよろしいですか?
さぁ?ボクにはわからないなぁ。それよりどうしても仲間になってほしいんだけどなぁ?
その奏音って子に仲間になってほしいんだよね。あ、ムルムルだっけ?キミは要らないや。もう使えないしね。
……まぁいいや。このゲームに勝てないようなら要らないし、せいぜいゲームに勝ち残ってね。
さすがにすぐには見つからないか……どこ行ったんだあいつ?
あいつ昔っから余計な事に首突っ込むからな〜……まぁ幼馴染だからって気になってるオレもオレなんだけど!
『そうよ!あたしはキングクラッドのギルドマスター、メルル!』
『そのあたしが協力してあげるの♪悪い話じゃないでしょう?その代わり報酬8割ね!』
『えっ。違うわよ!まだ12歳だけどれっきとしたギルドマスター!!』
『12だと?フン、裏切りそうな子供だ。悪いがこの話は無かったことにする。それと、オレ達の顔を見たからには死んでもらう……!!』
――あの時はほんと、ビビったよなぁー……アルバが来てくれたから怪我は無かったけど……
……まるで三兄弟みたいにいつも一緒だったっけ……。ったく世話が焼けるぜ!!
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