3話 天敵
文字数 1,225文字
――――ゲノン帝国、ゲノンムルグ城。
ローランと研究員達のいる研究所から少し離れた位置にある、巨大な城である。
帝国の幹部はもちろん、兵士達も出入りしている。
「転移の魔法陣」は、もともとはギルド協会が創り出した魔法アイテム。設置した場所から転移したい町や村の名前を設定することでその場所に転移できるもの。
今、魔法陣が緑色に光りハヤトと2人の兵士がやってきた。
ハヤトは、イライラしたまま部屋を出ていき、黄金の間へと入っていく。
黄金の間は、金貨や紙幣、黄金でできた銅像などの財産が保管されている部屋。
『隼人君すごい!また100点!』
『お前らが馬鹿なだけさ』
『隼人、偉いわ!』
『ボクは特別なんだ!当たり前だ!』
『隼人、遊園地に行こう!』
『ボクより馬鹿な奴らを高い所から人を見下ろしてやる…』
全てアナタの心の中で思っていた言葉です…
途端に、姿を消すリオン。
動揺から落ち着いたのか、ハヤトは深いため息をした。