21話 さようなら、ありがとう。
文字数 4,407文字
前回のあらすじ。
ゴワスから異世界のダンジョンについて、そしてヴェイルノートの事を聞くローラン達。
ゴワスは「繋ぐ繋がる」を正しい形にするゲートを取り出し、ヴェルグを「きつねっ娘とお菓子屋の話」に送った。
そして……。
ヴェイルノートが乗っている事を願うゴワス。
グラリオ、ロキの消息の確認をしたい。
轟鬼が乗っている事を願う翔。
これ以上の幹部と戦わず、ゲートを越えて元の世界へ帰りたい。
緊張に包まれる中、エレベーターの扉が開く。
その目の前には……。
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…………チン。
ゆっくり開くエレベーターの扉。
それに合わせて翔とゴワスは名前を呼ぶ。
………………。
最悪のシナリオというのは……いつでもイメージしておかなければならない……。
何言ってんだい!轟鬼の言う通りみんなで皇帝を倒せばいいじゃないか!ヴェイルノートの事情がわかったからにはタダじゃおかないよ!?
大体、アタシ達が帰った後はどうすんだい!ヴェイルノート、アンタ1人で戦う気かい!?
そんなの絶対許さないよ!??
……。…………。
お行きなさい。これ以上あなた達を巻き込むわけにはいかない。
本当はあなた達をゲートに入れた後ゲートを壊し、日本との繋がりを断つつもりでしたが、あなた達がゲートに入る前に皇帝にゲートを壊されれば日本には帰れない。
途端に強風が吹き荒れる。
通路の奥の部屋の扉が開き、ゲートが見える。
ソーマ、翔、琥珀、轟鬼、ハルは壁にしがみつく。
と同時に、ローラン、オズマ、メルトンはゴワスへと走る。
徐々に風が強力になる。
ついには、ソーマ、琥珀、翔が部屋の中まで吸い込まれてしまった。
その瞬間、なんとハルのラブ・フォーエバーの力で風の力を減らすことに成功。
ハルはなんとかゲートまで吸い込まれずに済んだ。
しかし、轟鬼、ソーマ、琥珀、翔は限界。
ゲートギリギリまで吸い込まれそうになっていた。
――オネエと帝国の秘密の話。
丸井翔。現実世界へ生還。
小鳥遊轟鬼。
現実世界へ生還。