19話 アルベルト死す!?甘い誘惑の罠!
文字数 5,955文字
前回のあらすじ。
帝国に捕らえられた楓と桜を取り戻すため、ロキの国テイル=プロミーズにやってきたルト達。
突如現れたスカーレットと大文字タケルから、ゲームの話を持ち掛けられる。
そこで、各エリアに1人ずつ、テイル城の橋を架ける鍵を持つ帝国の強豪達がいる。もうわかるよな?』
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どこかのエリア。
怪しい男が、魔法を使って誰かと話していた。
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一方、ここは妖狐のエリア。
ルト達は、人間の住むエリアから移動し、妖狐の住むエリアへと足を踏み入れた。
ふと、ルトが何かに気付く。
女性が人間の住むエリアの方からこちらへ走ってくるのが見えた。
そう言うと、アルベルトは女性に近付く。
女性は、アルベルトの期待通り大きな胸を揺らし、立ち止まった。
その瞬間、ダスターは大きな注射器を出し、アルベルトを狙って発射。
血液とは思えない色の液体がアルベルトを襲う。
ロキとルトは、妖狐の住む家の影に隠れた。
ココ、サーニャ、グラリオ、アルベルトの出方を伺うロキ。
一方、グラリオとココも隠れ、ダスターの行動を伺っていた。
ふふっと笑うグラリオ。
しかし、グラリオは信じられない光景を目の当たりにする。
(…? グラリオって誰だ…?ロキって…兄貴って誰だよ…!?オレ…誰だっけ……!?
ああ…なんだかいい匂いがする……。とてもいい気分だ……。はは…なんでオレ、ここにいるんだっけ……。ああ、目の前が暗くなってく……。)
そう言うと、ダスターはアルベルトの額に注射器の針を当てる。
その瞬間、グラリオは一か八か物陰から走り出す。
しかし。
ダスターが注射器に向かって撃つ……
まさにその瞬間。
地面ではなく、空中にジャンプしていた「彼女」はため息をすると、アルベルトに治癒魔法をかけた。
パリン!ガシャン!
わすか一瞬。サーニャの治癒魔法でアルベルトにバリアが張られ、注射器ごとはじき返した。
その衝撃で注射器は大破。割れてしまい、中の液体がドクドクと地面に広がる。
ダスターは立ち上がり、よろめきながら「どうして?」「なんで?」と呟き続ける。
ルト、ココ、グラリオ、ロキを縛っていた液体は力を失ったようだ。
サーニャはその隙にアルベルトを抱きかかえ、グラリオのいる物陰の方へ走った。
ルト、ココ、グラリオ、ロキ、サーニャは物陰に隠れ、アルベルトを寝かせる。
すると、サーニャは震える手でアルベルトの顔をめがけてビンタをする。
ふと、サーニャの涙がアルベルトの頬に落ちた。
……サーニャの必死の救出によって意識を取り戻したアルベルト。
喜ぶ5人だが、戦いはまだ終わっていない。
ダスターはしばらく同じ言葉を繰り返すと、魔法を発動し、新たな武器を構えた。