8話 裏切り者の末路
文字数 4,122文字
カプセルのある部屋。
やる気のなさそうな、細い体の兵士と太った兵士が立っていた。
自分の股間に名前つけてるガタイいいヤツがいて、ミトコンドリアでパフパフだの、
フェアリーテイルで夢いっぱいだの聞こえたらしいのよ…
正直不気味じゃん?関わらない方がいいから、即帰ってきたんだと…
その時、扉がスライドして開き、帝国の幹部の1人、リオンが入ってきた。
2人の兵士はすぐに黙り、ビシッと姿勢を直す。
リオンは、聞こえていないのか無言のままカプセルに近づく。
カプセルの中には、少女が眠っていた。
琥珀のカプセルを見つめ、俯くリオン。
事情がわからない2人の兵士は心底思っていた。
――
ローラン、メルトン、オズマサイド。
ハヤトの強力な魔法に苦戦していた。
その瞬間、ハヤトの手から炎の刃が現れ、メルトンの右腕に向かって飛び出し、メルトンの右腕に命中。
やはり幹部だからな、目の死んだ奴、頭のネジがぶっ飛んでる奴、そういうのの集まりなんだ。
チョコなんか来てみろ。物言わぬお菓子になって終わるだけだ。
【皇帝】
その通り。私は様々な種族が好きでね。人間、獣人、精霊、妖精、魔族、魔神、神、その姿を借りているんだ。
”君達”の事はよく知っているよ。ソーマ、グラリオ、楓、星乃未来、紗桜瑞希、和泉陽菜、七海、ジャック、ライカ、幼果杏、ゴラゴラン、星乃紋三郎、シュウ、シエル、小鳥、琥珀……
驚いたかい?今挙げた名前は全て”現実世界”からやってきた人間の名前だ。もっとも、これだけではないがね。
1ついいことを教えてあげよう。、ここにいない異世界人とはとっくに会っているんだよ。
つまり、ここにいるソーマ、琥珀、ハヤトは本物ということだ。
そうだな…”メタ発言”をするなら、6つのエピソード、各7話までのどこかに私はいる。
今読んでいる君達には、私がどこにいて、誰かと入れ替わっているかわかるかな?
――
王の間。
ヴェルグは魔力を込め、ヴェイルノートを殴りかかる。
が、ヴェイルノートの体の前に半透明の壁が現れた。
ふと、ヴェルグは周りに目をやる。
偶然だろうか、紙が気になった。
一瞬だった。何が起きたのかもわからず、ヴェルグはガクッと崩れ落ちる。
ヴェルグは震える手でヴェイルノートの服を掴もうとする。
その瞬間。
まるで大きな何かが体の真ん中を貫いたかのように、ヴェルグの腹に大きな穴が開いた。
床は大量の血で染まり、ヴェルグはバシャッと音を立てて倒れる。