12話 自由な王子と悪夢の襲来
文字数 3,808文字
ルト、ココがモフコット城へやってきてから数日が経った。
そんなある日のこと。
モフコット城中庭。
鬼の子とニャルシーの少女が、おずおずと歩いていた。
その時!
バリィン!という音と共に、ガラスの破片と1人の少女が落ちてきた。
しずく、サーニャはルトの後ろに隠れる。
すると、タイミングを見計らったように、3人の周りに強風が吹き荒れた。
その光景を目の当たりにしたモフコット城の兵士達は、なぜか呆れている。
ルトは大きく振りかぶり、目の前に向かって桜花を振る。
モフコット城の城壁、中庭の木や花を一切傷つけず、吹き荒れていた強風だけが消えてしまった。
すると、やる気のなさそうな青髪の少年が拍手する。
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モフコット城。
食堂。
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モフコット城の裏にある湖。
一瞬だった。
ロキは崩れ落ち、ドサッと倒れる。
ロキに駆け寄るルトとココ。
そして、ロキに防御力を上げる魔法をかけ、ヴェイルノートの攻撃を和らげたフィーナ。
全員の心に、恐怖心が残った。