1話 双子のミーナとルナ
文字数 1,268文字
剣士ギルド、ソーサラーギルド、アサシンギルド、騎士ギルド…
この世界には、数あるギルドの中で同じジョブになった者同士が集まるギルドがある。
そこからさらに、個人が立ち上げたギルドが何百、何千と存在している。
ギルドの楽しみは人によって異なる中、もっともギルドを熱くさせているのが「J1(ジェイワン)」である。
J1は1年に2度、各ジョブのギルドNo.1を決める大会の事であり、
見事No.1に輝いたギルドにはトロフィーが贈られ、同ジョブの全ギルドに知られることになる。
例えば、ソーサラー、ヒーラー、賢者、精霊術師、シャーマンなど魔法職の原点、
「魔法使い」ギルドの中でNo.1に輝いた「ツインウィッチ」には、双子のギルドマスターがいる。
こんにちは。ギルド協会の者です。どなたかいらっしゃいませんか?
1人の女性が、とある施設にやってきた。
それは、「ツインウィッチ」のギルドメンバーが日々生活する施設。
冒険者ギルドの施設と違い、モンスターの討伐依頼を受けるカウンターはもちろん、ギルドメンバー同士生活する寝室、食堂から、土地の違いや施設の大きさまで様々。
「ツインウィッチ」の場合、緑豊かな森の中に建てられた、大きな館がそれだ。
ミーナ様、お久しぶりです。先日はJ1優勝おめでとうございます。こちら、ギルド協会からのお届け物です。
ミーナは、炎と大地属性に長けた少女。
ジョブは魔法使い。レベルが高く、一時期賢者になったことがあるが魔法使いに転職。
文字が読めないことが目立つが、しっかり者の10歳。
通称「みーちゃん」。
るーちゃん!ギルドの人からお届け物だって!
金色の箱が届いたよー!
るーちゃんじゃない!ルナだよう!
それより今は魔法の演習…わぁぁ!?
【ルナ】
んもう!みーちゃんのせいで演習に負けちゃったじゃん!
ウチの苦手な雷属性で来るなんて!
バツとして、お仕置きだぞー!
ルナは、水と風属性に長けた少女。
ジョブは魔法使い。負けず嫌いでちょっとやんちゃな10歳。
「るーちゃん」と呼ばれることが多いが、本人は恥ずかしいらしい。
そして、時折暴走するルナを止めたり、メンバー管理をしたり、
2人の身の回りの世話をしたりしているのが、ギルドのサブマスター、七海(ななみ)である。
種族はエルフ。ミーナとルナの長けていない雷属性と回復が得意な少女。
【七海】
もう、ルナ様?負けず嫌いなのはわかりますが、もう少し魔力をセーブしていただかないと…
いくらこの演習場のバリアの魔法のおかげで、身体に影響がないとはいえ……
なんと!そんなのは私が出ます!
ミーナ様の”あんよ”や”おてて”をペロペ…う”う”ん”!
〇〇〇〇するのは私だけだというのに!
しょっちゅう危なっかしいセリフが飛び出る、極度の百合である。
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