19話 グレン暴走!?リースリットの決意!
文字数 3,396文字
クラフトエリア。ドック。
グレン、杏、リースリットはブルーボードの練習を終えた。
その瞬間!
パラリラパラリラ〜
どこかで聞いたことのある音と共に、ブルーボードに乗ったグレンが猛スピードでドック内を飛びだした。
グレンの乗ったブルーボードは暴走。
メンテナンス中の飛空挺と荷物を積んである飛空挺の間や、天井からぶら下がっている配管の間を間一髪スレスレで走り、不安定なバランスのまま右へ左へ旋回。
グレンを中心に、技師や整備士もパニックに陥る。
ボードの上でしゃがみ、右足を前に出して体重をかけるグレン。
なんと、目の前の飛空挺にぶつかる寸前で方向転換に成功。
グレンは、足元をチラッと見る。
ボードの先端には赤いボタン、青いボタン、そして星のマークが描かれたボタン。
ボードの後ろには雷のマークが描かれたボタンがあった。
グレンは急いで左足を後ろに出し、体重をかける。
しかしグレンの希望も虚しく、とある音が鳴った。
ポチッ
恐る恐る足元を見るグレン。
グレンの足の下に、雷のマークがチラッと見えた。
冷や汗が止まらないグレン。
そんなグレンの足元で、何やら音がする。
ウィーン ウィウィーン
ガシャンガシャン
ゴオオオオオオオ
なんと、グレンのブルーボードの先にリースリットが立っていた。
真剣な表情ではなく、微笑んでいる。
そう。私達の城に代々伝わる忘却の古戦場、その1つ。宝剣セントシュタリア。炎や雷などのエネルギーを纏った攻撃に特化したもの。ボムに当たることでボムの力を纏った攻撃ができるなら、この先の戦闘で役に立てるかもしれない。
私だって武器に選ばれた1人よ。
この剣を持つ資格があるかどうか、今ここで試したい。
なんでかな。あなたが騎士団に入ってから、いろんな所に行ってみたいなって思ったの。だからファミリアのモンスターの巣の調査を受けた時は、あなたと行く事を決めた。後悔なんてしてないよ。今も、これからも、あなたと一緒に居たいの。
だから、わがまま、聞いてくれる?
セントシュタリアを構えるリースリット。
グレンもまた、真っ直ぐにリースリットとぶつかるように方向転換し、目の前のリースリットを見つめる。
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飛空挺「デッドエンド」。
突如姿を消した和泉秀一、謎の男ライザー・ホーク、ゼノン・ホークがいた。
そう言うと、ライザー・ホークは大きな銃を召喚。
スコープを覗き、飛空艇のドックに合わせる。
しかし、眩いばかりの光がライザーの目をくらませた。
――クラフトエリア。飛空艇のドック。
眩い光がおさまり、ミクがゆっくりと目を開ける。
すると、オルテガとリンカが何かを見て微笑んだ。
ミク達が見たのはリースリットが手にしている虹色に光り輝く剣。
そう、オルテガのブルーボードのボムの力を吸収した宝剣セントシュタリアだった。
正しき者には力強く、しかし暖かく照らし、悪しき者の視界を奪う。
宝剣セントシュタリアを持ち、グレンに駆け寄るリースリット。
グレンはボムの衝撃によってブルーボードから解放されていた。
結局、グレンはリースリットの告白(?)を聞きそびれたのでした。
次回へつづく。