11話 悲しき再会
文字数 3,565文字
『だから説明しに来たんじゃ!
…まったく、わしらは昔から変わらんのう。何かあれば胸ぐら掴んでワーワーギャーギャー、結婚した時の事を覚えておるか?
ウェディングドレスの色を決めるのにギリギリまで喧嘩して、皆を待たせたじゃろ……』
『まぁええわい。
……よいか、どういうわけか未来がこの世界に来てしもうた。知っての通りモンスターが生息するこの世界にじゃ。
わしらはまぁ、お互いに暴れるだけ暴れてこれだけ強くなったが、未来はただの中学生。力などありはせん。』
『ちょっと待つんじゃ。
よいか、未来はアイドル、わしは剣豪、バーさんはバーサーカー。それぞれバラバラじゃが、わしらは1つじゃ。
何があっても離れんように、忘れんように、失わんように、これを持っておいてほしい。』
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地下4階。扉の向こうの部屋。
皇帝からローラン達を始末するよう命令されていた兵士達は、それぞれ武器の手入れをしながら待機していた。
すると、兵士に変装していた謎の幹部は、兵士の頭をグキッと回し、炎を纏う。
兵士は一瞬で黒焦げになり、変わり果てた姿となってしまった。
――ローランサイド。
その瞬間!
ズカン!ズカン!!
ズドン!ズドン!!ズドン!!
その瞬間、硬く閉ざされていたはずの扉は、大きな音と共に壊れ、ハルの目の前に飛ぶ。
ローラン、メルトン、ソーマは間一髪、ギリギリでハルの背後にしゃがむことに成功。
一撃だった。
ハルはラブ・フォーエバーを抜くと、目の前に迫る扉を斬る。
するとどうだろう。扉は縦に真っ二つになり、ハルの左右へ大きな音を立てて倒れた。
思わず拍手を送るローラン。
しかし、すぐに目の前の惨劇に怯える。
そこには、全身が黒焦げになった肉の塊がゴロゴロと転がっていた。
武器を持った兵士達を睨みつけるハル。
すると、1人の兵士がガクッと泣き崩れた。
今は20人…さっき扉が開かなかったら自分達が投げられてた…!!
あんた達がここで止まらなかったら、オレ達は幹部に殺されるかあんた達に殺されるかどっちかしかないんだよ!!なぁ助けてくれよ…!!頼むよ…!!
カラン……
その時、ソーマの持つ赤いブラッドネメシスが床に落ちた。
なぜだろう。ソーマの手に力が入らない。
見つけてしまった。目が合ってしまった。
兵士達の後ろに、まるで人形のように立っている2人の人間に。
ああ、こんな事あっていいんだろうか。
だとしたら、
なんて、