１６話 ロキの国と新たな帝国幹部
文字数 3,221文字
兄が気に入った男がこんなにかっこよくおもしろいなんて知らなかったからな。帝国が攻めてこようものなら全力で加勢するぜ？
"繋ぐ繋がるシステム"だよ。「底辺実況主の異世界転生の話」を読んだ画面の前の皆は知っているとは思うが、私はこのエピソードメインで登場するわけではないからな。私は結局のところ、この話にお邪魔しているだけなのだ。
”繋ぐ繋がるシステム”ってことは「自分がメインで登場するエピソードじゃないエピソードを転々と移動するキャラ」なのかい。
じゃあグラリオは「底辺実況主の異世界転生の話」のどこかのエピソードで何かがあって、どういうわけかこの「きつねっ娘とお菓子屋の話」に飛んできたのかい。
その通りだ！画面の前の皆はぜひ他のエピソードを読んでくれ！
ム。ついでに私達に他のエピソードで何が起きているかわかったりしないだろうか？
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ロキ、いつまで暗い顔してんだよ？
あそうだ！ロキ！お前の国に行こうぜ！？
ロキの国は人間以外の種族が多いからなぁ、妖精のかわい子ちゃんでも嫁にもらいたいねぇ！
それにしても楓という名前、異世界人らしい名前だな……女の子なんだろうな、うん。
なになに？
"どすえ亭に挑戦者現る！"
"グラスオーヴィ、ラストライブ"？
どすえ亭は「アイドルと不思議なバスの話」だろ、
グラスオーヴィは「底辺実況主の異世界転生の話」じゃないか！
詳しくはそれぞれのエピソードを読んでね！
………って新聞に挟まってるカンペに書いてあるけどなんだこれ…これでいいのか…？
（赤髪の男…この肉体…私は彼を知っている…のか……？）
"テイル・プロミーズで異世界人確保"！？？テイル・プロミーズはボクの国の名前だ！！
そもそも異世界人はこの世界においてイレギュラーな存在。しかも特別な力を持ってる。
その時、奴はこう言ったんだ……。
『これからこの世界へ来る異世界人にはスキルを与えましょう。これで目覚めた時にはすでに使えるようになります。何の武器も魔法も使えないのではすぐに死んでしまう…。』
たとえ人が死のうとも解剖してスキルの研究をする、マッドサイエンティストのような者がいてもおかしくない…。
とにかく、これで目的地はロキの国に決まったの！こうしてはおれぬ！早速準備じゃ！！
かくして、ルト、ココ、グラリオ、アルベルト、しずく、サーニャ、ロキは、ロキの国テイル・プロミーズへ向かい、
ベル、フィーナはモフコット城に残ることになった。
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テイル・プロミーズ。テイル城。
部屋。
セクシーな水着を着て、鼻歌を歌う女性の姿があった。
頭のハゲた男性が話しかける。
女性はセクシーなポーズをとりながら男性にジリジリと近付く。
ッパン！ビチャッ
その瞬間、男性の体は破裂した。
壁や床に血で染まり、目玉や手足の破片が飛び散る。
女性は、壁に設置されたモニターを見る。
そこには、モフコット城で準備をしているロキ達の姿があった。
女性はマイクを使って誰かと話す。
さて……スパイご苦労様♪
さて、グラリオ、アルベルト、ロキ…この中で誰が会いに来てくれるのかしら❤︎まぁ誰でもいいわ。骨抜きにしてあ・げ・る❤︎
モニターの電源を切り、水着姿のまま部屋を出る女性。
……彼女の名はスカーレット。
ゲノン帝国幹部の中でただ１人美しく、危険な女。
彼女は、まるで蜘蛛の糸を垂らすように人外の国で男を待つ。
その結末は愛か死か。今はまだ、誰も知らない。
ねぇねぇ今のお姉ちゃんだよね！ふぶきちゃんは誰が死んじゃうと思う？やっぱりあの人かな？
すずねと同じだよ。ロキ、アルベルト、グラリオでしょ？あの男に決まってるよ！
（このままじゃあの人が死んじゃう…止めなきゃ…！）
