15話 ようこそアクスビットへ
文字数 4,175文字
アクスビット。冒険者ギルド。
せっせと荷物を運ぶ小さな妖狐と、背中に白い翼の生えた女性がいた。
****
アクスビット。港。
……事態は残酷さ。メラニーの住んでいた貴族の町も、ドッペルとして住んでいたギルド施設も、全て帝国の幹部チョコに壊された。あるのは死体だけさ。きっともう戻れない。
……と思ったんだけど、もうそれどころじゃないね…せっかくライカちゃんが母の居場所を教えてくれたのに……
私はただの貴族で、両親がおかしくなったのが耐えられなくて、国を出ようと思った。
でもあの子は、私があの子と一緒にモンスターを殺して酷いことをしていたと言っていた…。
私は本当に貴族なのか、人なのか、酷い心を持っているのか、どうすべきなのか、誰なのか知りたい……
****
冒険者ギルド。
イスに座る7人。
周りを見渡すと、海賊らしいガタイの大きな男達が豪快に酒を飲む姿が目立つ。
ふと、ライカは謎の男に気付く。
男は黒いローブで身を隠し、コソコソしながらクエストカウンターを覗いている。
ライカは、「はぁ…」とため息をした。
苦笑いをして目をそらすライカ。
そんなライカをじっと見つめる者がいた。
欲望をむき出しにする男2人は、ニヤニヤハアハアしながら勢いよく冒険者ギルドを出ていった。
****
数十分後。
ギルド「ドッペル」のギルド施設。
****
砂浜。
****
冒険者ギルド。