14話 さよならメルル
文字数 3,337文字
ギルドアカデミー。演習場。
他のメンバーそっくりのスライム達と戦いながら、クロガネは異変に気付く。
天井近くで体制を整え、ラディウスのスライムがいた方を向くマナ。
その瞬間、なんと目の前にマナのスライムが拳を振りかぶっていた。
シロガネは絶句。
演習場の真ん中を取り囲むように、サイカやリル、アルマ、そしてシロガネなどのスライムが次々に召喚されていく。
――ギルドアカデミー。食堂。
たくさんのスライムが召喚される中、ルナが一度に倒そうと魔法を唱える。
――ギルドアカデミー。武器庫。
ガチャ
ゾクッ
その瞬間、ベロニカ、ラビは殺気を感じる。
ベロニカは突如聞こえた声の通り、すぐにしゃがむんだ。
フォン!
その差、一瞬。ベロニカの後ろにあるコントロールセンターの機械が大破。
ベロニカは奇跡的に間に合った。
すると、クロはニヤリと笑って消えてしまった。
腰が抜けてその場に座り込むベロニカ。
――ギルドアカデミー。通路。
ラディウスは、走りながらスライムをブン殴り吹っ飛ばしていた。
目の前に現れたメルルそっくりのスライムを蹴飛ばすラディウス。
その時、ラディウスは何かに気付いた。
勢いよく振り返るラディウス。
そこには、よほど走ったのか汗をかいたベロニカがいた。