26話 末吉VSリオン!男と男の熱き決闘!前編
文字数 3,996文字
前回のあらすじ。
ごちゃランドで合流したゴラゴランと末吉。
そこに先生としてヴェイルノートが現れ、ついにゴラゴランの戦いが幕を開ける。
一方、時を同じくセクシーな女性達に囲まれ幸せ気分の紋三郎。
彼の元にも仮面を被った謎の女性が現れる。
そして……。
末吉に助言をしてくれたオルガは、教室で末吉の戦う相手であるリオンと会うが、その力を危険と感じ末吉の代わりに戦いを挑み敗北。
めちゃくちゃになった教室に戻ってきた末吉が仰向けに倒れたオルガに駆け寄り聞いたのは、オルガの最期の言葉……。
なぜオルガが死ななければならないのか。
なぜこんなにも悔しいのか。
なぜこんなにも涙が溢れるのか。
もっと早く教室に戻っていれば。
オルガがメリーゴーランドを示した紙を渡してくれた時、あのまま教室にいれば。
末吉は短くも助言をくれた友、オルガの死に泣き叫び、リオンと戦う事を決意する。
****
ごちゃエピ学園ハイエンド。
校庭。
そう言うと、末吉は右手を前に出す。
末吉の右手が星くずのように光り輝き、末吉のイメージカラーである青色の棒が現れた。
そう言うと、末吉は目をつぶる。
すると末吉の体が青く光りだし、数十個の青い球が末吉の体の周りに現れた。
その瞬間、末吉は手に持ったスティックを使い自分の周りを浮く青い球を撞く。
リオンは一瞬で見切り、ギリギリで回避。
しかし、わずかにリオンの頬に当たり少さく血が流れる。
血を舐め、目の前を見るリオン。
いくつもの青い炎を纏った球が、青い曲線を描いてリオンの元へやってくる。
リオンは「チッ」と舌打ちをすると、空中を飛びながら素早く回避していく。
一方末吉は、青い球を撞きながらオルガの事を思い出していた。
後悔と自責、友を「弱い」と言われた屈辱。
その心は激しく燃え、末吉の理性を奪っていく。
その瞬間、末吉は力を溜め球を撞く。
すると、1つ1つの球が1つになり、隕石のような巨大な青い炎の球となって放たれた。
身構えるリオン。
その様子は煌、ボストン、紋三郎のいる教室や他の教室にいる生徒も見ていた。
3年A組。
苦しむように歯をくいしばる末吉。
末吉の衣服がビリビリ……と破れていく。
やがて、巨大な隕石のような青い球はリオンを焼き、ごちゃエピ学園とごちゃランドは白い光で包まれた。
――
どれくらいの時間が経ったのだろう。
校舎からごちゃランドに向かって放たれた青い球は、校舎の壁もごちゃランドのゲートも破壊。
煌、ボストン、紋三郎のいない教室の壁を抉り、ごちゃランドのゲートやコーヒーカップ、ボストンが空を飛び偶然入ってしまった大砲のある部屋も全壊。
校庭には教室の扉の破片やイス、割れた窓ガラス、教卓などが散乱している。
末吉は、校庭の真ん中に倒れる。
自分の胸に手を当てる末吉。
心臓の鼓動は早く、手は黒く汚れていた。
すると、遠くからリオンがやってきた。
その体は至って綺麗で、末吉の攻撃が当たったとは思えない。
リオンは槍を地面に刺し、末吉に話しかける。
そう言うと、リオンは槍を抜き末吉に背を向ける。
しかし、末吉は背を向けたリオンに向かって土下座をする。
リオンに向かって土下座をしたまま叫ぶ末吉。
乾いた地面に涙が落ちる。
――
校庭の真ん中で見つめ合う末吉とリオン。
末吉は、先程と同じようにスティックを構え、青い炎を体の周りに纏う。
そして目を閉じ、とある記憶を思い出していた。
すると、末吉は表情を変え、穏やかな表情になる。
激しく燃え盛っていた青い炎は落ち着き、それでも強く燃えている。
末吉&リオン、再戦。
末吉は青い球と共にリオンに向かって走り、
リオンは槍を構え、末吉に向かって走る。
ゲートボーラーとランサー、スティックと槍。青と青。
男と男の戦いは、やがて声援に包まれる。
1年A組。
ごちゃランドのゲート。
1年B組。
3年C組。
ごちゃランド。
ゴラゴランとヴェイルノートは、ごちゃランドのフェンス越しに校庭で戦う末吉とリオンを見ていた。
ガシャン!とフェンスを両手で力強く掴み、末吉を見つめるゴラゴラン。
気のせいだろうか、ゴラゴランの赤髪は熱く燃え、体は赤いオーラを纏い、熱い心に震えている。