#27 【出会】勇輝驚愕!?九重兄妹登場!
文字数 4,718文字
前回のあらすじ。
アーリー城に侵入したジャック達は、
操縦室へ向かうシャルロット、コータロー、ビット。
もみじの救出に向かうジャック、ミノル、さくら。
メイの説得に向かう勇輝、の3つに分かれて行動することに。
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アーリー城。
1階。部屋。
その瞬間。
それによく考えてみて?
この中の誰かがジャック君にとっての裏切り者なら、その誰かはウチと仲間って事になるよね?
ってことは、
今こうやって話してる最中にアイコンタクト送ったり、会話の中に合言葉が混じってたりするかもしれない!
注意して聞いてみて?
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アーリー城。
地下。牢屋。
壊れた武器や鎧、マネキンに機械。
体育館ほどの巨大な部屋に高く積み上げられた"ゴミ"の山。
そんな牢屋の見張りのため、アリシアと1人の兵士が鉄の扉を開ける。
ガチャ キィィ……
兵士は松明(たいまつ)を持ち、ゆっくりと歩く。
すると、兵士はすぐに怯え、挙動がおかしくなる。
"何かがいる"。
松明がなければ何も見えない暗闇の中で兵士はそう確信し、松明を"何か"に例えて激しく命乞いをする。
そして――
アリシアは兵士の持っていた松明を拾い、
うっすらと見える檻のような何かに近付く。
その瞬間、アリシアは松明をポイッと投げ捨てる。
すると松明は激しく燃え盛り、黒く焦げてしまった。
……まぁいい。
キミはここから決して出る事はできない。
どうせ"同じジムの仲間"を待っているんだろうけど、
グラリオはこの城にはいない。
大文字タケルは我々ゲノン帝国の幹部。
ゴラゴランはどすえ亭に宿泊中。
希望など無いんだ。諦めるんだね。
あぁ、これからキミがどうなるか気になるだろう?
僕はゲノン帝国幹部の上層部、それも皇帝直属の組織のメンバー。
だけど、
僕はキミが会いたがっている少年、ジャックの友達でもあるんだ。
一度は一緒に笑った仲、それは紛れもない事実。
せめて痛くないように眠ってもらうよ。
すると、アリシアは音もなく消えてしまった。
再び沈黙に包まれる牢屋。
ふいに、暗闇の中でガシャンと音が鳴り、金髪の少女が姿を現した。
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アーリー城。
中庭。
メイを探していた勇輝は、中庭へたどり着いた。
慌てる勇輝。全速力で庭の中を走る。
そう言うと、勇輝は兵士に向かってカードを投げる。
すると、カードは見事に兵士にヒット。
ある兵士はカードからの炎に包まれ炎上し、
ある兵士は強力な嵐に飛ばされはるか上空へ。
騒動に気付き次々にやってくる兵士達もカードがヒットし、勇輝はあっという間に兵士を倒してしまった。
目の前に井戸がある事にも気付かずに。
足を井戸に引っ掛け、バランスを崩す勇輝。
その時。
君は異世界人だね?
……大丈夫。オレも”同じ”だ。